とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

月刊地理2015年6月号

 友人が高蔵寺ニュータウン関連の記事を本誌に執筆するにあたり、ニュータウン住人歴の長い私との雑談が参考になったと言って、本書をいただいた。彼の書いた記事を読んだが、私が話した内容はほとんど反映されていないように思う。ま、もともと雑談だし。

 それで超久しぶり、かつ人生2冊目の月刊地理を読むこととなった。前に読んだのはいつか定かでない。書店にあったのを購入した。コスタリカに関する記事が掲載されていたのを覚えている。内容はすっかり忘れたが。

 それで本号である。特集は「新しい観光資源」。ゆるキャラLGBT観光、ダークツーリズムなど。特にLGBTが観光市場上、大きなターゲットになりつつあるという紹介は興味深い。またダークツーリズムと非日常的な”死”との関わりについて考えることも。

 久しぶりに読んだらそれなりに面白い。もっともこの薄さで1260円はやはり個人で負担できる価格ではない。またいつかめぐり合えることを楽しみにしている。

 

地理 2015年 06 月号 [雑誌]

地理 2015年 06 月号 [雑誌]

 

 

 

○現代においては、自然や地域社会の破壊に繋がる画一的な観光形態(マス・ツーリズム)への批判を経て、持続可能性を追求したり特定の興味関心に基づいたりする新しい観光に転換してきていると言われる。だが、観光客が非日常と同時に観光地を求めてしまうように、観光現象はそもそも何らかの対立を内包しているものであり、それは完全に無くなるものではない。・・・重要なのは、「旅するtraveling」ことであり、その旅のあり方なのである。(P19)

LGBTの平均所得は全体平均よりも高く、同性愛者の場合、その多くが子どもを持たないことから可処分所得も大きい。・・・近年、同性婚を合法化する国・地域が増加し、法の改正を契機に結婚式を挙げ新婚旅行に出かける同姓カップルが増えた。ゲイ・シティやゲイ・リゾートは、こうした同姓カップルのハネムーン先にもなっている。このゲイ・ハネムーン市場に食い込もうと、現在世界の多くの企業が同性愛者に向けた新婚旅行の企画やホテルプランを売り出しており、観光地では同性愛者の新婚旅行の誘致が積極的に行われている。(P30)

○”死”が、いまや「究極の非日常」になってしまい、人びとは”死”を覗きみたい衝動に駆り立てられるようになっている。/いま「ダークツーリズム」に注目が集まるようになったのは、そのことと深く関係しているのかもしれない。そう考えるなら、「ダークツーリズム」のもとで「非日常的な”死”」(ダークネス)を観光することで、実はわれわれがとても大事なことから目をそらし逃避してしまっている可能性も否定できない。/とても大事なこと―それは、日常性のもとで”死”をすぐ隣に感じつつ、「”死”とともに生きる」ことである。(P47)