とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

U-23強化試合 日本対メキシコ

 ポルトガル遠征をしている日本U-23がメキシコU-23を破った。メキシコU-23と言えば、ロンドン五輪の優勝チーム。五輪世代は毎回メンバーが大幅に入れ替わるとは言え、メキシコはフル代表も強い国。どんなゲームをしたのかと興味を持って録画を観た。日本の先発はアジア予選時のメンバーとほぼ同じ。右SBにファンウェルメスケルケン際が入ったのが目新しい。南野を左SHに使い、右SHに豊川、中島をトップ下に起用した。

 開始2分、左SH南野がメキシコのDFからのパスをスライディングでカットすると、OH中島が切り返しからミドルシュート。これがDFに当たり、GKの上を越えてゴールに突き刺さる。日本が開始早々に先制点を挙げた。その後も日本のプレスが早く、前への意識が高い。10分、メキシコもクロスのはね返りをCHヴィクトル・グスマンがミドルシュートを放つが、ゲームは日本ペースで進む。

 27分、左SH南野のスルーパスにOH中島が走り込みシュート。わずかに右に外れたが、南野のスルーパスがすばらしい。続く28分、今度はCH遠藤から左に展開。左SB亀川のクロスにCF久保がヘディングシュートを放つ。そして33分、メキシコのCHグティエレスからCH遠藤がボールを奪い、OH中島がドリブルで前へ運ぶと、縦パスをCF久保がヒールで落とし、左SH南野がシュート。これがきれいに決まり、日本が追加点を挙げた。

 アジア予選では切れのなかった南野だったが、このゲームでは攻守にわたりよく動けている。メキシコも36分、CHグティエレスのFKにCBシルバがヘディングシュートを放つが、GK中村航輔がセーブする。日本は40分、CH原川のCKからCF久保がニアに飛び込みシュートを放つが、これはGKラフードにキャッチされた。前半は2-0と日本のリードで折り返した。

 後半の頭から日本はCBに奈良を投入。豊川に代えてCH井手口を投入し、4-3-3の布陣とする。一方メキシコは5人を一度に交代。後半は2トップをブエノとフィエーロに交代するとともに、右SHアルバレス、右SBアギーレと右サイドを交代する。GKもラフードからゴンサレスに交代した。

 3分、またも中盤でCH遠藤がボールを奪うと、左FW南野がつないで遠藤がドリブルで上がっていく。最後はスルーパスにCF久保が抜け出してシュート。しかしDFがかろうじてブロックした。後半は序盤こそ日本ペースだったが、次第にメキシコが圧力を強めてくる。16分、右SHアルバレスのクロスにFWブエノがヘディングシュート。FWにブエノが入ってメキシコにリズムが生まれた。そして24分、FWブエノからの縦パスに右SHアルバレスが走り込んでクロスを入れると、左SHシスネロスが落としてブエノがシュート。いったんはDFが身体を張ってはね返したが、再度のシュートは抑えきれない。見事にネットを揺らし、メキシコが1点を返した。

 日本は10分金森、20分鎌田を投入したが、さらに25分には右SB小泉と右SH関根を投入した。鎌田、関根、小泉ともにアジア予選では選ばれなかった選手だ。ファンウェルメスケルケン際ともども、手倉森監督はオーバーエイジ枠の活用も発表しながら、なおもU-23世代で新しい選手を試している。これは励みになる。しかしメキシコは27分、CBにブリセーニョを投入すると、いよいよゲームはメキシコ・ペースになってくる。

 27分、右SHアルバレスのクロスにCHグティエレスがヘディングシュート。31分、グティエレスのCKにCBブリセーニョがヘディングシュート。日本も35分、カウンターで攻め返す。CF久保のシュートはDFにブロックされたが、こぼれ球を右SH関根がクロス。CF久保の落としからFW金森がミドルシュートを放つ。GKゴンサレスがナイスセーブ。メキシコも40分、スローインをCFブエノが落とし、右SHアルバレスの縦パスに右SBアギーレが走り込むと、クロスをFWフィエーロが落としてFWブエノがシュート。枠を外してくれて助かった。

 アディショナルタイムにもFWブエノの強烈なミドルシュートはGK中村航輔がナイスセーブ。さらにアディショナルタイム3分にはCBブリセーニョのヘディングシュートがあったが、枠を外した。後半はメキシコにペースを握られたが、最後まで守り切って2-1。日本U-23代表がしっかりとメキシコに勝利した。

 もっとも前半のメンバーはサブ組だったかも。ブエノやアルバレス、ブリセーニョらが出場した後半は攻められる時間が長かったが、それでもしっかりと前からプレスをかけてメキシコと互角に渡り合った。いいゲームだった。五輪本番はどんなメンバーになるのかわからないが、五輪世代全体で競い合い、成熟を図っている。これは将来に向けても絶対力になる。手倉森監督とともにさらに成長しろ、U-23の選手たち。