とんま天狗は雲の上

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Jリーグ第2ステージ第7節 アントラーズ対ベガルタ

 突然の監督交代劇があって石井監督が就任して以降は3連勝。前節、首位のサンフレッチェを破って2位にまで上がってきたアントラーズ。前節は東アジア杯帰りで先発回避した柴崎もボランチに戻り、FWはダヴィと赤崎の2トップ。左SHには監督交代後起用されているという中村充孝が入った。対するベガルタは前節ようやく第2ステージ初勝利を挙げたばかりの17位。富田をアンカーに据える4-1-4-1の布陣をとってきた。
 序盤、ホームのアントラーズが落ち着いたパス回しでベガルタを押し込んでいく。ところが3分、DFに戻したところでCB昌子からのパスをMFリャンヨンギがカット。左SH野沢に渡し、DFをかわしてシュート。ベガルタアントラーズのミスから先制点を挙げる。しかしその後主導権を握ったのはアントラーズ。15分、右SH遠藤がミドルシュート。18分、FWダヴィミドルシュートアントラーズが押し込んでは攻めていく。先制したベガルタはしっかり守備ブロックを作り、アントラーズの攻撃をはね返す。
 すると27分、自陣深い位置からのFKをGK六反が蹴ると、CF金園がヘディングで競って落としたボールに左SH野沢が走り込んでミドルシュート。これが決まり、なんとベガルタが2点差にリードを広げる。さすがにアントラーズも落ち着いてはいられない。29分、CH小笠原の縦パスにFWダヴィがヘディングシュート。しかしGK六反がキャッチ。31分、右SH遠藤が中に切れ込んでミドルシュート。これもGK六反が正面でキャッチする。逆にベガルタも右SH金久保がポストになって左に流し、左SH野沢のクロスにMF奥埜がミドルシュートを放つ。
 2トップが流動的に下がってはパスを引き出そうとするが、両SHとの連携が悪く、うまくゴール前で収められないアントラーズは、膠着した攻撃を活性化するため、35分、左SH中村に代えてカイオを投入。個人技による突破を狙う。そして42分、FW赤崎が中盤でボールを受けて右サイドにドリブル。右SB西のクロスに左SB山本がヘディングシュート。これが決まり、前半のうちにアントラーズが1点を返した。
 さらに同点・逆転を狙うアントラーズは後半最初からFWダヴィに代えてOH金崎を投入。すると金崎がよくボールを引き出し、前線をかき回す。2分、OH金崎がドリブルからミドルシュート。6分には、左SHカイオのミドルシュートをGK六反が弾いたところにOH金崎が詰めてシュートするも、ふかしてしまう。しかし金崎を入れてアントラーズの攻撃が明らかに活性化した。11分には右SH遠藤がドリブルからクロスに左SHカイオがシュート。
 守りを固めるベガルタは12分、左SH野沢を下げてCHキムミンテを投入。富田とのダブルボランチにして奥埜をトップ下。リャンヨンギを左SHに回す。16分、OH奥埜のドリブルから中に入れて、右SH金久保がさらに右に流し、CHキムミンテがミドルシュート。攻めるアントラーズ。しかしベガルタの守備は堅い。30分にはCF金園に代えてハモン・ロペスを投入。前線からの守備の運動量を確保する。31分、左SHカイオのスルーパスにOH金崎が抜け出し、クロスにCF赤崎。だがCB石川がスライディング。身体を張る。
 33分にはOH奥埜に代えて藤村を投入。あくまで前線からの運動量を重視して守備を固める。アントラーズは35分、CF赤崎に代えてFW土居を投入。すると37分、左SB山本からの大きなサイドチェンジを右SB西がヘディングで折り返し、そこにFW土居が飛び込んだ。ヘディングシュート。ついにアントラーズが同点に追い付いた。
 さらに42分、右SH遠藤からのパスをCH柴崎がスルーパス。FW土居が抜け出してシュート。これが決まり、アントラーズが逆転。あっという間の逆転劇。諦めずに攻め続けたアントラーズに対して、ベガルタは後半早い時間帯から守りの態勢に入って、最後は疲れて土居の動きに付いていけなかった。その後もアントラーズが2度ほどチャンスを迎えたが決めきれず、ベガルタには有効な攻撃チャンスが訪れることなくタイムアップ。3-2。アントラーズが見事に逆転劇を飾って、この日、レイソルに敗戦したサンフレッチェに代わって第2ステージ首位に躍り出た。
 石井監督はこれまでのコーチ経験を生かし、赤崎、土居、中村らの若い選手をうまく競争させていいところを引き出し、勝利につなげているように見える。守備の不安定さはあるものの、第2ステージはこの調子で上位をキープしていきたい。さらに勝ち点差1でサンフレッチェレイソルが続き、なんとグランパスが5位。レッズも2連勝で8位まで上がってきた。これは第2ステージもまだまだ大混戦になりそうだ。