とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯決勝 レオネッサ対アルビレックスレディース

 澤はやはりレジェンドと言われるにふさわしい。引退試合でなお自ら決勝点を挙げてしまうなんて澤以外にできる人はいない。これまでになく多く詰めかけた観客の期待どおり、そしてマスメディアの期待どおり。でも個人的にはアルビレックスの健闘を期待していた。いや健闘したとは思うが、後半45分のチャンスを外してしまう上尾野辺と自ら決めきる澤の差は埋めがたい。ここは素直に澤にお疲れさまと言おう。

 序盤からアルビレックスレディースが積極的に前からプレスをかけていった。4分、CH阪口から左に流し、左SB小島のクロスのこぼれを右SB左山がミドルシュート。6分にはCH澤のスルーパスに左SH中島が抜け出すが、CB北原が詰めてクリアする。10分位からレオネッサがCKの連続で押し込んでいく。守るアルビレックス。22分、FW大野の縦パスをFW高瀬が落とし、CH澤の縦パスを左SH中島が落としてFW高瀬がミドルシュート。しかしGK福村がセーブする。

 アルビレックスも24分、CH阪口から左に展開。左SB小島がドリブルで前に運び、落としたボールをCH山田が右へ展開。右SB左山のクロスに左SB小島がヘディングシュート。アルビレックスは阪口と山田の両CHが献身的でよく機能する。26分、レオネッサは川澄のCKにCB田中がヘディングシュート。30分、左SB鮫島が切り返しからミドルシュートを放つ。

 アルビレックスは上尾野辺が自由に動いてフォーメーションを変えるが、30分前からは山崎が左SHに開いて、上尾野辺をトップ下に据える。31分、左SH山崎がミドルシュート。36分にはOH上尾野辺のスルーパスに左SH山崎が走り込むが、DFがクリアする。そして44分、右SH川澄のクロスにFW大野がスルー。左SH中島がシュートを放つが、GK福村がナイスセーブ。前半はスコアレスで折り返した。

 後半1分、アルビレックスはFW山崎のクロスに右SH佐伯が走り込むが、わずかに合わない。レオネッサも3分、川澄のCKにCH澤がヘディングシュート。4分にも左サイドから中島のCKに澤がヘディングシュートを放つが枠を外す。アルビレックスも5分、FW大石がミドルシュート。20分にはCH阪口がミドルシュートを放つ。アルビレックスは守備の集中力がすごい。レオネッサも何とか攻めようとするが、決定的なチャンスを作らせない。

 24分、レオネッサはFW高瀬に代えてOH増矢を投入。DFの手前でドリブル突破を図ろうとする。アルビレックスも27分、山崎に代えて左SH渡辺を投入。攻撃を意識した交代か。33分、OH増矢のスルーパスにCF大野が抜け出すが、右SB左山がナイススライディング。PKにならずにボールを蹴りだす。しかしそれで得たCKを川澄が蹴ると、CH澤がヘディングシュート。これが決まる。さすが澤。レオネッサがついに先制点を挙げた。

 アルビレックスは34分、右SH佐伯に代えて川崎を投入し反撃をかける。37分、FW大石のクロスを左SH渡辺が落とし、CH山田がミドルシュート。しかしDFがブロックする。そして45分、CB中村の縦パスに抜け出した左SH渡辺のクロスにOH上尾野辺がゴール前に走り込む。しかしシュートはふかしてしまう。残念。最後に上尾野辺のCKのチャンスがあったが、クリアされる。結局このままタイムアップ。澤の決勝ゴールでレオネッサが優勝を遂げた。

 結局、澤のための澤によるゲームだった。90分を通してのパフォーマンスでは既に阪口や宇津木の方が上かもしれない。でもここぞという場面での決定力、存在感はまだまだ澤を超える選手はいない。改めてその凄さを思い知った。こんな選手はもうしばらく出てこない。女子サッカーよ、大丈夫か。思わずそんなふうに思ってしまう。