とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

親善試合 フロンターレ対ドルトムント

 先日、やべっちFCで香川と大久保が楽しそうに対談をしていた。二人は香川のセレッソ時代に一緒にプレーしたことがあったらしい。しかしその笑顔があったのも前半の早いうちだけ。ゲームが始まると次第に大久保の顔が険しくなっていった。6-0。まるで先日のなでしこの序盤のゲームを観るよう。90分間、ドルトムントに圧倒され、ブンデスリーガJリーグのレベルの差を痛感したゲームだった。
 4分、左SHレナトが相手ミスからシュート。しかし直後の5分、右SBピシチェクのクロスに左MF香川がヘディングシュート。ゴール前で全くフリーにしている。その後も8分、CFロイスの縦パスから左SH丸岡がシュート。13分、左SH丸岡が左MF香川とのワンツーで抜け出す。GK新井がセーブ。フロンターレもようやく14分、左MF大島のスルーパスから右MFエウシーニョがシュート。15分には右MFエウシーニョのスルーパスに右SH船山が抜け出してシュート。ドルトムントも17分、左SBドゥルムのクロスから左MF香川のスルーパスに左SH丸岡が抜け出すが、右SB武岡が何とかクリアする。
 お互い4-1-4-1の布陣。ドルトムントはアンカーに19歳新加入のバイグルがよく攻撃の芽を摘む。対するフロンターレは谷口がアンカーを務めるが、ドルトムントの攻撃陣にスペースを使われ、ほとんど抵抗できない。結局フロンターレは20分頃から大島をCHに下げた4-4-2にシステム変更。これでようやく中盤の守備が落ち着いた。
 お互いパスがよく回る。25分、右SBピシチェクの縦パスに右SHホフマンが走り込み、クロスにCFロイスがヒールシュート。華麗なプレーを見せる。フロンターレはパスをつなぐが有効に相手を崩せない。32分、左SHレナトが単独突破。ゴール前まで迫ってシュートを放つが枠を捉えられない。35分にはCB井川のミスパスを左MF香川がカット。ミドルシュートを放つがGK新井が何とかセーブする。ゴール前でどうして無理にパスをつなごうとするのか。
 そして36分、CFロイスが左サイドを突破してクロスを入れると、左MF香川がドンピシャで合わせてシュート。パスの質が高い。前半は2-0、ドルトムントのリードで終えた。
 後半、ドルトムントは左SH丸岡を残して10人メンバーを変える。フロンターレは中村堅剛を出して大島とボランチ。FWには小林悠、さらに右SHに田坂を起用する。5分、中村のFKに右SH田坂がヘディングシュート。代わったGKバイデンフェラーがナイスセーブ。
 ドルトムントは後半からCHにギュンドアンが入ると積極的にボールを取りに行き、中盤を制してゲームを作る。そして8分、そのCHギュンドアンのドリブルから右サイドにパスを出して抜けだしたCFオバメヤンがシュート。ドルトムントが3点目。トップ下にムヒタリャンを置いたドルトムントは後半さらにプレスが速くなり、パスを奪ってはポンポンとつないでゴール前に迫っていく。
 12分、左SH丸岡から左に流し、左SBシュメルツァーのクロスにCFオバメヤンがシュート。4点目。14分、右SBシュテンツェルの縦パスをCFオバメヤンが落とし、OHムヒタリャンのスルーパスに左SH丸岡が抜け出してシュート。5点目。15分にはCH中村からボールを奪ったOHムヒタリャンがスルーパス。CFオバメヤンが抜け出してシュートを放つも、何とかCB谷口が戻ってブロックする。
 23分にはCB谷口からのパスをOHムヒタリャンがカットしてスルーパス。CFオバメヤンがシュートを放つ。フロンターレのパスが固い。相手のいるところ、いるところへつなぐものだから相手にすればどこへ出すかよくわかるし、全く怖くない。対してドルトムントのパスは常にパスの受け手が動き、相手選手の間で受けてつないでいくので、常に状況が変化するし、守備のほころびをできてチャンスにつながっていく。Jリーグで観る限りはフロンターレもよくパスがつながる攻撃的なチームと思っていたが、ドルトムントの前ではただパスをつないでいるだけ。偶然スペースができればチャンスも生まれるが、全く意図した攻撃には見えない。特にGK、DFからつないでいくパスは危険なだけ。ドルトムントの前からの積極的なプレスの前に餌食になっていた。
 35分、OHムヒタリャンのスルー明日にCFオバメヤンが抜け出し、最後はCBから上がってきたスタンコビッチがシュート。6点目を挙げる。フロンターレも31分、レナトに代えて左SH橋本を出すとようやく左サイドが活性化し、クロスがゴール前に入るようになる。44分、左SH橋本のクロスにCF小林がシュート。GKバイデンフェラーがナイスセーブ。45分には橋本のFKが壁に当たって戻ってきたところをもう一度左SH橋本がシュート。DFにブロックされたがフロンターレに光明が見えたのは唯一橋本のプレーだけだった。それも結局長いパスが有効だったということ。短いパスをつなぐフロンターレの攻撃の限界が見えた気がした。
 もう今週末にはセカンドステージが始まる。フロンターレはこんな調子で大丈夫なんだろうか。リーグ後半が心配になるほどの出来の悪さだった。実力差だから仕方がない、と思える時代ももうとっくに終わったはずなのに。