とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯 決勝 ガンバ対モンテディオ

 当然J1のガンバが圧倒して三冠を狙うゲームになると思っていた。結果的に三冠を達成し、強さを見せ付けた。でも圧倒とはいかなかった。モンテディオは決勝を戦うにふさわしいプレーと気概を見せ、ゲームを楽しませた。決勝戦にふさわしい好ゲームとなった。
 ガンバは右SH倉田、左SB藤春を起用し、オジェソクを右SBで起用した。対するモンテディオはガンバから期限付き移籍の川西が使えず、左FWロメロ・フランクが先発。左WBには伊東が先発した。CFはディエゴ
 開始2分、左FWロメロのスルーパスにCH松岡が飛び出してシュートを放つ。オフサイドになったが、モンテディオが序盤から積極的に攻めていく。ところが4分、GK東口からのゴールキックをFWパトリックがヘッドで競り勝つとFW宇佐美が拾ってシュート。GK山岸が一旦はブロックするが、はね返りを落ち着いてゴールに押し込みゴール。ガンバが早々に先制する。
 しかしそれで怯まない。5分、ルーズボールをCH松岡がヘディングで前に送ると、FWロメロが抜け出してシュート。あわや同点ゴールかと思ったが、GK東口がファインセーブ。弾き出す。8分にもディエゴの流したパスを右WB山田がミドルシュート。12分にはCFディエゴがロングシュートを放つ。モンテディオが前からプレスをかけてガンバを押し込んでいく。
 押し込まれたガンバだがゴール前はがっちりと守る。そしてカウンター。16分、CH宮阪から左SH大森がプレスをかけてボールを奪い、縦パスにFW宇佐美が抜け出してドリブルからシュート。そして22分、モンテディオのCKからDFがクリア。これをFW宇佐美と右WB山田が競り合って、宇佐美がうまく抜け出し、FWパトリックに送ると、切り返してシュート。ガンバが追加点を挙げる。
 これでゲームは一方的な展開になるかと思った。だがモンテディオの選手たちはこれで切れることはなかった。25分、左WB伊東がミドルシュートを放つと、モンテディオが反攻していく。27分、右WB山田のパスを受けてCFディエゴがうまくDFを抑えながらシュート。しかしサイドネット。ガンバも次第にシュートチャンスが増えてくる。30分、SH倉田のミドルシュートがわずかにバーの上。33分、左SB藤春のパスカットから縦パスをFWパトリックが落とし、SH倉田がミドルシュート。37分、右に回ったSH大森がミドルシュート。39分には遠藤のFKにCB丹羽がヘディングシュート。45分、遠藤のCKにCB岩下がドンピシャ・ヘディングシュート。GK山岸がスーパーセーブ。モンテディオは守備でも身体を張る。GK山岸の神話が復活しつつある。
 後半最初からモンテディオは左WB伊東を舩津に交代する。ドリブル突破からクロスへ狙いを変えたか。だが後半キックオフ直後、FW宇佐美のクロスにFWパトリックがシュート。しかし枠を外す。少し風向きが変わってきたか。モンテディオも3分、右WB山田のクロスにCB當間がヘディングシュート。8分、FW宇佐美からのパスにFWパトリックが抜け出しシュート。しかしCB石川がブロックする。気持ちを見せる。しかしゲームはガンバ・ペース。14分、FW宇佐美のミドルシュートが飛ぶ。
 モンテディオは14分、右FW山崎に代えて林を投入。林をトップに、ディエゴが中盤まで下がってゲームを作る。15分、左WB舩津のクロスをゴール前でCFディエゴが受けるが、トラップが大きくクリアされる。しかし気持ちが切れないモンテディオは17分、左WB舩津の縦パスに左CB石井が走り込むと、クロスをCH松岡がつないでFWロメロが押し込む。ゴール。ついにモンテディオが1点を返す。
 これでモンテディオに勢いが出た。24分、宮阪のFKは惜しくもGK東口がナイスセーブ。25分、FWディエゴの縦パスをFWロメロが溜めて、落としをディエゴミドルシュート。GK東口がファインセーブ。32分にも左WB舩津のクロスをFWロメロが落としてFWディエゴミドルシュート。枠を外す。35分にはロメロに代えて中島を投入。
 しかしその直後にアクシデントが起きる。これまでよく動いていた右WB山田が足を攣ってピッチサイドに出る。既に3人を交代させていたモンテディオは舩津を右WBに回して守備を固める。しかし一人少ない状況で中央の守備が空く。40分、バイタルエリアでFW宇佐美がフリーでボールを持つとミドルシュート。これが右CB當間の体に当たってコースが変わり、ゴールに飛び込む。ガンバ、3点目。残念、モンテディオ。これでゲームが決まった。後は42分リンス、アディショナルタイムに明神と投入して時間と守備を固め、そのまま逃げ切った。ガンバ天皇杯優勝、三冠達成。
 端からガンバの優勢はわかっていたこと。だが、モンテディオのがんばりで決勝戦らしいゲームとなった。モンテディオの気持ちが伝わるゲームだった。来シーズン、このサッカーをシーズン続けることができれば、ひょっとしてプレーオフからのJI昇格チーム初のJ1残留も不可能ではないかもしれない。そんな気持ちを抱かせるナイスゲームだった。