とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

Jリーグ 第12節 レッズ対FC東京

 首位を独走するレッズと勝ち点差1で追う2位FC東京との首位対戦。前節ベガルタに4-4と引き分けたレッズに対してFC東京アントラーズに0-1で敗戦。FC東京は絶対に勝利が、レッズも無失点を期して臨んだゲームだった。
 ホーム埼スタのサポーターが強力な大声援。今シーズン、レッズはホームでは5戦全勝だ。一方、FC東京は林をワントップに武藤と東を左右に開く3トップ。中盤は梶山をアンカーに三田と米本と3人を並べた。だがこれが機能しない。レッズが前から厳しいプレスをかけるとFC東京の中盤が空く。ワントップの興梠が中盤に下がってボールを収めると、そこからレッズの攻撃が始まる。そして5分、左FWレッズの武藤雄樹から左に流し、左WB宇賀神のクロスに左FW武藤と右FW李が飛び込む。李が触ってゴール。幸先よくレッズが先制した。
 11分にもFC東京の中盤のミスから左FW武藤雄樹のスルーパスにCF興梠が抜け出してシュート。GK権田がファインセーブ。その後もレッズのプレスが高く厳しい。FC東京の左FW武藤嘉紀に対して右CB森脇が密着マーク。全く自由にさせない。17分には右FW李のポストプレーからCF興梠がシュート。GK権田がこれもファインセーブ。しかし押されるFC東京。20分過ぎには中盤に梶山と米本を並べるダブルボランチに変更。三田を左SHに出し、武藤と林の2トップにフォーメーションを変更した。
 23分にはレッズの左FW武藤雄樹ミドルシュートFC東京も25分、左SB太田のCKにFW武藤嘉紀がヘディングシュート。これがようやくFC東京のファーストシュート。28分には三田に代えてCH高橋を投入。東を左SH、米本を右SHに回す。それでも29分にはDFからのフィードをCF興梠が収め、左FW武藤雄樹が寄って落としたボールを右FW李がドリブルで左サイドに持ち出しミドルシュート。GK権田がセーブした。
 反撃したいFC東京は攻撃陣の仕掛けにボランチの選手がサポートで上がると、こぼれ球をレッズが縦パス。空いたバイタルエリアでCF興梠が収め、そこから攻撃が始まる。そして42分、こうして収めたCF興梠から左に展開。左WB宇賀神のクロスに右WB関根がシュート。前半終了間際に追加点を叩き込んだ。
 後半反撃を期したはずのFC東京。だが後半2分、CH柏木が右サイドで縦パスを送ると、右WB関根が走り込んで、クロスに斜めに走り込んだ左FW武藤雄樹がシュート。後半も早々に決定的な3点目。レッズがさらに突き放す。
 FC東京は3分、太田のCKにCB森重がシュート。だがレッズのゴール前は厳しい。逆に14分、柏木のCKに左FW武藤雄樹ループシュート。ここでFC東京はCF林に代えて前田を投入。16分、太田のCKにまたもCB森重がヘディングシュートを放つが、枠を捉えられない。21分にはCH梶山に代えて中島を投入する。
 前半から激しいプレスを繰り返してきたレッズの選手はこの時間帯あたりから倒れる選手が続出。疲れもあるが、時間を巧妙に使う。さらに選手交代。20分、CF興梠に代えて右FW梅崎。23分にはCB森脇に代えてCH青木を投入。阿部を右CBに下げる。
 29分、左SH東の戻しのパスから左SB太田が絶妙なクロス。FW前田がうまくフリーになって走り込みヘディングシュート。ようやくFC東京が1点を返す。しかし31分、PA前でCH米本がドリブルでボールを運ぼうとしたところをミス。こぼれたボールを右FW梅崎が奪い、そのままミドルシュート。これが見事に決まり、レッズが再びゴール。4点目。4-1と突き放す。35分には左WB宇賀神に代えて橋本を投入。運動量を保つ。
 FC東京も36分、右SH中島のドリブルから左SH東とのワンツーでPAまで入っていくがDFに止められる。しかし42分には左FW武藤雄樹ミドルシュート。興梠が交代して前線で収められなくなったレッズだが、中盤から後ろはしっかりと固め、奪ってはカウンター攻撃。守ってばかりではなく攻撃も緩めない。45分、太田のCKにFW前田が飛び込み、こぼれ球をCBカニーニが狙うが、GK西川の手が伸びてセーブ。最後まで集中力高く守るレッズ。結局このままタイムアップ。4-1。レッズが完勝。首位決戦を制してまた一歩、第1ステージの優勝に近付いた。
 これまでズラタンのワントップが効いていたレッズ。だがこのゲームでは興梠がズラタンにはない豊富な運動量で前線に起点を作り勝利した。両WBの運動量とクロスも大きな武器だ。この勢いは止められない。逆にFC東京武藤嘉紀の移籍が噂される中、攻撃の形を作っていく必要がある。チームの成熟度の違いが現れたゲームだった。ちなみにFC東京埼玉スタジアムで2004年以来10戦勝ちなしだったそうで、このジンクスも大きかったかもしれない。