とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

セリエA第25節 ユベントス対ナポリ

 8連勝で首位を行くナポリ。対するユベントスは15連勝でついにナポリと勝ち点差2に迫ってきた。勝てば首位交代という首位決戦だ。今シーズン初めて両チームのゲームを観る。ユベントスは昨シーズンまでチームを支えたテベスピルロビダルといった選手を放出し、マルキージオやポグバを中心とするまったく違ったチームになっていた。このゲームではマンジュキッチキエッリーニが欠場。4バックにしたことから余計にそういう印象を持ったかもしれない。対するナポリイグアインを中心とする攻撃的なチームながら、今シーズンは守備が安定し、ここまで首位を独走してきた。何としても首位の座を守り、マラドーナ在籍時以来のスクデットを手にしたい。両者の強い意志と集中力、そして技術がぶつかりあう今シーズン最高の好ゲームだった。

 序盤からナポリが高い位置でプレスをかけていく。しかしそれに対するユベントスの落ち着きも見事。両チーム高い集中力で寸分の隙も見せない。張り詰めた内容でゲームが始まった。10分、ナポリがDF間でパスを回しているところをユベントスの右SHクアドラドがすごい勢いで詰めていき、CBクリバリからボールを奪うと、そこからチャンスを作っていく。対するナポリユベントスのCKから一気にカウンター。左FWインシーニエが長いドリブルでユベントス・ゴールに迫っていくが、CFイグアインにはつながらない。12分、左FWインシーニエが落としたボールを右FWカリェホンが縦パス。インシーニエが走り込んでシュートを放つが、DFがしっかりブロックする。ユベントスも14分、CHマルキージオの縦パスからCHケディラが右に展開。右SHクアドラドがシュートを放つ。

 お互い高い集中力でしっかりと守る。序盤はナポリが攻める展開だったが、次第にユベントスがその勢いに慣れ、ペースを握りだす。29分、左SHポグバの縦パスをFWモラタが落とし、FWディバラがシュート。31分にもポグバがミドルシュートを放つ。ナポリも33分、左IHハムシクのクロスをCFイグアインが落とし、右IHアランがシュート。35分には右SBヒュサイからの絶妙なクロスにCFイグアインがゴール前に走り込むが、その手前でCBボヌッチが足を伸ばしコースを変える。スーパープレー! ボヌッチの足がなければ、イグアインが必ず先制ゴールを挙げていた。続くCKをCHジョルジーニョが蹴って、CBアルビオルがシュート。しかしこれはGKブッフォンがファインセーブで弾き返す。38分、右FWカリェホンからの絶妙なクロスが入るが、CFイグアインがわずかに届かない。40分、CHマルキージオミドルシュート。42分、左SHポグバのミドルシュートユベントスが盛り返すが、ゴールは決まらない。ほぼ互角。がっぷり四つ。ゲームのレベルの高さに感服した45分だった。

 ユベントスマルキージオケディラボランチ・コンビがすばらしい。これに速さのクアドラド、技術と強さを兼ね備えたポグバが絡み、迫力ある攻撃を見せる。もちろん守備はバルザーリボヌッチがいればバッチリだ。対するナポリは中盤でジョルジーニョの存在が大きい。そしてインシーニエがドリブルで何とかユベントスの守備陣を混乱させこじ開けようとする。しかしCFイグアインに納まらない。イグアインが徹底的に封じ込まれ、前半はシュートはおろかボールに触ることも少なかった。

 後半も開始1分、左FWインシーニエがドリブルでライン際まで切れ込み、DFを抜いてシュートを放つがGKブッフォンがセーブ。ユベントスも6分、CHマルキージオからの縦パスを走り込んだCHケディラが落とし、左SBエブラがシュート。後半ユベントスは左SHポグバが中央でプレーすることが多く、左SBエブラの上がりを促す。

 7分、CBボヌッチが前半に味方選手との接触で痛めた膝の痛みが増して、ルガーニと交代する。しかしルガーニも落ち着いてプレー。しばらく膠着した展開が続く。13分、ユベントスの中で唯一ゲームに乗り切れない感じだったモラタを下げて、FWザザを投入。17分、CHマルキージオから左に大きく展開。左SHポグバが絶妙なトラップでボールを収め、クロスにFWディバラがシュート。ポグバのトラップにびっくり。

 お互いなかなかシュートチャンスまで持ち込めないが、ナポリの運動量が次第に落ちてきて攻め手がない。ユベントスがゲームの主導権を握っている。32分、ナポリはインシーニエに代えて左FWメルテンスを投入。35分、左IHハムシクミドルシュートはわずかにバーの上。36分、CFイグアインが強引なミドルシュート。40分、左SHポグバが長い距離をドリブルで上がりミドルシュートを放つが、DFの足に当たりGKレイナが抑える。ユベントスもなかなかゴールができずに焦りがでてきた印象。41分にはFWディバラに代えて左SHアレックスサンドロを投入。ポグバをトップ下に据える。

 そして43分、CHケディラから大きく左へサイドチェンジしたボールを左SHアレックスサンドロが落とすと、左SBエブラがつなぐ。受けたFWザザが左に持ち出してミドルシュートを放つと、CBアルビオルの身体に当たってコースが変わり、GKレイナが飛んだところとわずかに逸れてゴールに吸い込まれた。ゴール。ついにユベントスが先制点を挙げた。その後はアディショナルタイムに交代したFWガッビアディーニのシュートもあったが、そのままタイムアップ。首位決戦はユベントスが勝利。ついに首位が交代した。

 ユベントス、強い。しかしナポリも強力だった。首位決戦にふさわしいお互い譲らない好ゲーム。今シーズン最高のゲームだった。これでユベントスが首位に立ったが、キエッリーニに加えてボヌッチの負傷交代は気掛かりだ。ユベントスはこれで15連勝を飾ったが、まだまだ先は長い。ナポリも依然好調だし、今後、両チームともインテルミランとのゲームを残している。まず次節はミランナポリと対戦する。本田の活躍とともにナポリの奮闘も楽しみだ。好ゲームを期待したい。