とんま天狗は雲の上

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J1昇格プレーオフ決勝 アビスパ対セレッソ

 J2リーグ3位のアビスパ対4位セレッソの戦い。アビスパが上位ながらセレッソ・ホームのヤンマースタジアムで行われた。セレッソはアウェイ扱いの白のユニフォームだが、場内はセレッソのサポーターで埋まる。勝つしかないセレッソは序盤から積極的に攻めていく。

 1分、CB山下のカットから左SHパブロがミドルシュートアビスパも3分、右WB中村北斗の縦パスにCFウェリントンが抜け出し、クロスに左FW酒井がヘディングシュート。ミスター・アビスパの城後を筆頭に若い選手が多いアビスパに対して、セレッソは玉田や田代、橋本、関口、田中祐介など他のチームで活躍してきたベテラン勢が多い。心情的にアビスパを応援するが、引き分けでJ1に昇格できるアビスパは5バックを作って前半から守るシーンが多い。攻撃はCFウェリントンに向けてフィードを上げて、落としをFW酒井とFW城後が狙うが、セレッソの守備意識も高く、なかなかチャンスを作れない。24分には左FW酒井が右股裏を痛め、金森に交代した。

 36分、玉田のCKが直接ゴールを狙う。右CB田村がゴールライン上でヘディングクリア。38分にはCH山口の縦パスを左SHパブロが右に展開。FW田代がシュート。GK中村航輔がファインセーブ。続く玉田のCKが再び直接ゴールに向かうが、これもGK中村航輔がナイスセーブで弾き出した。アビスパも43分、CH末吉のCKに左FW金森とDFが競ってこぼれたボールにCB田村がボレーシュート。CH山口がブロックした。前半はスコアレス。セレッソが攻めたが、決定力は欠いた。

 後半も序盤はセレッソが攻めていく。そして15分、FW玉田のドリブルから右SH関口のスルーパスに玉田が走り抜け、そのままシュート。ついにセレッソがゴールを挙げた。このまま行くとセレッソがJ1昇格。攻めざるを得なくなったアビスパが反撃を開始する。20分、左WB亀川がドリブルからクロスにCH末吉がミドルシュート。なんだ、アビスパも攻められるじゃないか。前半、両WBはほとんど5バック状態で守っていたのに。23分にはCH末吉の縦パスから左FW金森のスルーパスに右WB中村北斗が抜け出す。GKと一対一。シュートを放つと思ったら城後に横パス。DFがクリアした。

 後半28分、CH中原秀人を下げてFW坂田を投入。3トップにして攻める。30分、中村北斗のFKは壁に当たる。32分、ウェリントンのFKは味方がしゃがんだ上を狙ったが、やはり壁にはね返される。34分にはウェリントンがヘディングシュート。36分、左CB堤がミドルシュート。さらに38分にはFW坂田のクロスにCFウェリントンがヘディングシュート。攻め込むがなかなか決定的なチャンスが訪れない。

 39分、井原監督は左CB堤を下げてトップに長身FWの中原貴之を投入する。すると42分、自陣からのカウンター。右WB中村北斗が縦に入れると、CF中原貴之が落としてOHウェリントンが左に展開。左FW金森が仕掛けてこぼれ球を左WB亀川がクロス。そこに右WB中村北斗が走り込む。シュート。これが決まり、ついにアビスパが追い付いた。J1昇格を手繰り寄せる同点ゴール。

 逆転したいセレッソは44分中澤、45分には玉田に代えてエジミウソンを投入する。そしてパワープレー。アディショナルタイム2分にはDFからのフィードを左SB丸橋が落とし、CB山下がシュート。しかしわずかにポストの右。そしてラストチャンス、アディショナルタイム5分には関口のFKにOHエジミウソンがヘディングシュート。しかしこれもバーの上を越え、そしてタイムアップの笛が響く。1-1。ドローで上位のアビスパがJ1昇格を決めた。

 ベテラン揃いのセレッソよりはジュビロに勝ち点で並んで3位のアビスパが昇格できてよかった。しかし守り中心のサッカーではJ1では厳しい。このままでは山雅やモンテディオの二の舞になってしまう。井原監督は来季どういうサッカーでJ1を戦うのだろうか。来季の構想はこれからだろうが、守り一辺倒にならず、元気溌剌なサッカーを見せてほしい。