とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

フットボール批評 issue07

 特集は「J1・全18クラブ“強化力”診断」。18チームの過去4年間の人件費や成績等が1チーム当たり見開き2ページで掲載されているのだが、これを詳細に読み込む人ってどれだけいるんだろう? 勝点1当たりの人件費がチーム別に示されている。グランパスが最も高くて3934万円というのは想定内だが、サンフレッチェが2438万円と低いのはさすが。編集後記に書かれている、J2に降格した2013年のジュビロが5962万円というのは、さすがにそれはまずいだろ。もっともガンバの降格年は4492万円で似たようなものだが。

 第二特集はクラブのGM等へのインタビュー。FC東京の立石GMによる武藤移籍に伴う契約金の話などが興味深い。だが、今号で最も面白かったのは小田嶋隆の「フットボール星人」だ。東アジア杯は「負けてもかまわない戦い」として「それなりの成果はあった」と評価する。武藤や遠藤、米倉の活躍は確かに成果だと思う。巻末の田村修一による「ハリルホジッチの破壊と創造」もハリルホジッチに信頼を寄せる文章を書いている。

 先日のカンボジア戦では海外組のメンタル面での課題も見えてきた。ハリルホジッチはこの状況を前にいかに日本代表を作っていくのか。一部では既にハリルホジッチを批判する言説も聞くが、私ももう少し長い目でハリルホジッチの動向を見ていたいと思う。とは言え、今日のアフガニスタン戦でどういう戦いを見せるか。まずはそれを楽しみにしたい。 

フットボール批評issue07

フットボール批評issue07

 

 ●サポーターによるプレッシャーも必要だと思う。良い振る舞いは社会にとっていいことだが、スポーツにおいては悪い面もある。日本のファンは要望を激しく示すのではなく、ただ失望し、悪いことを口にする。負けたとき、何かを言ってくれる人が誰もいなかったとしたら、また同じことが起きてしまう。(P053)

長年、GMの仕事をやってきた私が言うのも変ですけど、今のサッカー界の方向性って、お金、お金じゃないですか。・・・戦術とか技術とか、そういった問題以前の話として、ですね。/私はこうした状況を「チャンピオン症候群」と呼んでいるんですが、それは日本も決して無縁ではないと思っています。・・・もちろん、チャンピオンを目指すのは間違ってはいないし、素晴らしいことだと思いますよ。でも、上を目指すことばかりを考えていて、何か大切なものを見失っているんじゃないかという危惧を、最近は抱くようになりました。(P069)
日本という絶対性からの脱出に依拠するこれまでの新常識が行き詰っている。サッカーにおける日本の常識は世界の非常識という固定観念イデオロギー)をいったん捨ててみる必要があるかもしれない。あり得ない話(ローカルルール)として退けられる契約金とドラフト制度の採用や、高校年代の大会の大リニューアルが検討されなければならない時期に来ている。そのためにはやはり強力なリーダーシップによる日本版プレミアリーグの設置が必要になるのだろう。(P108)
アジアカップのようなゲームでは、アジア相手のサッカーを展開しなければいけない。/具体的には、まずなによりも怪我を警戒し、ロングボールに注意し、引いている相手に対してムキになって押すことを避けて、時にはダラダラとボールを回そうじゃないかということだ。・・・その意味で、今回のメンバーにガンバ大阪遠藤保仁選手がいなかったことは、マイナスだった。・・・が、それはそれとして・・・ベテランの力を借りて勝つよりは、若手を起用して失敗することの方が、中長期的には、ずっと価値の高い経験だと思っている。(P111)
「日本サッカーの危機だ」/翌日の練習後、ヴァイドは語った。/「トレーニングのやり方を変えて質を上げていかないと、フィジカルは向上しないしコンディションも上がらない。日本の選手はフィジカルが弱い。サッカー界全体で取り組むべき問題だ」(P122)