とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

フジゼロックススーパーカップ サンフレッチェ対ガンバ

 いよいよ今週末にはJリーグが始まる。グランパスは小倉監督になってメンバーも大幅に入れ替わり、練習試合ではかなり苦戦している。先々週のガンバとのプレシーズンマッチも完敗した。今季のJリーグは各チーム、選手の移籍が多く、どんなサッカーを見せてくれるのか、現時点でなかなか想像がつかない。ドウグラスが退団し、ピーター・ウタカが入団したサンフレッチェ。宮吉の加入も楽しみだが、それ以外あまり大きな変化はない。一方のガンバはアデミウソンの加入が大きい。さらに藤本も加わって、宇佐美やパトリック、阿部、倉田、大森といったこれまでの攻撃陣とどういうハーモニーを醸してくれるのか。ガンバの変化も楽しみだ。

 このゲームではアデミウソンがパトリックと2トップを組み、宇佐美を左SHに置く布陣でスタートした。右SHには阿部が入る。そして19歳井手口をCHに置いて、今野をCBに下げてきた。この布陣も驚きだ。対するサンフレッチェは茶島を右SSに置いた以外はほぼいつもの顔触れ。左CB佐々木を先発起用。左SSには久しぶりに柴崎が戻ってきた。

 5分、スローインから右CB塩谷がミドルシュート。CBが積極的に前へ上がっていくサンフレッチェのサッカーは変わっていない。このゲームではCB千葉も積極的に上がり、昨季以上にアグレッシブだ。対するガンバは16分、CH井手口の縦パスをFWパトリックが落とし、CH遠藤のスルーパスに左SH宇佐美が抜け出すが、シュートは当たり損ね。19分には左SH宇佐美から右に展開、右SH阿部のクロスがDFにはね返されると、今度は阿部がミドルシュート。ガンバはこれが前半唯一のシュートだった。

 お互い虎視眈々とチャンスを狙うが、守備が堅く縦パスの入れ処が見つからない。お互い相手チームの変化を探り合うような前半だった。27分、右WBミキッチからのパスを右CB塩谷が右に流し、右SS茶谷のクロスのクリアをCH森崎和幸ミドルシュート。32分、宇佐美のFKにFWパトリックがヘディングシュートを放つが、オフサイド。43分、CB丹羽のフィードを左SH宇佐美とDFが競り合い、こぼれたボールを右SH阿部が拾って前へ仕掛ける。しかしシュートは空振り。前半はスコアレスで終わった。

 後半に入るとガンバが攻撃陣の布陣を変えてくる。トップ下に宇佐美、右SHアデミウソン、左SH阿部。アデミウソンは周りを使おうという意識が高く、特に宇佐美の動きを気にしている様子は窺えるが、連携はまだまだこれから。技術は高いだけにこれからが楽しみだ。6分、右CB塩谷がパスをカットしドリブルで上がると、スルーパスに左WB柏が走り込みクロス。しかしDFがクリア。左CB佐々木が拾うと、右SS茶島の落としからCH青山が右に展開。右CB塩谷のクロスにCF佐藤が飛び込む。GK東口の前でわずかに触ったボールがゴールに転がり込む。ゴール。サンフレッチェが先制点を挙げた。

 しかしこのプレーで佐藤が左足の違和感を訴え、8分浅野に交代する。10分にはカウンター。CH青山の縦パスを受けた左SS柴崎がドリブルで前に運び、左に流して左WB柏がクロス。しかしこれをCB丹羽が止める。主審はハンドの判定でPKスポットを指す。顔に当たったとアピールする丹羽。ビデオでは丹羽の方が正しそうに見えるが、抗議は認められず。これで得たPKをCF浅野が決めてサンフレッチェが追加点を挙げた。

 2点差を付けられたガンバは14分、アデミウソンとパトリックに代えてCF長沢と左SH倉田を投入。阿部を右SHに戻す。17分、遠藤のCKからCB今野がつないで左SH倉田がヘディングシュート。21分にはCH井手口がミドルシュートを放つが、GK林がキャッチした。そして23分、左SH倉田がピッチを横断するようなドリブルから右に展開すると、右SH阿部が絶妙なクロス。OH宇佐美が走り込んでヘディングシュート。ガンバが1点を返す。

 24分、サンフレッチェは左SS柴崎に代えてピーター・ウタカを投入する。すると26分、右WBミキッチのクロスに左SSウタカがヘディングシュート。さらに27分には左SSウタカが強烈なミドルシュート。GK東口がファインセーブで弾き出す。そして28分、茶島のCKのクリアを左SSウタカが強烈なボレーシュート。DFに足に当たってわずかにコースが変わりゴールに突き刺さる。サンフレッチェが3点目と突き放した。

 ガンバは31分、阿部に代わり右SH藤本を投入。阿部のような運動量はないが、右サイドからの絶妙なクロスなどで存在感を示す。35分、左WB柏が強力なミドルシュート。GK東口がナイスセーブ。41分、右SH藤本の縦パスからOH宇佐美がうまくDFをかわして反転からシュートを放つが、GK林がナイスセーブする。44分、右SBオジェソクのクロスにCH井手口がミドルシュートを放つもわずかにポストの右。結局、その後はゴールなし。3-1でサンフレッチェが勝利し、今シーズン初タイトルを確保した。

 サンフレッチェは昨シーズンまでのサッカーは変わらない。ピーター・ウタカの力強さも披露して、ドウグラス退団の影響もなさそうだ。CWCでの茶島の成長などによりACL参戦による過密日程へも何とか対応をしている。対するガンバも基本は変わらないが、アデミウソンと藤本の加入は大きな力になりそうだ。倉田、阿部、大森らと藤本、アデミウソンをどう起用していくのか。相手との力関係やサッカーの内容で変えていくのだろうが、長谷川監督の采配が楽しみだ。Jリーグは今シーズンもこの両チームにレッズを加えた3強を中心に回っていくのだろう。これにFC東京レイソルらがどう絡んでいくのか。グランパスはまずは降格圏内に落ち込まないように中位チームと互角の戦いをしていくしかない。まずは初戦のヴェルディ戦。どんなスタートが切れるのか。いよいよ今週末、J1が開幕する。