とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

大胆なメンバー起用の前半はよく戦ったが、最後はネイマールの前に守備崩壊。これを糧に次へ進もう。

 先発メンバー発表に驚いた。本田も長友も細貝も武藤もいない。なんと田口をアンカー起用。大丈夫か。MF森岡とFW小林の先発起用で攻撃は形になるんだろうか。
 序盤、ネイマールが飛ばす。4分、7分、11分とネイマールが単騎ドリブルで日本守備陣を切り裂きにかかる。これで田口は臆してしまったんじゃないか。中途半端なプレスでは簡単に突破される。そして17分、OHネイマールの突破をMF柴崎が止めて得たFKをネイマールが蹴る。あわやポストにはね返される。
 何とかピンチを逃れたと思った直後の18分、右SHウィリアンからのパスをCFジエゴ・タルデッリがスルーパスネイマールが絶妙の飛び出しでオフサイドラインを突破し、そのままゴール。ブラジルが先制した。21分にはCHルイス・グスタボの縦パスにネイマールがドリブルで抜け出す。CB塩谷が競るが、速さで負けてシュート。枠を外して助かった。
 日本は23分、左FWから左サイドを駆け上がったSB太田のクロスがDFに当たってコースが変わったところを右FW小林が強烈なボレーシュート。わずかにバーを越える。惜しい。29分、左FW田中のFKのクリアをMF柴崎がボレーシュート。枠を外す。35分には右SB酒井高徳のクロスにCF岡崎がヘディングシュート。日本が攻撃の形を作った。
 MF柴崎が攻撃の中心としてよくがんばったが、MF森岡は消えていた。CH田口は相手をリスペクトしすぎて、ずるずると下がる場面が目立つ。左FW田中はFK以外は見せ場を作ることができなかった。右SB酒井高徳はジャマイカ戦に続いて絶好調。よく右サイドをがんばった。左SB太田もいい場面もあったが、後半は消えてしまった。CB塩谷は攻撃面ではいい面を見せたが、ネイマールにはさすがに速さ負け。でもよくがんばった。
 その後はブラジルが無理をしないパスを回して時間が過ぎて、前半は1-0で終えた。アディショナルタイム、MF柴崎のCKから左FW田中がボレーシュート。こぼれ球をCB塩谷がシュート。だが枠を外した。
 後半に入り、森岡を本田に交代する。ブラジルは、右SBマリオ・フェルナンデス、左SHオスカルと右SHウィリアンに代えて、コウチーニョとエベルトン・リベイロを投入する。すると3分、MF柴崎のトラップミスを見逃さず、左SHコウチーニョが奪ってドリブルすると、スルーパスにCH田口のマークを振り切り、OHネイマールが抜け出してシュート。オフサイド気味だったが、これでゲームが決まってしまった。7分には小林に代えて左FW武藤を投入。田中をMFに下げる。
 9分、ネイマールのCKを本田がヘディングでクリアすると、これをCBミランダがシュート。GK川島がファインセーブ。日本も10分、MF柴崎のパスからMF田中のスルーパスにCF岡崎が反応してシュート。ポストを叩く。岡崎はこのゲームでもさすがのプレーを見せていたが、何分チャンスが少ない。よくがんばった。
 14分、またもMF柴崎から左SHコウチーニョがボールを奪い、右SHエベルトン・リベイロのスルーパスにOHネイマールがシュート。サイドネットで救われた。柴崎にはいい勉強になった。17分、OHネイマールがゴール前でCH田口を翻弄して左サイドへ展開、左SHコウチーニョがシュート。わずかに外れたが、次第にブラジルがやり放題の展開になってくる。20分、CFジエゴ・タルデッリに代えてロビーニョを投入。
 それでも22分、左FW武藤がよくがんばって右SHエベルトン・リベイロを抜くと、クロスに右FW本田がシュート。だがDFにブロックされた。その後はネイマール・ショー。24分、OHネイマールがCH田口のマークを寄せ付けず、左に流してCFロビーニョがシュート。日本は25分、田中に代えて細貝を投入。あくまで田口は残す。ブラジルは27分、CHソウザ、31分にはMFカカを投入する。
 すると32分、OHネイマールのクロスにMFカカがヘディングシュート。バーを叩き、かろうじてDFがクリア。と思ったらCHソウザがミドルシュート。GK川島がいったんは弾いたが、これをOHネイマールがゴールに叩き込む。ネイマールハットトリック。そして36分、ロビーニョとカカで左サイドを崩すと、カカのクロスにネイマールがヘディングシュート。4点目を決めた。
 日本も44分、久し振りに左SB太田のクロスに途中交代CF柿谷がヘディングシュート。だがGKジェフェルソンがナイスセーブ。結局、ブラジル相手に4-0の完敗。ネイマール一人に4ゴールを献上し、シンガポールの観客を楽しませる引き立て役になってしまった。
 ネイマールの凄さが際立った。日本も若手がよくがんばったが、最後は集中力も切れてしまった。でもネイマールと肌を接して戦った経験は貴重な財産になる。それを田口らが経験できたことは大きい。これを機にしっかりと底上げを図ってほしい。上辺だけのチーム力はいらない。日本全体のチーム力を上げていく。そのための貴重なステップとなったゲームだった。