とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

日本サッカーも右傾化?

 一昨日の日本対韓国戦を観ながら、日韓のサッカーが逆になってしまったという印象を持った。韓国のサッカーがすごく技巧的でまるでかつての日本のサッカーのようになっていた反面、日本は堅い守りとカウンターでゴールを狙うまるでかつての韓国のサッカーのようだった。そしてゲーム展開もまるでかつての日韓戦。韓国が華麗な中盤のパスサッカーから先制・追加点を入れて突き放せば、日本がカウンターから同点に追い付く。そして後方からのフィードからDFを身体で抑えて入れ替わっての逆転ゴール。うーん、これまでも何度かこんなサッカーで逆転されては苦い思いをしたような気がする。

 華麗にパスをつなぐ楽しいサッカーよりもとにかく結果を求める。勝負にかけるサッカー。日本U23には南野や矢島、中島といった技巧派もいないわけではないが、大島のようなパスを主体にプレーする選手は機能せず、原川のような身体が強くドリブル突破もできる選手が機能する。CH遠藤が中盤でボールを奪っては前線へ的確なパスを供給し、最終ラインでCB岩波やCB植田がヘディングではね返しては正確なフィードを前線へ送る。いずれにしてもカウンター主体のサッカーだ。

 サッカージャーナリストの西部謙司が最近、右翼のサッカーと左翼のサッカーということを言っている。攻撃的なサッカーを左翼、結果重視のサッカーを右翼と定義しているのだが、それに照らせばU23のサッカーは右傾化しつつあると言える。そして西部氏はこうしたサッカーの特徴はそのままその国の政権の状況とシンクロしていると言う。確かに日本政府の右傾化と日本サッカーの右翼化はシンクロしている?

 五輪に5回も連続して出場すると、6回目も当然出場しなくてはいけないということになる。内容よりも結果を重視する必要が出てくる。それが右翼のサッカーにつながる。政権も長く維持しようとすれば選挙結果を重視した政策、ポピュリズムな政治運営に終始することになる。まさに現在の安倍政権の姿ではないか。

 一方、韓国の政治状況は・・・詳しくないが、ひょっとして一時よりもずっと言論の自由化などが進行しているのかもしれない。いや無理やりサッカーと政権を結びつけて考える必要はないのだが、先日の日韓戦の内容はかつてを知る者にとっては本当に興味深かった。それでついついそんなことを考えてしまった。