とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

女子東アジア杯 日本対中国

 3戦目。結果は期待しないが、先発メンバーには興味がある。田中美南が先発したのは韓国戦の結果が認められたもの。京川が右SBで3戦連続先発したのも第2戦の落ち着いたプレーが評価されたもの。もちろん期待は高い。一番驚いたのはCB村松を韓国戦に続いて起用したこと。韓国戦では国際レベルとの差を実感するミスが多かった。佐々木監督の期待を感じる。
 序盤から日本の攻撃意識が高かった。逆に言えば、中国はホームで連敗しての最終戦。しかもW杯出場メンバーが多いのにどうして受け身のゲームになっているのだろう。8分、CB村松のフィードに抜け出した左SH有町がクロスを入れる。FW田中美南が飛び込むが、わずかに届かず。11分にはCH川村から右に展開。右SH中島のクロスがFW田中を狙うがうまく合わず。ゲームは日本ペースで進む。14分、中国も左SH韓鵬のスルーパスにFW王珊珊が抜け出してシュートを放つも、枠を捉えられない。
 26分、FW高瀬のスルーパスにFW田中美南が抜け出すと、DFが堪らずファール。これで得たFKをCH杉田が蹴るが、GK王飛が横っ飛びセーブ。弾いたボールはポストに当たる。惜しい。その後も日本が押し込む。プレスも高く、球際でよく戦っている。杉田は前半ボランチで起用されたが、CH川村の存在が目立たないほど、よくやっていた。30分にはCH川村がミドルシュート。33分、右SH中島がドリブルで持ち上がり、左に流すと、FW高瀬が中に切れ込んでミドルシュート。DFに当たり、GK王飛がセーブした。
 38分、GK山下がミスキック。FW王珊珊が持ち込み、クロスを入れるが、FW王霜にシュートを打たせなかったのはCB田中明日菜。心配された守備もCB村松が落ち着いてしっかり対応し不安を感じさせない。44分、GK山下からのフィードを左SH有町がヘッディングでフリック。FW田中美南がドリブルで前進。さらに中に切れ込んでPA内まで持ち込みシュート性のクロス。DFが触り、最後はGK王飛が何とか抑えた。いい前半だったが残念ながらスコアレスで終わった。
 後半、FW高瀬に代えて菅澤を投入。同時に中島をCHに下げて杉田を左SHに上げ、有町を右SHに回す。ボランチの展開力に見劣りを感じたか、杉田の突破を期待したか。有町はどのポジションでも本当に一生懸命プレーする。
 8分、左SB高良のフィードを受けてFW菅澤がドリブルで走り込み、クロスからCH中島がミドルシュート。それで得たCKから中島のクロスに左SH杉田がヘディングシュート。そして13分、CB田中明日菜のパスカットからFW菅澤、右SH有町、FW田中美南とつなぎ、右に流して右SB京川がミドルシュート。しかしGK王飛がナイスセーブ。さらに15分、CB田中明日菜の縦パスをFW菅澤が落とし、CH中島が右に展開。右SH有町のクロスにファーサイドにCH川村が走り込みヘディングシュート。しかしポストにはね返される。いい展開だった。16分にはCH中島のスルーパスにFW菅澤が抜け出しシュート。しかしこれもGK王飛がセーブする。
 中島をCHに下げてから、川村からの長い展開が見られるようになった。一方、杉田は左SHになってから消えてしまった。そして21分、右SH有町を増矢に交代する。すると右サイドで右SB京川と右SH増矢が重なってお互い良さを消し合ってしまう。両サイドの攻撃がうまくまわらず日本の攻撃が停滞する。
 中国は25分、FW王珊珊がミドルシュート。GK山下が落ち着いてセーブ。38分、日本はFW田中に代えて横山を投入。すると直後、右SB京川がドリブルで上がり、中に切れ込んでスルーパスにFW横山が走り込みシュート。GK王飛が飛び出しセーブ。はね返りをFW菅澤がシュートするが、これは弱くDFにクリアされた。そして43分、CH中島がピッチ中央でボールを収めると、スルーパスにFW横山が走り込み、一旦DFに弾かれたボールを巧く左足で収めると、飛び出したGKの右脇を抜くシュート。見事な技術を示し、ついに日本に先制点をもたらした。ゴール。
 さらにアディショナルタイム3分、FW横山の縦パスにDFと競り合いながらFW菅澤が走り込むと、落としたボールに左SH杉田がミドルシュート。追加点を挙げて中国を突き放した。アディショナルタイム5分、右SH韓鵬の切り返しからのミドルシュートが飛ぶが、GK山下が落ち着いてキャッチ。そしてタイムアップ。2-0。東アジア杯3戦目でようやくなでしこが勝利を挙げた。
 結果的には1勝2敗の3位だったが、3戦の間によく若手が成長し結果を示した。最も成長したのは右SB京川。そしてFW田中美南もその強さと速さをよく示した。GK山下の落ち着いたプレーもよかったし、CH川村とCB田中明日菜のベテラン勢も存在感があった。杉田はボランチの方がよかった。有町はいつでも戦う姿勢に好感を持てたし、高良・中島といったバイプレーヤーも存在感がある。実質、第2戦しか出場しなかったCH猶本やSH柴田はよく頑張っていたが、もっと自己アピールがあってもよかった。そして全体として大きく成長した。
 2月の五輪予選に選出したい選手が何人もいる。これから日本に戻ってなでしこリーグの後半戦が続く。さらなる活躍を見せて、ぜひ五輪予選メンバーに選考されてほしい。リオ五輪では次のW杯につながる若々しいなでしこを見てみたい。