北朝鮮とサウジアラビアのゲームが引き分けたため、第3戦を残しグループ首位通過を決めた日本。このため先発陣を第2戦から10人入れ替え、GK牲川を残してフィールドプレーヤーは全員先発出場することとなった。三竿をアンカーにした4-3-3の布陣。ベルマーレの三竿はU23ではなかったはずと思ったら、その弟だった。大島と井手口がやや前目の3ボランチを組んできた。
序盤、日本が主導権を握って攻めていく。5分、左SB山中のCKにCB植田がニアに飛び込むが、ヘディングは枠を外す。7分、左SH中島がドリブルからミドルシュートを放つ。サウジアラビアも10分、DFからのフィードにCFガムディが走り込み、CB奈良が倒してしまうが、右SHアスーリの蹴ったFKは枠を外した。15分には右SHアスーリから左に流し、左SHムワラドのスルーパスにCFガムディが走り込むが、シュートはGK杉本がナイスセーブを見せる。
サウジアラビアの攻撃もCFガムディと左SHムワラド、右SHアスーリの3人が速く、日本の守備を慌てさせる。日本はガンバでは守備的な仕事で持ち味を出している左IH井手口が積極的に攻撃に絡む。16分、CFオナイウとDFが競ったこぼれ球を左IH井手口がミドルシュート。わずか左に外す。続くCKにCB奈良がヘディングシュートを放つが、枠を捉えられない。サウジアラビアも22分、CFガムディがドリブル突破。CB奈良が振り切られ、何とかCB植田がクリアした。
23分、右IH大島の縦パスから右FW南野が切り返してミドルシュート。サウジアラビアも25分、DFからのフィードに走り込んだ左SHムワラドが切り返してミドルシュート。CB植田がブロックする。27分、右SB松原からの大きなサイドチェンジを受けた左FW中島のスルーパスにCFオナイウが走り込んでシュート。続く井手口のCKにCB植田が走り込んで、ドンピシャ・ヘディングシュート。しかしこれもGKアハマッド・ハルビがファインセーブでブロックする。日本は主導権を握って攻めてはいるが、ミスも多く、奪われてはカウンターを食らうことも多い。なかなかきれいにパスが回らないなあ。このまま前半を終えて、後半はこれまで先発した選手が出てくるのだろうかと思い始めた31分、右IH大島が中盤でボールをキープし、右FW南野へのパスを探した後に思い切ったミドルシュート。これが見事に決まり、日本が前半のうちに先制点を挙げた。しかしその後は一進一退。お互いシュートチャンスもないまま前半を終えた。
後半に入っても前半の終盤と同じような展開。お互い攻めるが、決め手に欠いてなかなかシュートが打てない。お互い相手の攻撃に慣れてきたのかもしれない。すると8分、右SB松原からの縦パスに走り込んだ右FW南野がシュートチャンスを狙って中へドリブル。そして左に流し、そこへ左IH井手口がミドルシュート。これが決まり、日本が追加点を挙げる。
その直後の9分、サウジアラビアはCHバサスに代えて右SHスライヒムを投入。長身のMFカノーをボランチに下げてアスーリをトップ下に置くポジションチェンジを行うと、積極的に反撃を開始する。そして12分、日本のゴール前に迫ったところをCB植田がクリア。しかし一緒にCFガムディの足も蹴ってしまい、PKの宣告を受ける。厳しすぎる、これぞアラブの笛か。サウジアラビアはCBマドゥが落ち着いて決めて、1点を返した。
日本は21分、CH三竿に代えてFW浅野を投入。4-4-2の布陣に変更。23分には右SB松原を下げて亀川を投入。しかしサウジアラビアも前からプレスをかけて反撃をしてくる。日本の最終ライン、植田と奈良が身体を張った守備を見せてしっかりと守るが、攻撃は依然水が多く、なかなかつながらない。40分、日本はFWオナイウに代えて久保を投入。するとFW浅野とFW久保が積極的に攻撃をリードする。
42分、左SB山中のフィードにFW浅野が走り込み、ドリブルで駆け上がってシュート。枠を外す。44分にはFW久保がミドルシュート。アディショナルタイムにはCH大島のスルーパスにFW久保が抜け出すが、左SBラバイドがファールで止める。続くFKを左SB山中が蹴ったが、シュートまでは結び付けられず、タイムアップの笛が吹かれた。不可解なPKでの失点は残念だったが、2-1で勝利。3連勝でグループリーグを突破。次の準々決勝はイランが相手と決まった。
日本はFW久保が好調。植田、岩波のCBコンビも調子よく、右SH矢島も好調。CH遠藤が落ち着いてチームを統率し、守備面で安定感がある。問題は攻撃、得点力か。FW久保はもちろん次こそ浅野と南野のゴールを期待したい。会場にはイランの監督・選手が視察に来ていたが、彼らの前でゴールを挙げなかったのはよかったと思いたい。中2日、次はどんなゲームを見せるのか。絶対に勝たなくてはいけないゲーム。さらなる奮闘を期待する。
