とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

五輪アジア最終予選グループB タイ対日本

 北朝鮮戦を1-0で勝利した日本。グループ最弱のタイを相手にどんなメンバーで、どんなゲームをするのか。当然楽勝を期待した。そして手倉森監督も日程のことは十分承知している。北朝鮮戦で調子が上がらなかった大島と南野を下げて、原川と矢島が先発。DFも植田と山中に代えて奈良と亀川を先発させ、FWには浅野が登場した。このメンバーでどこまでやれるか、そもそもタイはどういう戦い方をしてくるのか。

 すると序盤からタイが積極的に攻めてくる。3分には左SHプレムパックのCKからCBプロムラックがヘディングシュートを放つ。しかし日本もすぐにペースをつかんでいく。6分、左SH豊川のクロスから右SH矢島がシュート。タイのGKヨットがナイスセーブで弾き返す。8分、右SH矢島のスルーパスに抜け出したFW浅野のシュートはポストを叩く。さらに9分、右SH矢島のスルーパスに右SB室屋が走り込み、クロスにFW鈴木とGKヨットが競ってこぼれ球に左SH豊川がヘディングシュート。しかし今度はバーに弾き返される。立て続けにチャンスを逃す日本。うーん、これは難しい試合になるかな。

 19分、矢島のCKをCB奈良がヘディングで落とし、FW鈴木が詰めるが、GKヨットが弾き出す。序盤のチャンスを決めきれず、次第にゲームは膠着状態になっていく。タイのDFも日本の攻撃に次第に慣れてきたか。そう思い始めた27分、CH遠藤からの縦パスにFW鈴木が走り込むと、頭で突いて前に送り、そして強烈なシュート。素晴らしい鈴木の個人技から日本が先制点を挙げた。よかった。

 しかしこれでホッとしたのか日本の攻撃が停滞する。タイもパスがつながるとなかなか怖い。また高いDFラインに再三オフサイドを取られる。前半はこのままゲームが進み、1-0で折り返した。

 後半頭から日本は鈴木に代えてFWオナイウを投入する。タイも前に試合で足を痛めて途中交代したエース、サンパオディを投入。ワントップに据えて反撃を試みる。しかし4分、縦パスに走り込んだFWオナイウのクロスがファーに流れたところを走り込んだCH原川がドリブルからクロス。これに右SH矢島が反応しヘディングシュートを決める。日本が追加点を挙げた。

 これで楽になった日本。6分には矢島のCKからCB奈良がヘディングシュートを放つが枠を大きく外した。しかしタイも7分、左IHチャナティップがミドルシュートを放つと、ここからタイの反撃が始まる。9分、左IHチャナティップのアーリークロスPA内で右IHプアンジャンが受けようとしたところを左SB亀川が後ろから押して倒してしまう。PKの判定。PKをプアンジャンが蹴るが、蹴る瞬間に芝で足を滑らせ、バーに当ててしまう。助かった日本。さらに続くCKでは、右からのクロスにCFサンパオディが反転からシュートを放つ。GK櫛引がファインセーブ。さらに14分にはCHシーナーウォンのミドルシュート。24分、IHウィーラチャートのFKがこぼれたところをCBプロムラックがミドルシュート。GK櫛引がキャッチする。27分には左SBノットチャイヤーのクロスに右SHウィーラワットノドムがヘディングシュートを放つ。

 日本は26分、FW浅野に代えて久保を投入。すると30分、タイの縦パスをCB岩波がカットしてドリブルから長いスルーパスにFW久保が走り込み、そしてシュート。これがネットに突き刺さり、待望の3点目を挙げる。33分には疲れの見えた右SH矢島に代えて南野を投入。ゴールがほしい南野はよく動いて気持ちが伝わってくる。そして39分、CH遠藤の縦パスをFWオナイウがダイレクトで前へ。これにFW久保が走り込み、ドリブルでPA内に入っていく。堪らず倒してしまうCBゲサラット。これで得たPKを久保が決めて4-0と突き放す。アディショナルタイムには右SH南野のミドルシュートもあって、最後までよく前への意識を見せた日本が4-0で勝利した。

 これで決勝トーナメント進出を決定。次のサウジアラビア戦の結果次第で準々決勝の相手が決まるが、できれば地元カタールとはやりたくない。1位通過を目指してどんなメンバーで次のゲームを戦うのか。FW陣は誰も好調で、DF陣も万全だ。この日イエローカードをもらった右SB室屋をどうするか懸念はあるが、どんなメンバーが出ても十分やれる総合力がこのチームにはある。次はサウジアラビア戦を楽しみにしよう。きっと3連勝してくれると期待している。勝負は決勝トーナメントに上がってからだ。