とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯2回戦 アルビレックス対関西学院大学

 昨年大学日本一の関西学院大学がJ1チームに挑戦。というよりも、グランパスが降格を争うアルビレックスの調子でも見ようかという軽い気持ちで観始めた。ところが何と関西学院の奮闘に心揺すぶられる事態に。あとわずかでジャイアントキリングを起こすところだった。そして勝利してもおかしくない戦いぶりだった。

 アルビレックス鈴木武蔵をワントップに右SHラファエル・シルバ、左SH田中達也を置き、トップ下に加藤が入る4-2-3-1の布陣。まったくレギュラーを並べたアルビレックス関西学院が真正面からぶつかっていった。3分、OH山本のスルーパスにCF青木がシュート。GK守田がセーブ。8分には右SH森がカウンターで駆け上がり、クロスを入れる。気迫あふれる守りから渾身のカウンターを仕掛ける関西学院に対して、アルビレックスのプレスも早い。8分、OH加藤のプレスでボールを奪い取ると、縦パスに抜け出した左SH田中がクロス。右SHラファエル・シルバがシュートを放つが、CB米原が身体を張る。

 その後も11分、13分とカウンターを仕掛ける関西学院。14分にはOH山本から右に流し、右SB高尾のクロスにCF青木がシュート。そして22分、CB米原からの縦パスを受けたOH山本が右に展開。右SH森が中へ折り返すと、内側を上がってきた右SB高尾がクロス。CF青木が走り込みシュートを流し込む。何と関西学院が先制点を挙げた。24分には右SH森がアルビレックスの左SBコルテースの股を抜いて駆け上がり、クロスにCF青木がシュート。枠は外すが、アルビレックスを脅かす。

 しかし27分、アルビレックスはOH加藤の落としを受けた右SHラファエル・シルバがCF鈴木武蔵に縦パス。しかしDFの足に当たってこぼれたところをラファエル・シルバが持ち上がり、落ち着いてループシュートアルビレックスが同点に追い付いた。31分には左SBコルテースのスルーパスにCF鈴木が走り込み、クロスに右SHラファエル・シルバがシュート。バーを叩いてはね返りをGK上田がキャッチした。

 すると直後の31分、またも右SB高尾が上がって、クロスにOH山本がCB舞行龍ジェームズにフェイントをかけて足を動かし、股抜きのミドルシュート。これが決まり再び関西学院が勝ち越した。すごい。アルビレックスは33分、OH加藤のFKをGK上田が弾き出す。続くCKに右SHラファエル・シルバがヘディングシュートを放つが、これは枠に入らない。前半は関西学院リードで折り返した。

 後半7分には左SB小川原のスルーパスにCF青木が抜け出してシュート。関西学院は両SBが非常に攻撃的。右SB高尾は再三、中に入ってゴール前まで上がって来るし、左SB小川原もパスの起点になっている。なかなか攻めきれないアルビレックスは後半から加藤をCHに下げて小塚をトップ下にポジションチェンジしたが、10分には小塚を端山に交代する。すると11分、CH徳永のバックパスを受けたCB岡山のトラップが大きくなったところにOH端山がプレス。こぼれ球をCH加藤が縦にパスを入れ、右SHラファエル・シルバが抜け出してゴール。アルビレックスが同点に追い付く。

 するとその直後の13分、今度はCHレオ・シルバのスルーパスに右SHラファエル・シルバが抜け出しシュート。あっという間にアルビレックスが逆転した。気持ちが切れかけたか関西学院。すると21分、何と関西学院は3人同時の選手交代を行う。CH徳永に代えて宮村。CF青木に代えて中井。そして左SH塩谷に代えて魚里を投入する。

 26分、左SB小川原のスルーパスに左SH魚里が走り込み、クロスにOH山本がシュート。アルビレックスも25分、左SH田中に代えてCF成岡を投入。鈴木武蔵は左SHに回る。33分、OH端山のドリブルから戻しをCF成岡がミドルシュート。枠を外す。すると34分、右SH森の縦パスを右SB高尾が落として、森が中に切れ込んでミドルシュート。これが決まり、関西学院が同点に追い付いた。右SB高尾はなぜあんなポジションにいたのだ? 37分にはOH山本のパスからCF中井がシュート。GK守田がナイスセーブで弾き出す。アルビレックスも38分、左SH鈴木武蔵ミドルシュート。こちらはGK上田がファインセーブ。43分、アルビレックスは右SB小泉が足を攣ってCB小林と交代する。そのまま90分が過ぎても決着がつかない。ゲームは延長戦にもつれ込んだ。

 前半から飛ばした関西学院は全体に疲れが目立つ。しかしそれはアルビレックスも同じ。4分、関西学院はまだ元気な左SH魚里がドリブルで右SB西村を抜いてミドルシュートを放つ。アルビレックスはなかなか攻めの形が作れない。6分、左SH鈴木のクロスに走り込んだCF成岡の前でCB岡山がスライディング。しかし足を攣ってそのまま動けない。関西学院は岡山をFWに置いて、山本が左SH、魚里が左SB、小川原がCBに入る。

 12分、足を攣っている岡山が右サイドへ渾身のサイドチェンジのパス。右SH森が駆け上がり、クロスにCH出岡がシュート。しかしDFがブロックする。そしてアディショナルタイム1分。CH宮村のスルーパスに走り込む左SB魚里。ゴールへまっしぐら。しかしCB小林が後ろから足をかけて倒す。小林は一発レッドカードで退場。PA手前からのFKを出岡が蹴るが、バーにはね返される。惜しい。これが決まっていれば、結果は変わっていたかも。

 すると延長後半2分、左SBコルテースが上がっていくと、クロスにCFラファエル・シルバがシュート。ついにアルビレックスがリードする。4分には左SH鈴木がシュート。GK上田がナイスセーブ。そして7分、左SH山本にCHレオ・シルバがプレスをかけてボールを奪うと、右SH成岡がシュート。これが決まり5-3。アアルビレックスが突き放した。

 しかしそれでもあきらめない関西学院。10分にはCFラファエル・シルバのシュートをGK上田がナイスセーブ。CB米原も足を攣ってFWに残る状態。岡山が何とか回復してDFラインに入る。そしてアディショナルタイムには左SH魚里のクロスにFW米原が気力でシュート。しかしボールに触るのが一生懸命。非常にタイムアップの笛が響いて勝負あり。アルビレックスが3回戦進出を決めた。

 しかし関西学院のがんばりには舌を巻いた。100%以上を出し切って、アルビレックスを苦しめた。最後は延長戦までの体力が残っていなかったが、それでもがんばる気迫に感動した。天皇杯はこれがあるから楽しい。いいゲームを見せてもらった。