とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

便座のない便器

 ひと月ほど前に、ちきりんがトイレットペーパーをついて投稿していた。「放置されるペーパーホルダーが示すモノ:Chikirinの日記」。大きくて円形のペーパーホルダー(そしてペーパーの一巻きもでかい)の方が世界標準だ、という内容の記事だ。

 先日、ある学校関係者から、学校のトイレはいまだに和便器がほとんどで、洋便器は1ヶ所に1つずつ位しかないという話を聞いた。なるほど、そうかもしれない。最近建設される学校は洋便器が多いのだろうが、少子化で新たに学校を新設するということも少ないだろうから、よほど老朽化しない限り、トイレは和便器のままだろう。

 今どき和便器のある家庭は少ないから、小学校に入学して初めて和便器に遭遇し、どう利用していいかわからない、なんて小学生がいるという話も聞いたことがある。そういう意味では洋便器をもっと増やして、という声はもっともだが、学校管理者の立場になって考えると、洋便器は壊れやすいなんてことはないだろうか。便座やふたの部分が割れてしまうということは家庭でもたまにあるから、特に中高生ともなれば、けっこうな頻度で破損しそうな気がする。

 それでふと思った。洋便器は便座やふたが付いているのが世界的にも標準なんだろうか。昔、公団アパートに住んでいた時には、洋便器にふたは付いていなかった。ふたはなくとも便器は使える。それで検索してみると、ヨーロッパではふたはもちろん、便座のない洋便器の方が一般的だという。やはりそうか。理由は便座があると盗難に遭うから、というんだけど、男性の小便時の利用を兼用するから便座が必要なのであって、大便時しか利用しないのであれば便座は便器と一体の固定式となっていてもかまわないような気がする。

 便座のない洋便器は中腰のまま使用するというけど本当かな。便座と一体となった固定式の洋便器をデザインできるのではないか。陶器製では冷たく硬いというのであれば、日本の技術なら便座の部分だけ柔らかい材質のものを使うということもできるのではないか。

 トイレットペーパーホルダーが世界標準になっていないというのがちきりんの指摘だったけど、便座自体も実は世界標準になっていないんじゃないのか。そして洋便器の普及を妨げているのが便座の盗難や破損であったなら、便座一体型の便器を開発すればいい。便座一体型の便器はきっと世界で普及し、日本発の世界標準になるぞ。そんなことを昨日の昼間、和便器にしゃがみながら考えていた。