とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

Jリーグ第2節 フロンターレ対ベルマーレ

 また先週、地下へ潜っていました。週末だけ地上に首を伸ばしたが、今週もまた潜行の予定。ああ、いやだな。で、その間に行われた女子サッカーアジア最終予選は韓国と引き分け、中国には完敗。これでリオ五輪はほぼ絶秒状態。まさか日本開催の大会でこの結果になるとは思っていなかったけど、澤が抜けたことが選手たちの心に予想以上の大きな欠損感をもたらしているのかもしれない。宮間ひとりでは支えきれなかった。初戦のオーストラリア戦では中島のふっきれた感じのプレーは澤引退のプラス面の効果かなと思ったけど、そのゲームで3-1と完敗したことが精神的な動揺を拡大してしまったのではないか。韓国戦、中国戦ともビデオ録画はしてあるが、地下に潜った状況では観る気がしない。フロンターレベルマーレ神奈川ダービーを観ることにした。

 谷口と奈良にCBに車屋とエウシーニョが両SBに開く。今季のフロンターレは4バックで戦うのだろうか。狩野が左SHに入って、左SB車屋と良い連携を見せていた。対するベルマーレは遠藤と永木が移籍。代わりに右CB岡本、CHはパウリーニョと石川が務め、キリノをワントップに据えた。

 開始1分、左FW高山がミドルシュート。序盤からベルマーレが積極的に前からプレスをかける。まさにベルマーレ・スタイル。4分には右WB藤田征也のクロスのこぼれ球に左FW高山が反転からシュートを放つ。フロンターレもしっかりと受け止めては次第にフロンターレ・ペースに持ち込んでいく。11分、中盤でパスをつないで右SH森谷からCB谷口が縦パス。左SB車屋が駆け上がりクロス。ポストを叩く。DF陣が中盤の選手たちと入れ替わりながら積極的に前線まで上がっていく。こちらもフロンターレらしい全員サッカーだ。

 そして13分、左SH狩野のクロスに右SH森谷がスルーをしてFW大久保がミドルシュートフロンターレが先制する。大久保はこれで通算157ゴール。中山と佐藤寿人の記録に並んだ。さらにフロンターレが押し込み、15分大久保、17分にも大久保が積極的にシュートを放っていく。

 しかし20分、ベルマーレが反撃。左WB菊池大介が中へパス。右FW菊地俊介が左に戻して左FW高山が切れ込むと、クロスにCFキリノが飛び込む。GKチョンソンリョンがいったんキャッチしたボールがキリノのチャージで再び手を離れこぼれる。ゴール。フロンターレの選手たちが猛烈に抗議するが正当なチャージと認められ覆らず、ベルマーレが同点に追い付いた。

 するとこれで再びベルマーレが元気になる。フロンターレも26分、CB谷口の縦パスに左SB車屋が走り込み、クロスを右SH森谷が落としてCH中村がミドルシュート。しかし枠に入らない。そして38分、ベルマーレが中盤でボールを奪うとすぐに速い攻撃を仕掛ける。左FW高山がドリブルで持ち込むと、クロスに右WB藤田征也が落とし、左サイドから菊池大介が走り込んでミドルシュート。これが決まり、ベルマーレが1点を勝ち越した。

 しかしフロンターレも譲らない。39分、CH大島からのフィードにFW大久保が抜け出し、落としをFW小林がシュート。同点に追い付く。すると41分、今度はベルマーレのCKを三竿が蹴ると、後方から走り込んだCHパウリーニョがジャンピング・ボレー。再びベルマーレが突き放す。しかし45分、フロンターレがCH大島の縦パスを受けたFW小林が絶妙なトラップで反転してミドルシュート。再び同点に追い付いた。前半だけで3-3。攻撃がいいのか守備が脆いのか。壮絶なゲームは後半に持ち越した。

 後半頭からフロンターレは両SHを交代。左SHに中野。FWに森本を投入し、小林を右SHに下げる。5分、FW森本から右SH小林、左SH中野とつなぎ、FW大久保がシュート。CBアンドレ・バイアがブロックする。9分にはFW大久保がドリブルで切れ込み、クロスにFW森本がヘディングシュート。そして13分、CH中村のクロスに左SH中野がヘディングシュート。しかしGK村山がナイスセーブを見せる。

 ベルマーレも一方的に守っているわけではない。いや後半に入っても前からのプレスは変わらない。ますます鋭さを増し、後半中盤以降はベルマーレが押し込む展開になってくる。そして32分、フロンターレの攻撃をベルマーレがはね返し、カウンターで前に運ぶと、左CB三竿のクロスに右CB岡本がシュート。三度ベルマーレが勝ち越す。両CBが最前線まで駆け上がり、ゴールを決めた。まさにベルマーレ・スタイル。

 しかしフロンターレも必死に反撃。38分、左SB車屋が左SH中野とのワンツーで走り込み、クロス性のシュート。GK村山がファインプレーで何とか弾き出す。43分、左SB車屋から左に展開。左SH中野のクロスにFW森本がトラップからシュート。しかしこれもGK村山がファインセーブを見せる。44分には左SH中野を下げて、FWに長身DFエドゥアルドを投入する。そしてアディショナルタイム1分、左SB車屋のクロスを右SH小林がヘディングで折り返し、FW森本がヘディングシュート。ついにフロンターレが同点に追い付いた。最後はカウンターの応酬で小林、大久保がシュートを放ったが、これ以上は変化なし。4-4の引き分けに終わった。

 結果は痛み分け。だが攻撃的なチーム同士の戦いはけっこうおもしろかった。フロンターレはCB奈良がしっかり守ってCB谷口は積極的に攻撃参加。左SBが再三上がっては左サイドから攻撃を作っていく。森本は十分戦力になるし、大久保、小林のFWも決定力が高い。しかしベルマーレのサッカーも魅力的だ。永木や遠藤の移籍もサッカースタイルが変わらなければそれほど大きな痛手になっていない。高山が相変わらずピッチ広く走り回り、菊地俊介と菊池大介も走り回る。パウリーニョの加入が中盤を引き締め、左CB三竿の正確な左足が大きな戦力になっている。今年もベルマーレ旋風は変わらず。J1リーグに吹き荒れそうだ。