とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子W杯 決勝トーナメント1回戦 日本対オランダ

 グループリーグは3連勝ながらイマイチ攻撃がフィットせず、3ゲームとも1点差で勝ち上がった日本。オランダはスイス戦を観る限り、普通にやれば7割方は勝てる相手とは思うものの、日本はCBとCHに誰を起用するかがカギと思っていた。そして願っていたとおりの先発メンバー。大野と大儀見の2トップも予想どおり。唯一、GK海堀の先発は予想外だったが。
 序盤から日本が高いプレスで圧倒して主導権を握る。それでもオランダも6分、CFミーデマの落としからCHスピツェがミドルシュートを放つと、7分にはOHファンデドンクのスルーパスに右FWメルスが抜け出して裏を取られる。だがシュートミス。助けられた。
 すると10分、日本は左SB鮫島の縦パスを受けた左SH宮間がFW大野とのワンツーで抜け出し、クロスにFW大儀見がヘディングシュート。バーを叩く。はね返りをDFがクリアするが、これを拾った右SB有吉がグラウンダーのミドルシュート。これが決まり日本が先制点を挙げる。
 オランダもすぐに11分、12分とCK、そしてスルーパスで攻めてくる。裏を取られかけるがかろうじてクリアすると、今度は日本が大野と大儀見のコンビで攻めていく。やはりFWはこの二人が収まるし、連携もいい。そして日本の守備と攻撃を支えるのが宇津木と坂口のボランチコンビ。澤をベンチに置いて、急所で交代出場させる作戦が一番いいと思っていた。ようやく佐々木監督と思いが一致した。
 このゲーム、唯一動きが悪いなと思ったのがGK海堀。福元だったらもっと広く動いてCBとの連携も安心して見ていられるのに。それでも21分、CH坂口から右に流して右SH川澄のクロスに左SH宮間がシュートを放つと、22分には左SB鮫島がFW大野とのワンツーで左サイドを駆け上がりシュートを放つ。さらに24分にはCH坂口の縦パスをFW大野が落とし、右SH川澄がミドルシュート。右・左。中央とバランスよく攻めたてる。28分には右SH川澄がFW大儀見とのワンツーからミドルシュート。29分、宮間のCKにCH坂口がミドルシュート。20分以降は日本がペースを握って攻めていく。
 33分、右SH川澄の縦パスに右SB有吉が上がって、クロスにCH宇津木がシュート。43分、右SB有吉の縦パスからFW大儀見がミドルシュート。さらに45分、右SH川澄の縦パスに抜け出したFW大儀見のクロスをFW大野がヘディングシュート。日本がワンタッチ・ツータッチでパスを回し面白いように攻めた前半だった。
 後半に入っても日本の高いプレス、そして高い守備意識は変わらない。8分、オランダはOHファンデドンクに代えて左SHファンデフェンを投入。マルテンスをOHに入れる。9分、左SH宮間のドリブルから右に流して右SH川澄がミドルシュート。DFに当たったボールがあわやゴールに向かう。わずかにポストの右。21分にはFW大野に代えて岩渕を投入する。22分、CH坂口がミドルシュート。23分、CHからCH宇津木がミドルシュートボランチの二人はよくバランスも取れて、日本の攻守を支える。27分にはオランダがCFミーデマの落としから左SHファンデフェンがミドルシュート。しかし枠を外す。
 29分、FW岩渕の落としから左SB鮫島がフィード。FW大儀見が走り込みシュート。31分、スピツェのCKにCH坂口がヘディングでファーへ逸らす。CBファンデンベルフを背中で抑えた左SB鮫島の足に当たってあわやゴールへ。GK海堀が彼女らしい反応ではね返す。こぼれ球を左SHファンデフェンがシュートするが、CH坂口がはね返した。そして33分、FW岩渕からのパスをキープしたFW大儀見がヒールで左サイドに流すと、左SH宮間のクロスにFW岩渕が走り込む。スルー。そしてCH坂口がミドルシュート。見事に決まり、日本が追加点を挙げた。お見事。そして35分には右SH川澄に代えてCH澤を投入する。岩渕を右SHに回し、宇津木をアンカーに下げた4-1-4-1のフォーメーション。
 37分、OHマルテンスがミドルシュート。41分、左SHファンデフェンがミドルシュート。しかしGK海堀が正面でキャッチ。このまま日本が逃げ切ると思ったが、アディショナルタイム2分、右SHメリスのクロスに左SHファンデフェンがヘディングシュート。GK海堀が難なくキャッチと思ったら、左脇をすり抜けてゴールに飛び込む。あれ、なんだ? 叩きつけたヘディングがピッチで弾みコースが変わったのか? 何にしろ残念ながら1失点。でもその後は集中した守備でオランダの反撃を抑えきって2-1。日本が堂々の戦いぶりで準々決勝進出を決めた。
 ようやく強い日本が戻ってきた。やはりベストメンバーはこのメンバーだろう。そして交代も予定どおり。GK海堀の失点さえなければ完璧なゲームだった。さて、次は準々決勝オーストラリア戦。戦い慣れた相手とは言え、1回戦でブラジルに勝利したオーストラリアは今大会絶好調だ。普通にやればオランダ戦同様、7割方日本が勝利すると思うが、GKに誰を起用するかが課題。海堀に精神的なダメージがないか。山根は軽い脱臼と言うし、安定感では福元が一番だろう。GK福元、希望。そして次も危なげなく勝ち上がってほしい。