とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

東アジア杯 日本対北朝鮮

 女子に続いて男子も! 女子の方はある程度想像していたが、男子までは思っていなかった。考えてみればJリーグから中3日。しかも猛暑。相手は万全の状態で向かってくることを思えば、こうした結果もわからないではない。それにしても、永井と川又がシュートを決められなかったのは大きかった。どちらもグランパスの選手じゃないか。だから2人ともまだまだ代表レベルの選手じゃないから、許してください・・・。
 序盤は日本がアグレッシブにゲームに入っていった。そして3分、右SB遠藤のクロスにOH武藤がニアに走り込んでシュート。幸先よく日本が先制点を挙げる。12分にはCH山口が中盤でボールを奪い、縦パスをOH武藤がヒールで落として、左SH宇佐美がシュート。しかしGKリミョングクにセーブされる。13分、OH武藤のミドルシュートもGKリミョングクがナイスセーブ。なかなか追加点を挙げられない日本だが、北朝鮮の攻撃も中盤のCH山口が早い出足で的確に摘み取り、相手にチャンスをつかませない。前半の中頃までは安心してゲームを観ていられた。特にCH山口がいい。慣れない右SBに入った遠藤も守備での対応は的確で、右SH永井との連携が十分でない中、しっかりと対応ができていた。クレバーな選手だなあという印象。24分、CB森重の縦パスに走りこんだOH武藤が落とし、CF川又が切り返してフリーな態勢からシュート。しかしGKリミョングクがセーブ。これが決まっていたら・・・。
 31分、OHリヒョンチョルのクロスにCFチョンイルグワンが飛び込むがわずかに届かず、左SB藤春がヘディングでクリア。このあたりから次第にこぼれ球を北朝鮮が抑えることが多くなってきた。32分にはOHリヒョンチョルのドリブルにCH谷口がズルズルと下がっていくと、縦パスをCFチョンイルグワンがポストになって右に展開。中に絞った左SB藤春の外でフリーとなった右SHロハクスがシュート。CB槙野が身体を張ってクリア。さらに37分、右SHロハクスがOHリヒョクチョルとのワンツーで抜け出し、クロスにCFチョンイルグワンがシュート。GK西川がセーブする。
 日本も38分、OH武藤の縦パスを受けた左SH宇佐美がDF2人をかわして狭い隙間をミドルシュート。しかしGKリミョングクがナイスセーブを見せる。宇佐美らしい惜しいシュート。39分、右SH永井が意表をつくループシュート。GKリミョングクがナイスセーブ。北朝鮮の守備とプレスが効いて、なかなか中に入れなくなる。そして44分、左サイドで起点を作ったOH武藤がDFの間を抜くパス。中に走りこんだ左SH宇佐美が受けてクロスを入れると、CF川又がDFを引っ張って走り抜け、右SH永井がどフリー。しかしダイレクトに打てない。ボールを整えシュートを放った時にはDFがスライディングしてシュートブロックされた。おいおい永井、グランパスじゃないんだから。はね返ったボールを右SB遠藤がミドルシュートを放つも枠を外して、前半最大のチャンスを逃してしまった。続くCKも右SB遠藤がニアに飛び込んでヘディングシュートを放ったが、DFにブロックされる。
 後半も同じメンバーでスタートする。4分、右SH永井がミスでボールを奪われ、後ろからのタックルでファールを与える。CFチョンイルグワンが蹴ったFKは大きく枠を外したが、後半は最初から北朝鮮がペースをつかむ。6分、右SHロハクスがドリブルからミドルシュート。中盤でのプレスが甘い。8分には右SBシムヒョンジンに対してCH谷口が寄せきれないと、クロスにCFチョンイルグワンがヘディングシュート。右SB遠藤がよく競って枠には飛ばせなかったが、谷口の寄せの甘さ、遠藤のセンスを見る。
 全体的に疲れが見える日本は11分、早くも左SH宇佐美をCH柴崎に交代。谷口をアンカーに置く4-3-3-とする。しかしパスがうまくつながらない日本。北朝鮮の寄せが早く、ミスを連発する。13分、CF川又からの落としに対してCH谷口のトラップが大きくなったところをCHリチョルミョンに奪われ、左SHソヒョンウクがシュート。
 日本も18分、CH柴崎が中盤でボールを奪うと、左に展開。左FW武藤のサイドチェンジに右FW永井が中に戻すと、CH柴崎がミドルシュート。しかし枠を捉えられない。19分には早いリスタートからCH山口のスルーパスに右FW永井が抜け出すが、シュートはGKリミョングクがセーブ。永井がその俊足を攻撃面で生かしたのはこのシーンくらい。むしろ足元の技術を問われるシーンが多く、こういう使い方ならむしろ永井でない方がいいのでは。もっとも守備面では何度か永井の足が生きる場面もあったが、それはグランパスでもおなじみのよくない使い方だと思う。
 21分、北朝鮮は左SHソヒョンウクに代えて長身CFパクヒョンイルを投入する。これでゲームが変わった。25分、CHホンクムソンがFK。28分にはCHホンクムソンが中盤でフリーとなってミドルシュートを放たれる。GK西川がファインセーブで弾き返すが、CH谷口の守備が物足りない。日本は27分、川又に代えて興梠を投入。30分、CH柴崎のサイドチェンジから左FW武藤がミドルシュート。さらにCH柴崎から右FW永井のクロスに左FW武藤がヘディングシュート。しかしゴールは生まれない。
 すると33分、右SBシムヒョンジンのアーリークロスをCFパクヒョンイルが落として、OHリヒョクチョルがボレーシュート。ネットに突き刺さる。北朝鮮、同点! 日本は39分、永井に代えて右FW浅野を投入。すると42分にはカウンターで左FW武藤、右FW浅野とつないで最後はCF興梠にパスを出すが、GKリミョングクがセーブ。そしてその直後の43分、左サイドでのスローインから左SBカングクチョルがクロスを入れると、CFパクヒョンイルがヘディングシュート。CB槙野が競るも弾き飛ばされた。北朝鮮、逆転! アディショナルタイムに柴崎のFKがゴール前に入るが、ヘディングでクリア。そしてゲームセット。最後は日本もバテバテ。執念よりも諦めの表情が浮かんでゲームを終えた。
 コンディションが決定的に違った。夜になっても33度の高温は中3日の日本の選手には堪えた。唯一最後まで走れていたのは、J2で中6日の山口くらい。それに加えて北朝鮮の選手には足を攣ってでも走りきる精神力があった。そして体格の差。運動量で上回れないと、後半は苦しかった。それにしても前半のうちに決め切るチャンスはあったのに、そこで決めきれなかったのが最大の敗因。浅野がいるなら永井はいらない。次は誰を先発させるのだろうか。ハリルホジッチのチーム作りが楽しみだ。