とんま天狗は雲の上

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ブンデスリーガ第3節 マインツ対ハノーバー

 武藤が2ゴールを挙げた。開幕戦の途中出場は仕方ないとして、前節のゲームでは先発しながら惜しいシュートミスを連発。オフサイドも多く、味方との連携に課題を残し、ブンデスリーガになじむのはまだしばらく時間がかかるという報道だった。だが、前節に続いて先発起用されたハノーバー戦で2ゴール。これは観ずにはいられない。

 OHマッリやCHバウムガルトリンガーなど昨シーズンからのメンバーもいるが、CHフライや両SBのベングトソンとバログンなど新しいメンバーも少なくない。そんな中、ワントップで起用された武藤は序盤から積極的にボールに絡む動きを見せる。11分、左SHサンペリオのドリブルをCF武藤が落とし、左SBベングトソンがシュート。GKツィーラーがセーブする。

 ハノーバーには右SBに酒井宏樹がいる。13分、CKからの落としを酒井宏樹がヘディングシュート。高いジャンプでセットプレーからゴールを狙う。一方、武藤も前線から積極的にボールを追いかけ、後方からのフィードにもポストとしてボールを受ける。ゲームはホームのマインツ・ペースで進んだ。

 そして15分、左SHサンペリオがボールを持つと、CF武藤がスルーパスに反応して絶妙のタイミングで前に抜け出す。GKをかわして放ったシュートは右ポストに当たって中にはね返り、ネットを揺らした。ゴール。武藤がブンデスリーガ初ゴール。そしてホームでの今シーズン初ゴールを挙げた。

 直後の18分にも、左SHサンペリオのスルーパスにCF武藤が抜け出しシュートするが、今度はGKツィーラーの身体に当ててしまう。悔しがる武藤。だが武藤の活躍は攻撃面だけではない。マッリと一緒に前から積極的にプレスをかける。そして、ハノーバー・ボールに対してもすごいスピードで戻ってボールを奪う。守備でも武藤の動きが目立つ。

 そして28分、左SBベングトソンのパスを受けてCF武藤が仕掛け、クロスに右SHクレメンスがミドルシュートを放つが、DFがブロックしてCKになる。するとクレメンスの蹴ったCKをCBベルがヘッドで折り返し、中に飛び込んだのは武藤。ヘディングで押し込み、追加点を挙げた。武藤のマークをしていたのは酒井で、ベルがヘディングで折り返したところでボールウォーッチャーになってしまったのは気になるが、ここは武藤のゴールを喜びたい。

 清武が不在で攻撃の核がいないハノーバーはようやくアディショナルタイム1分にCHサネのミドルシュートが右ポストを叩くが、反撃はこれくらい。2-0のマインツ・リードで前半を終えた。

 反撃をしたいハノーバーは後半頭から2人の選手交代。中盤にMFサンマキシマンと右SHカラマンを投入する。しかし2分、CBマルセロにチェックに行くCF武藤。粘り強いチェックにマルセロがCBシュルツへのパスをミス。OHマッリが拾ってそのままドリブル。GKツィーラーをかわしてゴールに流し込んだ。マインツ3点目。これも武藤の厳しいチェックから生まれたゴールだ。

 その後はハノーバーが反撃する。3分、MFシュミーデバッハのスルーパスにCFベンスホップが抜け出し、MFカラマンに向けてクロスを入れるが、DFがカットした。マインツも6分、SHクレメンスのCKにCF武藤がニアに走りこみ、こぼれ球をCBブンガートが押し込もうとするがDFにクリアされる。17分、左SHプリプのスルーパスにCFベンスホップがシュートするも、GKカリウスがセーブ。21分、左SHプリプのCKに右SB酒井がヘディングシュート。しかしこれはバーの上に外した。

 その後もハノーバーが攻める。マインツは3点差をつけて、無理して攻めには行かないサッカー。武藤とマッリによる前線からのプレスは変わらないが、ハノーバーがそれよりも前に出てきて攻撃を繰り出す。31分、CHサネのミドルシュートはポストを叩く。35分、MFサンマキシマンのミドルシュートは枠を外す。マインツも39分、CF武藤がドリブルでPA近くまで持ち込むと、DFのチェックにこぼれたボールをOHマッリが拾って右に展開。右SHクレメンスがシュートを放つも、GKツィーラーがナイスセーブ。はね返りをCHラッカがループシュート。しかしバーに当たる。

 武藤は42分、ニーダレヒナーに交代。サポーターからの大きな拍手に応える。45分にはOHマッリのスルーパスにCFニーダレヒナーが抜け出しシュートを放つが、こちらはポストにはね返された。結局このままタイムアップ。マインツが武藤の2ゴールと全ゴールに絡む活躍で3-0と勝利した。

 ポジションを争うニーダレヒナーは武藤と同じように抜け出してもゴールが遠い。W杯予選の間、チームを離れるのがどう影響するかと心配だったが、この日の活躍を見れば、次のゲームもたぶん先発できるだろう。とにかくあの溌剌としたプレーをマインツでもまた見ることができた。それが一番嬉しい。このままの動きでさらなる活躍を期待したい。