とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

EURO2016準々決勝 ウェールズ対ベルギー

 ベイルとラムジーを中心に粘り強い戦いで勝ち上がってきたウェールズ。だがタレント軍団ベルギーの前でどこまでやれるか、ベイルの奮闘振りがカギと思っていた。対するベルギーはCBフェルメーレンが累積で欠場。CBデナイエルが先発。左SBフェルトンゲンもケガでCFロメル・ルカクの弟ジョルダン・リカクが先発した。

 ベルギー国境からわずか10㎞。多くのサポーターの声援を背に序盤から攻勢を仕掛けるベルギー。7分、左SHアザールの縦パスをOHデブルイネは左に展開。CFルカクのクロスに右SHカラスコがシュート。GKヘネシーがナイスセーブ。はね返りを右SBムニエがシュート。ライン上でDFがクリア。さらに左SHアザールミドルシュートもDFがブロックする。圧倒的に攻め込むベルギー。

 だがウェールズもベイルを中心にカウンターを仕掛ける。8分、左SHベイルが左に流し、左SBテイラーのクロスにCFロブソン・カヌがヘディングシュート。10分には左SHベイルがドリブルで運び、強烈なシュートをサイドネットに叩き込む。ウェールズはロブソン・カヌのワントップにベイルとラムジーが左右に開き、レドリーとアレンがボランチ。ただし4人とも自由にポジションを変えて、ベイルやラムジーが中盤に下がってくることも多い。左右のWBにテイラーとガンター。CBはデイビスとチェスター。そして左肩のケガが心配されたアシュリー・ウィリアムズが中央を固める。

 攻めてもなかなかゴールが遠かったベルギーだが、13分、押し込んだ態勢から左SHアザールが戻すと、CHナインゴランが強烈なミドルシュート。これがゴールに突き刺さりベルギーが早々と先制ゴールを決めた。

 しかしその後、ベルギーは守備を固め、自陣に下がることが多くなる。ボールを持たされて攻めあぐねるウェールズ。だが26分、MFベイルの縦パスに右SHラムジーが走り込むと、クロスに左SBテイラーがシュート。GKクルトワがファインセーブではね返す。しかしこのプレーで攻撃にリズムが出てきたウェールズは30分、ラムジーのCKにCBアシュリー・ウィリアムズがドンピシャのヘディングシュート。ベルギーのゴールネットに突き刺し、ウェールズが同点に追い付く。ゴール前でウィリアムズをフリーにしてしまうベルギーDF。フェルメーレンの欠場が痛い。

 34分にはMFベイルが単騎ドリブルからシュートを放つ。GKクルトワがナイスセーブ。42分にも左SHベイルのクロスから右SHラムジーミドルシュート。続く43分、ラムジーのCKにまたもウィリアムズがフリーでヘディングシュート。ベルギーDFが掴まりきれない。ベルギーDFが下がり過ぎてプレスがかからない。45分、右SHラムジーのドリブルからクロスにCFロブソン・カヌがヘディングシュート。GKクルトワがセーブしたが、前半はウェールズ・ペースで進む。1-1。同点で折り返した。

 押し込まれたベルギーは後半頭からCHフェライニを投入。ナインゴランをトップ下に上げて、デブルイネを右SHに回す。すると後半序盤、またベルギーがペースを取り戻す。3分、CHフェライニから右に展開。右SBムニエのクロスにCFルカクがヘディングシュート。フリーだったがゴールを外す。4分、右SHデブルイネのミドルシュートはわずかにバーの上。さらに5分、右SHデブルイネから左に展開。左SHアザールが切れ込んでミドルシュートを放つが、わずかにポストの右に外す。

 7分、右SBムニエのクロスにCFルカクが待ち構えるが、その前でCBアシュリー・ウィリアムズがヘディング・クリア。ウェールズDF陣の気迫を感じる。すると10分、自陣深い位置からMFベイルが前線へフィード。斜めに走り込んだ右SHラムジーが追い付き、クロスにCFロブソン・カヌがゴール前。DF二人に囲まれるが、うまく反転すると、CBデナイエルは通り過ぎて前はフリー。確実にシュートを決めて、ついにウェールズが勝ち越した。

 その後はウェールズが守備を固める。19分、デブルイネのFKは力なくGKヘネシーがキャッチ。26分、OHナインゴランのスルーパスに右SHデブルイネが走り込みクロス。CFルカクが待ち構えるが、その前でCBチェルシーがクリア。29分、右SBムニエの縦パスにCBアルデルフェイレルトが走り込んで、クロスにCHフェライニがヘディングシュート。しかしCBチェルシーが身体を寄せてシュートは枠に入らない。

 30分、左SBジョルダンルカクに代えて左WBメルテンスを投入。フェライニをFWに上げて、3-5-2の布陣で攻めたてる。32分、左WBメルテンスのクロスにFWフェライニが待ち構えるが、その前でCBデイビスがヘディング・クリア。34分、CHヴィッツェルのミドルシュートも枠を超えた。

 ウェールズは33分、CHレドリーに代えてキング。さらに35分、CFロブソン・カヌに代えてボークスを投入する。守備固め。ベルギーも38分、CFルカクに代えてマチュガイを投入する。そして40分、CBチェスターからのフィードに走り込んだ右WBガンターがクロスを入れると、CFボークスがヘディングシュート。何とウェールズが3点目を入れた。3-1。後は守備を固めて、そのままタイムアップ。ウェールズが戦前の下馬評を覆し、準決勝出場を決めた。すごい!

 これまでベイルの活躍で勝ち上がってきたウェールズだが、ここに来てキャプテンCBアシュリー・ウィリアムズを中心にチームの結束力が上がってきた。ラムジーが2枚目のイエローで次戦出場停止は痛いが、チーム力で準決勝ポルトガルに当たっていく。ベイルのウェールズクリスティアーノ・ロナウドポルトガルレアル・マドリードの両雄同士のゲームはどんな結果になるだろうか。今からワクワクする。