とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選グループB タイ対日本

 絶対勝たなくてはいけない試合に日本は勝利したけれど、何だかすっきりしないゲーム。香川、本田とシュートミスを繰り返し、長谷部の出来も悪かった。濡れたピッチのせいかもしれないが、これからのゲームに不安を抱かせる内容。もっともこれが契機となり、でその後は尻上がりに調子を上げていくのであればいいけれど。

 UAE戦に代えて原口が左SHで先発。CHに山口、CFに浅野と選手を3人代えてきた。8分、左CKから左SH原口がドリブルでPA内に進入。クロスにCF浅野が詰めるが、GKカウィンがセーブする。12分には香川のFKをニアで右SH本田がフリックするが、ゴール前に詰める選手がいない。DFがヘディングでクリアした。

 日本は序盤、攻めていくが、圧倒的に攻めていく感がない。UAE戦とは違い、清武がいないため、OH香川が中盤まで下がってボールを引き出す動きを見せて、一方、原口は左サイドからゴール前に入っていくため、ゴール前がやや空き気味。UAE戦の詰まった感じよりはこの方がいいかもしれない。

 そして16分、左サイドからのOH香川のクロスに右SH本田が競って、こぼれ球を右SB酒井宏樹がシュート。DFがブロックする。続く香川のCKにCB吉田がヘディングシュート。DFのクリアをCB森重がシュートするが、GKカウィンの正面。このゲームもゴールが遠いかと気落ちする。すると18分、右サイド、SB酒井宏樹のクロスに左SH原口がヘディングシュート。気持ちよくネットに突き刺さり、ようやく日本が先制点を挙げた。

 その後はUAE戦の反省も踏まえて、攻め急がず、慎重にゲームを進める。そして24分、左SB酒井高徳のフィードにCF浅野がうまくDFを背負って前を向き、抜け出してグラインダーのクロス。右SH本田が走り込むが、シュートは空振り。ああ! 28分には森重がボールの空気圧の不調を訴えてイエローカードをもらう。この時間帯、日本はゲームを落ち着かせようとしているのだろうが、CH長谷部が不用意なパスミスをするなどちぐはぐな展開が続く。

 42分、右SH本田がCF浅野とのワンツーからミドルシュートを放つ。DFに当たってコースが変わるが、GKカウィンがナイスセーブ。アディショナルタイム1分。右SH本田のスルーパスに走り込んだCF浅野がいったん戻すと、右SB酒井宏樹のクロスに右SH本田がヘディングシュート。ポストか、GKカウィンのスーパーセーブか。弾かれたボールにOH香川が詰めてシュートを放つが、DFがブロックした。このゲームも追加点が遠い。前半は1-0で折り返した。

 後半序盤はタイが積極的に攻めてくる。しかし落ち着いて対応し、また日本のペースへ。8分、右SH本田のスルーパスに左SH原口がDFと競りながら走り込むが、GKカウィンがセーブした。続くCKを香川が蹴ると、DFのクリアを左サイドから左SB酒井高徳が折り返しのクロス。右SB酒井宏樹がゴール前に落として、後は密集の中、CF浅野、OH香川とシュートを蹴りこむが、タイ必死の守りにゴールは割れない。

 タイは13分、FWシローを投入する。17分、CH山口から右に展開。右SB酒井宏樹のクロスに右SH本田がシュート。しかしGKカウィンがナイスセーブ。19分、左SH原口のスルーパスにOH香川が抜け出すが、シュートはGKカウィンの身体に当てる。香川にかつてのような決定力がない。23分、左SH原口がミドルシュートを放つが、これもGKカウィンがナイスセーブで弾き出した。

 逆に最大のピンチは25分、中盤からOHチャナティップが長いスルーパス。CB吉田が逆を取られ、FWティーラシンが抜け出す。GKと一対一の状況だったが、西川がよく動かず、シュートを顔ではね返した。ナイスセーブ。30分、右SH本田のサイドチェンジから左SB酒井高徳のクロスをOH香川がヘディングシュート。枠を外す。そして30分、中盤でのボールの蹴り合いからCH長谷部が前に蹴ったパスにCF浅野が反応。CBタナブーンが処理しようとしたところを奪って抜け出しシュート。GKカウィンが手に触ったが、ボールはゴールに転がり込んだ。日本がようやく追加点を挙げた。

 タイは32分プラキット、39分ピーラパットと矢継ぎ早に攻撃的な選手を投入して攻め手来る。特に後半途中から入ったFWシローが積極的に突破を図ろうとゴリゴリと粘り強くプレーをして手こずる。35分過ぎには攻め込まれた日本が自陣でパスをつなごうとするが、タイが中盤でこぼれ球を拾い、波状的に攻めてくる。もっと大きくクリアすべきなのに。38分には左SB酒井高徳とGK西川の連携が悪く、GK西川がPAの外でタイ選手を倒してイエローカードをもらう。

 日本は37分FW武藤、41分右SH小林と投入するが、守備のバタバタが続く。アディショナルタイムに投入した左SH宇佐美が2度ほどミドルシュートを放ち、積極的なプレーを見せたが、そこでタイムアップ。結局、何とか2-0で逃げ切った。

 もっとうまくゲームを運べなかっただろうか。UAE戦の反省は左右に幅を使った攻撃や先制後の落ち着いたパス回しに現れてはいたが、もっと早く追加点を挙げていれば、もっと楽に戦えたはず。そして2点をリードしながらの守備のバタバタも何とかならなかったのか。いずれにせよ、とりあえず第1クールは終わった。1勝1敗は最低限の成績。来月にはイラク、オーストラリアとの対戦が待っている。ここで最低でも1勝1分で乗り切りたい。それまでにはヨーロッパ組のコンディションも上がっているだろうか。日本にとってW杯最終予選突破は全然楽な仕事ではない。そう肝に銘じてがんばってほしい。