とんま天狗は雲の上

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U-22強化試合 日本対コスタリカ

 リオデジャネイロ五輪最終予選は来年1月に開催される。まだ半年以上もある現時点ではこのゲームをどう位置付ければいいのだろうか。ところで最終予選の方法はどうかと調べてみたら、なんと、16チームが参加の集中開催。4グループに分けてのグループリーグ。そしてベスト8から始まるトーナメント方式。それで上位3チームだけが五輪に出場。うーん、厳しい。特にトーナメントは一発勝負だけに何があるかわからない。組み合わせにも左右される。W杯ベスト8に進出したコスタリカのU-22チームを見られるというのは興味深いが、アジアのチームとの対戦経験を積んだ方がいいのではないか。来年1月まで、10月のトレーニングキャンプ、そして12月にカタール遠征の予定が入っている以外は強化試合の予定はまだないようだ。このゲームでは8人まで選手交代がOKということで目一杯使い切ったが、今はまだ多くの選手を試す時期ということか。伸び盛りなので仕方ない気もするが、このまま来年1月に出たとこ勝負みたいになりそうで怖い。遠藤を中心にチームの方針をきちんと作って、それに沿って最も適応できる選手を選考するということだろうか。これから半年間、手倉森監督の手腕が問われる。
 ゲームはCH遠藤を中心に、日本の攻撃陣のよさがよく出たゲームだった。3分、OH中島のドリブルからシュート。5分、左SH野津田のFKからCF浅野のヘディングシュート。6分、CH遠藤の長いスルーパスにCF浅野が抜け出してポストに当てるシュート。相手のコスタリカも北中米予選に向けて多くの選手を試している状況。8分、10分とCFジョルジュがいいシュートを見せる。一方で不安なのが守備。植田、岩波という高さのあるCBコンビだが、時々不安定なプレーを見せる。攻撃力という点では迫力十分な二人だが、ラインの裏側を狙われるシーンもあり、GK櫛引との連携もこれから整備していく必要がありそうだ。
 21分、野津田のCKからCH遠藤がヘディングシュート。GKパーカーがナイスセーブ。32分、左SH野津田から左に流して、右SH前田のクロスにOH中島がシュート。DFが何とかクリア。そして36分、CH遠藤から左サイドに大きな展開。駆け上がった左SB亀川のクロスに左SH野津田がジャンピングボレーシュート。これが決まり日本が先制する。
 その後も攻める日本。38分、CH遠藤の縦パスを受けたCF浅野がドリブル。最後は左に流して左SH野津田がシュート。40分、右SB伊東のクロスからOH中島のスルーパスにCF浅野が抜け出しシュート。45分にはOH中島のミドルシュートにGKパーカーがナイスセーブ。前半はバリエーションある攻撃を楽しんだ。
 後半からボランチに喜田が登場。すると喜田がまたガッツのあるプレーを見せる。6分、CH喜田がドリブルでボールを運び、クロスに左SH野津田がシュート。9分、OH中島のサイドチェンジからCB岩波が飛び出しシュート。オフサイドになったが、大きなサイドチェンジはこのチームの特長だ。
 その後は次々と選手を交代していく。9分CFオナイウ、16分右SH矢島、25分FW金森、28分右SB川口、34分左SH小屋松、38分左SB高橋、そして43分、CH遠藤に代えてCB奈良。それでもCH遠藤がいるうちはチームの基本線はしっかり守られていた。31分、右SB川口からのクロスを右SH矢島がシュート。DFブロックのこぼれ球をCH喜田がミドルシュートを放つ。そして32分、FW金森が単騎ドリブルで前に運び、そのままシュート。ネットに突き刺し追加点を挙げる。
 その後も37分、FW金森のミドルシュート。43分、左SH小屋松のシュート。44分にも小屋松がドリブルからシュートと積極的な姿勢を見せる。そしてタイムアップ。2-0で日本がコスタリカU-22に勝利した。
 コスタリカも後半だけで8人を交代。こうした状況ではお互い組織的なプレーを作ることは難しい。日本も右SH矢島、FW金森、左SH小屋松と個人レベルの高い選手が活躍をしたが、その中で最後までチームのタクトを振っていたのはCH遠藤。結局このチームは遠藤のチームだ。コンビを組むボランチの相方も前半は井手口、後半は喜田が出場したが、ベンチには大島も残っていた。遠藤がやりたいように、やりやすいような選手を選考すればそれでいい。浅野や野津田、中島らはいいとして、鈴木武蔵やオナイウらのポストプレーヤーはどうするのか、今後の判断が楽しみだ。
 そしてやはり最大の課題は守備。攻撃もいいが、もっと強い相手と対戦して守備の形を作っていかないと、このままでは行き当たりばったりの守備になってしまいそうで怖い。GK櫛引とCB陣との連携構築を期待したい。