とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA第23節 パレルモ対ミラン

 週末には既に第24節が行われ、ウディネーゼ相手に引き分けたミランだが、その前のミッドウィークに行われた第23節パレルモ戦をようやく観終えたのでそちらの観戦記をアップする。すっかり右SHに定着した本田。またそれと軌を一にするように無敗を続け、順位を上げてきたミラン。中2日のゲームだがCBサパタ以外は前節と同じメンバーが先発した。

 3分、左サイドでパレルモの攻撃を食い止めた左SBアントネッリがドリブルで上がり、クロスのクリアがちょうど右SH本田の前へ。しかしその前でFWニアンがカットして無理な体勢からシュートを放つ。そのまま本田に打たせてあげればと少し残念。6分には本田の蹴ったCKが直接ゴールに向かう。GKソッレンティーノが何とかセーブしたが、ミランが押し込んでいく。7分、FKのチャンスに本田が横に流し、CHモントリーボが戻したボールを本田がクロス。絶妙なカーブを描いてゴール前に入るが、走り込んだ左SHボナベントゥーラの頭にわずかに合わなかった。

 16分にはFWバッカがドリブルからシュート。さらに17分、FWバッカの落としをFWニアンが受けて、DFのチェックのこぼれを左SHボナベントゥーラがミドルシュート。GKソッレンティーノがナイスセーブを見せる。そして18分、自陣深い位置からCHクツカの縦パスを受けた右SH本田が3人のDFが寄せてくる中、うまくかわして縦パスを送ると、右SBアバーテが抜け出してクロスにFWニアンがつぶれた後ろに走り込んだFWバッカがシュート。これが決まりミランが先制点を挙げる。本田のパスが起点となったゴールだった。

 その後もミランのペースでゲームは進む。モントリーボとクツカの2人のボランチが中盤でよくボールを回収し、二次攻撃・三次攻撃につなげていく。右SH本田は中に絞り、FWニアンや右SBアバーテとの連携もよく、再三攻撃を仕掛けていく。32分には右SH本田がゴール正面からミドルシュート。GKソッレンティーノのファインセーブで弾かれた。そして33分、パレルモのゴール前でルーズになったボールにCBゴルダニガがハンドの反則。PKをFWニアンが決めてミランが追加点を挙げた。

 本田は36分、FKを直接狙うが、壁に入ったFWニアンに当たる。こぼれたボールに反応した右SBアバーテがクロスを入れてFWバッカがシュート。しかしGKソッレンティーノがセーブする。パレルモも39分、左SHクアイソンのクロスにCFジラルディーノがヘディングシュート。40分には右SHヒルジェマルクのCKからCHヤヤロがボレーシュートを放つも、枠を大きく外した。前半で2-0。ほとんどミラン・ペースで前半を終えた。

 パレルモは後半の最初から、右SBストルナをモルガネッラへ、左SHクアイソンをFWトライコフスキに交代する。あわせてシステムも変更。ヤヤロをアンカーに置くワンボランチとしてバスケスをトップ下。チョチェフを左サイドに出してFWはトライコフスキとジラルディーノの2トップにしてきた。

 6分、CHクツカのパスカットからFWバッカがドリブルで右サイドを突破。クロスにCHクツカが走り込むが、シュートはDFと交錯しうまく打てなかった。パレルモも7分、OHバスケスのスルーパスからFWトライコフスキがシュート。DFがブロックする。ミランはさらに9分、右SH本田のスルーパスにCHクツカが走り込んでクロスを入れるが、GKソッレンティーノにセーブされる。

 ミランは11分、CHモントリーボに代えてベルトラッチを投入。パレルモも13分、早くも3枚目のカード、FWジラルディーノに代えてジュルジェビッチを投入する。するとミランの中盤がうまく納まらなくなり、逆にパレルモの攻撃が目立つようになってくる。19分、CHヤヤロの縦パスをFWジュルジェビッチが落とし、FWトライコフスキがシュート。DFに当たりわずかにバーの上。20分、右SHヒルジェマルクのCKから左SHチョチェフがヘディングシュート。しかしGKドンナルマがキャッチ。ミランも23分、右SH本田からのパスを左SHボナベントゥーラがスルーパス。FWバッカが走り込むが、わずかに届かなかった。

 その後もパレルモが攻めて、ミランが守る。29分、OHバスケスがシュート。DFがブロック。31分、右SBモルガネッラがミドルシュート。GKドンナルマがセーブ。その後は30分FWバロテッリ、39分CHポーリを投入。いまだ噛み合わない選手たちを起用して融合を図りつつ、パスを回して時間を消費。そしてタイムアップ。ミランが危なげなく勝利した。

 その後のウディネーゼ戦では先制されるもその後追いついてのドロー。他のチームも勝ち点を積み上げる中で順位こそなかなか上がってこないが、6位につけて虎視眈々とEL出場を狙っている。何より本田がチームの中心として君臨している様子が見えて面白い。モントリーボとクツカの両ボランチがチームを支え、攻撃面では本田がみんなを指示している。わがままなプレーが目立ったボナベントゥーラも従っているところが興味深い。ミランはついに本田のチームになりつつある。それだけの信頼を作りつつある。願わくば早くゴールがほしい。それでこそ信頼は確固たるものになるような気がする。次こそ本田のゴールを期待したい。