とんま天狗は雲の上

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クラブワールドカップ3位決定戦 サンフレッチェ対広州

 サンフレッチェの先発メンバーを見て、森保監督はクラブワールドカップ3位という記録をあまり重視していないのかなと思った。千葉が累積欠場で宮原をCBに起用したことはやむを得ないが、ドウグラス森崎和幸をベンチに温存し、CH丸谷と左FW茶島を先発起用した。対する広州もロビーニョはベンチにも入れなかったが、パウリーニョは健在。しかも序盤から攻勢をかける。

 まず3分、広州はCKから左SB李学鵬のクロスをCFエウケソンがヘディングシュート。いったんはGK林がはね返したが、こぼれ球をFW告林がシュート。コースを逸れたが、CHパウリーニョがヘディングでゴールに叩き込む。早々に広州が先制点を挙げた。8分にもルーズボールをFW告林が拾ってシュートを放つ。サンフレッチェは10分、右WBミキッチがドリブルから切り返してミドルシュート。11分には右WBミキッチのクロスにCH青山がミドルシュートを放つ。さらに13分、左WB清水のクロスから右WBミキッチがシュート。DFのブロックを拾ったミキッチが今度はクロスを入れると、CF佐藤がヘディングシュート。しかしGK李師がセーブする。

 先制点を奪われたサンフレッチェはさっそく前からのプレスを強め反撃しようとするが、広州のプレスも早い。19分には右SB張琳凡のフィードから右SH告林がシュート。サンフレッチェも20分、CH青山からのホットライン、縦パスにCF佐藤がヘディングシュート。しかしGK李師がキャッチする。逆に広州も21分、右SH告林の縦パスからCFエウケソンがミドルシュート。DFがブロックする。

 20分過ぎてようやくサンフレッチェも攻められるようになってきた。23分、左WB清水のクロスにCF佐藤がヘディングシュート。見事に決まったかと思ったが、GK李師がファインセーブ。24分、またも左WB清水のクロスに右FW浅野がスルーしてCF佐藤がシュート。サイドネットに突き刺さる。どうしてもゴールが遠い。26分には右FW浅野がドリブルからミドルシュートを放つが、シュートは弱くGK李師にキャッチされた。

 逆に29分、CHパウリーニョがドリブルで前進すると、右に流して右SB張琳凡がミドルシュート。CB水本が触ったボールはあわやポストを叩く。31分にはCB水本からCH青山へのパスをCHパウリーニョにカットされると、右SH告林のポストプレーからOHリカルド・グラルのクロスにCHパウリーニョが待ち構える。ここはCB宮原がブロックしたが、パウリーニョのポジショニングは抜群。しかもCH青山をマークしてサンフレッチェの攻撃の芽を摘んでいく。

 サンフレッチェも37分左WB清水、38分左FW茶島とミドルシュートを放つが、ゴールは遠い。42分、CH丸谷がCH青山とのワンツーで走り込み、シュートを放つがCB梅方がブロック。アディショナルタイム3分、CF佐藤の落としからCB塩谷の縦パスに右FW浅野が走り込むが、GK李師がセーブする。前半は1-0、広州のリードで終えた。

 広州は後半最初からCFエウケソンに代えて左SH鄭龍を投入し、告林をワントップに上げる。3分、右FW浅野がドリブルからミドルシュートを放つと、広州も7分、右SH黄博文から右に流し、右SB張琳凡のクロスにOHリカルド・グラルがヘディングシュートを放つ。CHパウリーニョがCH青山をしっかりマークしてサンフレッチェの攻撃を許さない。サンフレッチェは13分、佐藤に代えて右FWドウグラスを投入。さらに22分、右WBミキッチに代えて柏を投入する。

 すると次第にサンフレッチェが攻勢をかけていく。そして25分、茶島のCKに右FWドウグラスがヘディングシュート。ようやくサンフレッチェは同点に追い付いた。こうなると後はサンフレッチェのペース。28分、CH青山のフィードに抜け出したCF浅野のトラップはハンドを取られたが、33分にはCB塩谷のフィードに走り込んだ右WB柏のクロスに広州のDFが緩慢な動きをしていると、左FW茶島が走り込んでシュート。わずかにポストの右に外れる。さらに34分には右WB柏のクロスがファーサイドに流れ、左WB清水が折り返しのクロスを入れると、右FWドウグラスがヘディングシュート。

 広州は36分、OHリカルド・グラルに代えて劉健を投入。パウリーニョをOHに上げる。しかし38分、サンフレッチェは右WB柏が右サイドを切り裂くと、クロスにCF浅野がヘディングシュート。これはバーにはね返されたが、こぼれ球を右FWドウグラスがヘディングシュート。ついにサンフレッチェが勝ち越し点を挙げた。

 その後は広州が反撃をする。しかし中2日の広州は疲れからか、選手の運動量が上がらない。アディショナルタイム2分には広州のCKからサンフレッチェがカウンター。右WB柏が長躯ドリブルからスルーパスにCH丸谷が走り込むが、シュートはわずかにポストの右に外した。そしてタイムアップ。2-1。サンフレッチェが見事な逆転勝利で、レッズやガンバと並ぶクラブワールドカップ3位の称号を手に入れた。

 PK戦かなと思ったけど、後半のサンフレッチェは広州と違って最後までよく身体が動いていた。そして前半ベンチに温存したドウグラスと柏が活躍。冷静に広州のフィジカルなどを見抜き、後半に逆転で広州を仕留めた。たぶんこうしたゲーム展開を最初から予想していたのだろう。さすが森保監督。クラブワールドカップ3位にふさわしい采配であり、チームだった。