とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯 準々決勝 湯郷ベル対ベガルタ

 こんな珍妙なゲームは初めて観た。GKがいなくなるとこうなってしまうのか。ベガルタの選手たちも戸惑って、前半は無得点で終わった。しかし後半までは如何ともしがたい。アディショナルタイム湯郷ベルが1点を奪ったのは心を打つ物語か。でも試合後のインタビューで鮫島が無得点で終えたかったと言ったのも正直な話だ。6-1。ベガルタの圧勝だった。
 GK福元がいなかった。代わりにGKを務めたのは本来DFの谷口。湯郷ベルは最初からゴール前に3人のDFを並べ、中盤までPA内に下がって、ただひたすらゴール前を守っていった。1分、FW浜田のボレーシュートをGK谷口がキャッチする。2分、CH嘉数のシュートをGK谷口が弾いて、かろうじてゴールを許さない。3分、CH川村のヘディングシュートもGK谷口がかろうじてキャッチ。正面のボールは何とかキャッチできるけど、コースを逸れると途端に厳しい。代わりに湯郷ベルのDF陣がゴール前で身体を張る。
 ゴールエリアまでフリーで持たせてもらえるベガルタは、遠目からクロスを放り込み、ミドルシュートを放っていく。しかしこれがなかなか決まらない。17分、CH川村からCH嘉数のスルーパスをFW浜田が落とし、走り込んだ川村がクロス。FW小野が走り込むが、DFがクリアする。19分、嘉数のFKに湯郷ベルは9人壁に並べてきた。シュートは枠を外す。
 20分位から長身の右SB坂井をFWに上げる。前半からパワープレーだ。22分、クロスにFW坂井がヘディングシュート。26分、今度はFW浜田がクロスからヘディングシュート。28分、FW浜田のミドルシュート。32分、左SB鮫島のクロスをFW浜田が受けて反転してシュート。DFがブロック。33分、CH川村のクロスにFW坂井がヘディングシュート。35分、CH川村がミドルシュート。36分、右SH小野のクロスにFW浜田がヘディングシュート。打てど打てど入らない。GK谷口がプレーせざるを得ない場面すら作れない。
 湯郷ベルも39分、CH宮間のフィードに左SH中野が走り込んでクロスを入れるが、DFがクリア。これが前半唯一、湯郷ベルベガルタ陣内に攻め込んだシーン。前半はベガルタのシュート数が25分。湯郷ベルはシュート0で終わった。
 ベガルタは後半頭から高良を右SBにして、CH上辻を入れる。1分、クロスにFW坂井がヘディングシュート。しかし前半と違ってクロスがDFの裏側に入ってくる。3分、CB山本のクロスにFW浜田がヘディングシュート。4分、左SB鮫島のクロスが直接バーを叩く。はね返りを右SH小野がヘッドでつないで、FW坂井がヘディングシュート。またもバーに当てる。しかし、そこから一旦中盤まで戻ったボールを左SB鮫島が直接ゴールを狙うロングシュート。これが決まり、ようやくベガルタが先制した。
 ここからはゴールラッシュ。8分、左SB鮫島のクロスにFW浜田がバックヘッド。2点目。13分、左SH嘉数のミドルシュートが決まる。3点目。その後も直接ゴールを狙うベガルタのクロスやミドルシュート湯郷ベルの選手が必死ではね返す。17分、CH上辻がミドルシュート。19分、左SB鮫島のクロスがバーを叩く。24分、CH上辻のクロスにFW坂井がヘディングシュート。27分、CH川村がミドルシュート。そして31分、左SB鮫島のクロスにFW浜田が再びバックヘッド。4点目。
 35分には途中交代右SH入江のフィードからFW浜田がきれいなヘディングシュート。5点目。さらに40分、右SH入江がFW坂井とのワンツーで切れ込みシュート。6点目。
 ようやく45分間近になって湯郷ベルがDFラインを上げて捨て身の攻撃に出る。アディショナルタイム1分、右SH浅野のシュートが湯郷ベルの初シュート。そして2分、CH宮間からの正確なクロスにFW有町がヘディングシュートを決めて、何と湯郷ベルが1点を返す。しかし反撃もこれまで。6-1。皇后杯準決勝はベガルタが勝ち上がり、ベレーザに挑戦することとなった。
 しかしそれにしても奇妙なゲーム。GKがいないとこんなゲームになってしまうのか。湯郷ベルはDFをゴール前に並べるのではなく、普段のようにもっと前からプレスをかけたらどうなっていたんだろうか。後半、失点してからそんなサッカーを見せてくれるかと思ったが、彼女らがそうしたプレーを始めたのは終了間際からだった。それでも1点を返してしまうのだから、もっと早くから観たかった。湯郷ベルにとっては残念なゲームだった。