とんま天狗は雲の上

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プレミアリーグ第5節 マンU対リバプール

 前節スォーンジーに破れたとは言え、順調なスタートを切ったマンU。第5節はリバプールをホームに迎えるノースウェスト・ダービー。ルーニーが負傷で欠場し、フェライニが急遽ワントップを務める他、左SHデパイ、CHシュバインシュタイガー、右SBダルミアンと要所に新加入選手を配する。GKにはチーム残留を決めたデヘアが戻ってきた。それにしても数年前とはメンバーが一新した。昔からいるのはキャリックスモーリング位だ。

 メンバーの新奇さと言えばリバプールの方が上回っている。CHルーカスとCBスクルテル、それにGKミニョレがいるくらいで、特に攻撃陣は新加入選手が多い。CHベンテケ、右SHフィルミーノ、右MFミルナー、左SHイングス、左SBゴメス。右SBクラインと左MFジャンは2年目だっけ。それにしても昨年と比べても全く違うチームのようだ。スターリングが移籍し、ストゥーリッジの離脱も長引いているし、ヘンダーソン、ララーナに加え、コウチーニョまで負傷欠場。アウェイでもあるし、4-1-4-1の布陣でまずは守備を固めてというのはやむを得ないところか。

 序盤からマンUがパスを回して攻めていくが、なかなか決定機がつくれない。8分、左SHデパイのクロスにCFフェライニが走りこむが、その前でGKミニョレがキャッチする。サイドから再三クロスを入れるもゴール前で全く合わない。攻めあぐねたまま時間が過ぎていく。一方のリバプールは基本的に守備重視。コウチーニョの不在でこちらも全く攻め手がない。19分、左SBゴメスのクロスにCFベンテケとDFが競って、こぼれ球を右SBクラインがミドルシュート。これがリバプール前半唯一のシュートだ。

 マンUも40分、左SHデパイのクロスがゴール前に入るが、CFフェライニがトラップミス。マンUの前半のシュート数は2。どちらも単調な攻撃でチャンスもないまま前半を終えた。

 後半に入り、マンUは左SHデパイに代えてアシュリー・ヤングを投入する。するとゲームが動き出す。4分、左SHヤングのドリブルの仕掛けを右SBクラインが溜まらずファールで止める。PA外のFKをマタがPA手前に流し、CBブリントがミドルシュート。これが決まりマンUが先制した。5分にも左SHヤングの仕掛けからミドルシュート。ヤングの積極的な仕掛けに、右サイドに張っていた右SHマタも積極的に中へ仕掛けるようになり、攻撃に流動性が生まれる。

 一方、リバプールも先制されたことで攻撃的になるが、なかなかシュートにつながらない。11分、GKデヘアのパスミスを左MFジャンがカット。右に流して右SBクラインの斜めのパスに反応した右SHフィルミーノが走り込みクロス。しかしDFがクリアする。シュートが打てなかったか。12分、右SBクラインのサイドチェンジのパスを左SBゴメスがヘディングで落とし、左SHイングスがボレーシュート。しかしGKデヘアがファインセーブ。19分にはミルナーのCKからCBスクルテルがヘディングシュート。しかしCBブリントがライン上でクリア。さらにこぼれ球から右SHフィルミーノがシュートするが、これもCBブリントがブロックした。ブリントが攻守に大活躍だ。

 そして20分、マンUは60数億円の移籍金で話題の若手FWマルシアルをマタに代えて投入する。エレラを右SHに回してフェライニがトップ下。リバプールも右SHフィルミーノに代えてアイブを投入する。すると25分、CHキャリックのスルーパスに右SHエレラが走り込み、PA内で左SBゴメスが倒してしまう。PK。これをエレラが自ら決めて、マンUが追加点を挙げる。

 27分、マンUはCHキャリックに代えてシュネイデルランを投入。リバプールは左SHイングスに代えてオリギ。31分、左MFジャンのスルーパスに走り込んだ右SHミルナーのクロスにCFベンテケがヘディングシュート。しかし枠を捉えられない。38分には右SHアイブがミドルシュートを放つが、GKデヘアがナイスセーブを見せる。そして39分、右SHアイブのクロスがDFに当たってファーに流れたところを、CFベンテケが強烈なオーバーヘッドボレー。目が覚めるような弾道でネットに突き刺さり、リバプールが一矢を報いる。スーパーゴールだ。

 しかしその余韻も覚めやらぬ41分。今度はマンUの話題の新星マルシアルがスーパープレーを見せる。左SHヤングから左サイドでボールを受けるとスルスルとドリブル。右SBクライン、CBスクルテル、さらにCHルーカスと抜いてGKミニョレの左脇下を冷静に打ち抜いた。ゴール。マンUが3点目。大きなフェイントをかけるでもなく、スルスルと抜いていくプレーの柔らかさにその才能を見る思いがした。

 ゲームはこのまま終了し、マンUが3-1で勝利。前半はどうしようもない平凡なゲームだったが、ベンテケマルシアルのゴールが見られたのが収穫。平凡なゲームの中にも必ず見所があるのがさすがプレミアリーグだ。