とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

MS&ADカップ 日本U23対ガーナ

 五輪グループリーグで対戦する仮想ナイジェリアということで招聘したガーナ代表だったが、国内組だけのメンバーで、ガーナU23の代役になったかどうかはよくわからない。少なくともTVで煽るほど身体的な強さはなかったし、速さもびっくりするほどではなかった。熊本地震被災者を応援するゲームとしてはちょうどよかったのかもしれないが。それでも富樫や伊藤幸敏、橋本といった初召集組が結果を出したのはよかった。前田直樹や三丸など、しっかりと初召集組を出場させる手倉森采配も好感が持てる。もっとも最終的にはオーバーエイジも含めてどういう選考になるのか、現時点ではさっぱり見当がつかない。

 ゲームは序盤から日本ペースで始まる。1分、右SH野津田が思い切ったミドルシュートを放つと、6分にはCB奈良のフィードにFW浅井が抜け出してミドルシュートを放つ。ガーナも6分、左SHテッテーの落としからCHアホーターのミドルシュートを右SHブレッシングがコースを変えるが、GK櫛引がしっかりキャッチした。

 そして11分、CH大島の横パスを受けた右SH野津田がダイレクトで縦パス。FW浅野とDFが競ってこぼれたボールを左SH矢島がミドルシュート。これがきれいにゴールに吸い込まれ、日本が幸先よく先制点を挙げた。野津田のダイレクトパスがよかった。

 さらに15分、CH橋本がFKを横に流すと、右SH野津田のパスに右SB伊東が走り込み、クロスにファーサイドで左SH矢島がボレーシュート。これがネットに突き刺さり、すぐに日本が追加点を挙げる。ゲーム的にはこの2点目が大きかった。その後は完全に日本ペースが続く。20分、CH大島のフィードに右SB伊東が走り込み、クロスにFW富樫がシュート。これはDFがブロックする。25分、右SH野津田がミドルシュート。26分、矢島のCKにCB奈良がヘディングシュート。日本が一方的に攻めていく。

 そして30分、GK櫛引からのフィードにFW浅野とDFが競り合うと、こぼれたボールに富樫が詰め寄るGKやDFをうまくかわすループシュートを放つ。これが決まり、3点目。富樫は初選出で価値ある初ゴールを挙げた。さらに33分にはCH大島の縦パスをFW浅野がポストになって、左SH矢島のスルーパスにFW富樫がシュート。GKオフォリがセーブ。34分にはCH橋本の縦パスから右SH野津田が右に流し、右SB伊東のクロスにFW浅野がシュート。しかし枠を外す。

 ガーナも35分、左SHテッテーがミドルシュートを放つが、GK櫛引が正面でキャッチ。39分、FWアーサーのミドルシュート。43分、CBモハメドのロングシュートも大きく枠を外す。前半だけで3-0と日本が大きく突き放した。

 後半に入ると、日本は一気に4人を交代する。GK櫛引に代えて杉本。CB奈良に代えて岩波。CH橋本に代えて井手口。そしてFW浅野に代えて金森を投入した。3分、右SB伊東のスルーパスにFW富樫が走り込み、クロスにFW金森が飛び込むが、シュートは枠を外す。後半に入ると、ガーナのパスがつながりだし、日本も前半のようには攻めていけなくなる。前半は浅野がうまく下がってはボールをさばいていたが、後半になってその役をこなす選手がいない。逆に裏を狙って、縦に急ぎ過ぎる印象。12分、右SH野津田のスルーパスにFW金森が抜け出すが、トラップが大きくGKオフォリに抑えられる。

 13分にはCH大島に代えて右SH前田直樹を投入。矢島をCHに下げて、野津田を左SHに回す。一方、ガーナは18分、CHアホーターに代えてオセイ・バフォーを投入。このバフォー選手がキープ力もあり、中盤でしっかりとゲームを作っていく。23分、CHバフォーの縦パスをFWアダムズが落とし、FWアーサーがシュート。しかし枠を捉えられない。

 26分、左SB亀川のクロスをFW富樫が落とし、右SH前田がミドルシュート。34分には右SH前田の縦パスにFW金森が走り込み、クロスに左SH野津田がミドルシュートを放つ。さらに35分には左SB亀川に代えて三丸を投入。追加召集の選手にもしっかりとチャンスを与える手倉森采配は高く評価したい。しかしゲームはなかなか日本がチャンスを作れなくなる。

 後半も終盤になってFW富樫が下がってポスト役を務めるようになり、日本が再びチャンスをつかむようになってくる。44分、左SH野津田の縦パスをFW富樫が落とし、野津田がミドルシュートアディショナルタイム1分、右SB伊東のクロスにFW富樫がシュート。しかし枠を外す。さらにAT2分、左SH野津田の縦パスをFW富樫が落として、再び野津田がシュート。野津田も序盤から積極的にプレーし、よく存在感を示していた。結局ゲームはこのままタイムアップ。前半のスコアのまま、3-0で日本が快勝した。

 試合後、手倉森監督がオーバーエイジ枠について触れ、ポストになれるFWとサイドバック、そして攻撃的中盤の選手を考えていると言った。確かにケガ人が多い現状を見ると、補強したいポイントはよくわかる。このゲームを観ていて当確かなと思うのは、浅野と野津田、植田、岩波くらいか。富樫や伊東もいいパフォーマンスを示していたが、ようやく競争の中に入ったというところだろう。しかしこれで18名を絞り込むというのは至難の業だ。手倉森監督にはこれからトゥーロン国際などゲームを重ねる中で、最上の選択を期待したい。