とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA第22節 ミラン対インテル

 久しぶりにセリエAのゲームを観る。今シーズン初めてかもしれない。本田も長友もシーズン序盤は先発はもとよりゲームに出場することも少なかった。それでも11月頃から長友が先発することが多くなり、また本田も12月に入ってから先発出場が増えてきた。年明け以降、本田は右SHに定着。まだゴールこそないものの次第に評価を上げてきている。このゲームを観る前に「本田が活躍・高評価」という記事を目にした。楽しみに観始めた。ちなみに長友はカップ戦要員になったようでこのゲームも最後までベンチを温めていた。

 ミランの先発はFWにバッカとニアン、右SH本田で左SHボナベントゥーラ。ボランチにクツカとモントリーボが座る。モントリーボが帰っていたんだ。右SBにアバーテがいるのは本田にとって心強い。GKは噂の16歳ドンナルマだ。対するインテルサンプドリアから移籍したばかりのFWエデルが先発。2トップを組むのはヨベティッチ。FWイカルディはベンチに温存。右SBサントンに左SBにはフアン。本来CBのフアンを使うのなら長友でもいいじゃないかと思うが、それだけ本田の動きを警戒しているということか。

 2分、ミランのFWニアンが積極的にドリブルで仕掛けてゴール前まで迫ると、インテルも5分、右SHペリシッチの縦パスにFWエデルが駆け上がりクロスを入れる。お互いダービーマッチにふさわしく積極的に攻めていく。6分、左SBフアンのクロスにFWエデルがヘディングシュート。8分、インテルのCHブロゾビッチがミドルシュート。GKドンナルマがナイスセーブを見せる。

 お互いゲーム序盤から激しい攻防が続く。9分、CHクツカのドリブルをインテルのCBミランダが手をかけて倒すがノーファールの判定。激しい当たりを許容する主審の判定にゲームはますますヒートアップしていく。10分、左SHボナベントゥーラがミドルシュート。序盤こそインテルが押し気味だったが、次第にミランがペースを取り戻していく。16分、右SBアバーテのスルーパスに右SH本田が抜け出すが、DFにつぶされる。しかしクリアボールをCHクツカが受けて、ドリブルからクロス。FWニアンが走り込むが、GKハンダノビッチがナイスセーブ。CHクツカは19分にもミドルシュートを放つ。

 そして35分、左SHボナベントゥーラからFWバッカ、CHクツカと中盤でつなぎ、右SBアバーテのクロスに右SH本田が飛び込む。シュートはCBミランダがブロック。しかしこれで得たCKから右SH本田がクロスを入れると、ドンピシャ、CBアレックスが飛び込んでヘディングシュート。ミランが先制点を挙げた。本田は再三の仕掛けが生きた感じ。左足で正確なクロスが入った。前半は1-0、ミランのリードで折り返す。

 後半も激しい攻防が続く。5分、GKドンナルマのキックミスで高く上がったボールにFWエデルが詰めて、両者倒れると、インテルサイドがPKを主張して激しくアピール。しかしファールを取らなかった主審は代わりにマンチーニ監督に対して退席処分を命じた。その後もミランのペースでゲームは進む。11分、FKのチャンスに本田が左に流してCHモントリーボが前方へフィード。CBアレックスのヘディングのこぼれをCBロマニョーリが拾ってクロス。左SHボナベントゥーラがシュートを放つがDFにブロックされる。

 19分、インテルはFWヨベティッチに代えてイカルディを投入。すると24分、FWエデルのスルーパスにFWイカルディが抜け出してシュート。GKドンナルマがいい飛び出しでファインセーブ。高く上がったボールを狙おうとしたイカルディに対してCBアレックスが倒れたまま足を上げる。倒れるイカルディ。今度は主審がPKを宣告した。しかしイカルディが狙い済ましてGKの逆を突いたシュートは右ポストに当たってはね返される。ついていないインテル

 すると28分、右SBアバーテのドリブルからFWニアンが右サイドから絶妙なクロス。FWバッカが走り込みシュート。ミランが追加点を挙げる。さらに32分、右SBサントンからボールを奪った左SHボナベントゥーラがドリブル。右に流してニアンがシュート。一旦はGKに弾かれたがはね返りを落ち着いてゴールに流し込み、ミランが3-0と突き放す。

 その後、インテルは33分フェリペ・メロ、42分テレスを投入し、3バックにして攻めるが、ミランも34分、FWニアンに代えてバロテッリ、さらに40分ベルトラッチ、44分ボアテングを投入。逃げ切りを図る。36分、CHクツカから右に流したパスに右SH本田がクロスを入れるが、FWバロテッリのシュートはFWバッカと重なり、GKハンダノビッチがナイスセーブ。38分にはFWバロテッリポストプレーから右SH本田がドリブルで駆け上がりシュートを放つが、DFにブロックされた。ゲームはこのまま終了。ミラノダービーミランが3-0で快勝。6位と順位は変わらないが、3位インテルとの勝ち点差を5と縮めて、EL圏内が近付いてきた。

 本田は思ったほどの大活躍ではないが、右SHというポジションでしっかりとその役割を果たした。何度か積極的に仕掛けたし、先制点のクロスも見事だった。足の速さなどの派手さはないが、ミハイロビッチ監督には「求めている役割をしっかりと果たしてくれる」と評価していた。本田自身は「自分がボールを持つとようやく2・3人が信頼して走ってくれるようになった。もっと多くの選手が走ってくれればもっと選択肢が増える」と生意気なコメントをしていたが、こうした強気な姿勢があってこそ、激しいミラノダービーでも戦うことができるのだろう。ようやく上向き加減のミラン。その中で本田が存在感を高めてくれることを期待する。次は是非ともゴールがほしい。