とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

高倉健と安倍晋三

 昨日衆議院が解散され、いよいよ年末選挙が現実のものとなった。今朝の新聞を読むと、首相自ら「アベノミクス解散」と呼び、原発集団的自衛権特定秘密保護法なども「当然、選挙で国民に訴えていきたい」と表明したそうで、ここにきて意外に男らしいじゃん。
 何と言ってもこれまで、嘘と逃げと開き直りの言動と姑息な対応が安倍首相のやり方だっただけに、まともに対応することもあるんだと思わず意外に思ってしまった。まあ、一昨年の当時の野田首相との党首対決では、野田首相の迫力にオタオタとして、でもそれが意外にかわいいという評価もあったかもしれないが、さすがに今度はそうはいかない。今度は解散を持ちかけたのは安倍首相の方だしね。
 解散の噂が出始めた頃は、消費増税延期を焦点にしたい意向だったけど、民主党も賛成に転じてしまって、「消費税の予定どおりの増税を主張していたでしょ」と言えなくなってしまった。「方針にそんなにころころ変えてはまずいでしょ」とはそのまま自分自身に返ってくる言葉でそれも使えず、結局、「アベノミクスを問う選挙」と言うしかなくなったんだろうなと思う。もっとも選挙戦の中ではまたその場限りの空約束や開き直りの言葉が聞かれるんだろうけど、もうそんなのすっかり飽きたよね。
 民主党の方針転換もあるけど、解散を宣言した日に高倉健がなくなったのも大きかったのではないか。メディアの報道も、衆議院解散宣言と高倉健とほぼ同量で扱っていて、高倉健の男らしさと安倍首相の姑息さが対照的に感じられた。首相自身、高倉健に感化されたか。だとすれば高倉健は死んでも世間に大きな影響を与えたことになる。さすが高倉健
 さすがに今回は各メディアも解散の必要性、正当性を指摘せざるを得ないようだ。自民党としては願わくば、選挙当日雨が降ったり、他に大きな事件があったりして、選挙から国民の関心が離れ、投票率が下がることを期待しているのかもしれない。これまで安倍首相は引きが強かったからなあ、そういうこともありうるかもしれない。でも今回はさすがに高倉健さまが黙っていないのではないか。「アベノミクス選挙」というより、「高倉健追悼選挙」と言った方がいいんじゃないか。
 高倉健ならどうするだろうか。それが最大の判断材料になる。