とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

リオ五輪グループB ナイジェリア対日本

 オリンピックが始まった。日本の初戦はナイジェリア。合宿地のアメリカからブラジルへ渡航できず、ようやくゲーム当日の数時間前に開催地のマナウスに着いたばかりのナイジェリアだけにもっと楽にゲームができるかと思ったが、何ともひどいゲームをしてしまった。個人能力に差がある分を組織力でカバーするはずの日本がミスを重ね5失点。特にオーバーエイジで加わったCB塩谷がまだ十分チームになじんでいない。CF興梠と周囲との連携も不十分。まずはDFラインを何とかしないと、このまま大量失点を重ねていきそうで怖い。

 日本は守備を重視して4-1-4-1の布陣。中盤を厚くして興梠をワントップに据えた。4分、CF興梠のポストプレーから左SB藤春が駆け上がり、クロスに右IH大島がシュートを放つ。しかし6分、ナイジェリアのスローインから右SHエゼキエルが右サイドを突破。DF二人を置き去りにして放ったミドルシュートはGK櫛引がはね返したが、CFウマルが詰めてシュート。ナイジェリアが開始早々に先制点を挙げた。

 しかし日本も9分、IH大島のドリブルから横パスを受けた右SH南野を左SBアムジーが倒す。これで得たPKを興梠が決めてすぐに同点に追い付いた。ところが直後の10分、右SBシェフのクロスに右SB室屋が被る形で抜かれると、左SHエテボが胸トラップで持ち込みシュート。またもナイジェリアが1点を勝ち越した。ところがところがそのまた直後の11分、左SH中島のクロスをCF興梠が落とし、IH大島のスルーパスに右SH南野が抜け出してシュート。きれいな形で日本が同点に追い付いた。何というゲーム。

 その後はようやくゲームが落ち着く。19分、左SBアムジーのミドルシュートをGK櫛引がナイスセーブ。続くCKにCFウマルがヘディングシュート。しかしこれは枠を外した。日本も24分、DFからのパスをカットした左SH中島がドリブルで持ち込み、切り返しからシュートを放ったが、DFがブロックした。

 DFラインは高いものの、中盤を厚くしてDFにはあまりプレスをかけない日本。するとナイジェリアは中盤を省略して長いボールを前線に放り込み、日本のDFラインにプレスをかけていく。ナイジェリア攻撃陣の速い寄せに苦しむ日本。そのためパスミスも多く、なかなか前にボールを運べない。そして42分、DFからのフィードをCFウマルがCB塩谷と競ると、うまくボールを収めて落としたボールを左SHエテボがシュート。当たり損ねのボールをCB植田がヘディングでクリアするが遠くへは飛ばず、そのボールにエテボが走り込んでシュート。ネットを揺らした。ナイジェリアが3点目。取られた時間が痛かった。前半は3-2のナイジェリア・リードで折り返した。

 後半に入っても同じような展開。5分、右SB室屋とCB塩谷がボールの処理にもたついた一瞬、CFウマルが間を抜いてPA内に侵入。塩谷の足がかかって日本がPKを取られた。これをエテボが決めてナイジェリアが4-2とリードを広げる。日本は8分、原川に代えてFW浅野を投入。4-4-2の布陣で攻めていく。しかしナイジェリアも16分、OHミケルの縦パスをCHムハメドが落としてミケルがミドルシュート。わずかにバーの上を越えていった。そして21分、左SB藤春にプレスをかけてOHミケルがボールを奪うと、クロスにGK櫛引がよく飛び出してボールを弾くが、左SHエテボが詰めてシュート。5-2とさらにナイジェリアが突き放す。エテボは何とこのゲーム4点目。

 日本も23分、右CB室屋が積極的なドリブルで仕掛けてクロスを入れるが、中を走り込んだ右SH南野にわずかに合わない。それでも25分、CF興梠から左に展開、左SH中島のスルーパスに左SB藤春が走り込み、クロスにFW浅野がヒールシュート。日本が1点を返す。27分にはFW興梠に代えて鈴木武蔵、さらに31分には左SH中島に代えて矢島を投入し、ゴールを狙う。

 ナイジェリアも33分、右SHエゼキエルに代えてウド。ナイジェリアの運動量が落ちて、時間を稼ぐプレーが続く。34分にはCB植田のフィードにFW鈴木武蔵がDFを背負って前を向き、抜け出してシュート。しかしDFがブロックする。ナイジェリアは42分、OHミケルに代えてサリウを投入。守りを固める。日本はDFラインからパスをつないで攻めようとするが、ミスも多く、なかなか攻め込めない。アディショナルタイムは長い5分。しかしその多くをナイジェリアが倒れたりして時間を使う。ようやく5分、右SH南野の縦パスをFW浅野が落とし、CH大島のスルーパスを受けたFW鈴木武蔵が切り返してミドルシュート。これが決まりようやく1点を返すが、反撃もここまで。5-4でナイジェリアが勝利した。

 とにかくミスが目立った日本。中でもCB塩谷にミスが多い。五輪の開会式も始まっていないうちから早々に土俵際に追い込まれた感のある日本。ついては次のゲーム、いっそのことオーバーエイジの3人をベンチに置いて、CB岩波、左SB亀川、FW鈴木武蔵を先発起用してみたらどうか。思い切った手を打たないとこのままあっという間に3連敗してオリンピックを終えることになりかねない。手倉森監督らしい思い切った采配を期待したい。