とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

皇后杯決勝 アルビレックス新潟レディース対INAC神戸レオネッサ

 昨年に続いて4度目の挑戦。今度こそ皇后杯を手にしたいアルビレックスの前に昨年女王のレオネッサが立ちはだかる。昨年は引退を決めていた澤の劇的な決勝ゴールでレオネッサが優勝を決めた。アルビレックスは今季引退を決めたCH山田選手が先発。ベンチのGK小金丸と斎藤も今季引退を表明している。アルビレックスにとっていい結果になるといいと願った。

 ゲームはそんな選手の気持ちもあってか、序盤からアルビレックスが押し込んでいく。2分、左SH八坂がミドルシュート。10分、レオネッサのCHチョソリョンからのパスを左SH八坂が奪い、FW大石のキープから左に流して八坂がミドルシュートを放つ。レオネッサも次第に技術を生かして押し返し、互角の展開となっていくが、アルビレックスの守りもしっかりとしている。

 18分、左SH八坂の縦パスに走り込んだFW上尾野辺がミドルシュート。GK武仲がナイスセーブ。弾いたボールにFW大石が詰めるが、うまく合わせられない。レオネッサも24分、CF大野のポストプレーから右IH中島がドリブル。ミドルシュートを放つがバーにはね返される。左SH京川が詰めてシュート。しかし大きくバーを越えてしまった。決定的なチャンスを逃し合う両チーム。

 それでも勢いはアルビレックスにある。35分、左SH八坂から左SB渡辺がDFをかわして駆け上がり、クロスを入れるが、FW大石が届かない。36分、レオネッサのCH伊藤からCB田中へのパスをFW大石がカット。ドリブルから左に流して、FW上尾野辺のクロスに右SH佐伯がシュート。しかしGK武仲がよく詰めてブロック。こぼれ球をもう一度佐伯がシュートするが、これもDFがブロックした。40分には中盤での争いからCHチョソリョンの縦パスに左SH京川がGK福村の前に走り込み、ボールを戻してCF大野がシュート。しかし枠を外した。前半は両チーム、チャンスがあったもののスコアレスのまま折り返した。

 レオネッサは後半頭からCH伊藤を杉田に交代する。するとレオネッサがペースを握って攻めていく。7分、中島のFKから左SH京川がヘディングシュート。8分、CH杉田がミドルシュート。13分にはCH杉田のクロスを右IH中島がヘディングでつないでCF大野がシュート。さらに17分、左SH京川のスルーパスにCF大野が走り込みクロス。右SH高瀬がヘディングシュートを放つが、ポストを直撃。なかなかゴールが決まらない。

 アルビレックスは14分、CH山田に代えて高橋悠を投入。澤のように山田が決勝ゴールを入れることは無くなった。レオネッサは21分、大野に代えて増矢を投入。しかしこの交代によりゴール前でボールを捌かれる脅威はなくなった。アルビレックスは30分、右SH佐伯に代えて斎藤を投入。斎藤も今シーズンでの引退を決めている。

 後半もレオネッサの攻勢を凌ぐと、次第にアルビレックスが互角に押し返していく。40分、GK福村からのフィードを右SH斎藤が落とし、FW上尾野辺のキープから落としをCH阪口がミドルシュート。しかしDFがブロックする。レオネッサもアディショナルタイムの48分、CF増矢がミドルシュート。続くCKに右SH高瀬がヘディングシュートを放つが、枠は捉えられない。結局90分戦って、勝敗は延長戦にもつれ込んだ。

 延長戦前半は互角の戦い。13分にはFW上尾野辺のドリブルからミドルシュートはDFがブロック。こぼれ球を左SB渡辺がミドルシュートを放ったが、枠は捉えられない。ややアルビレックスの方が押していたが、無得点のまま前半を終える。延長後半2分、アルビレックスは左SH八坂に代えてFW高橋美由紀を投入。レオネッサも4分、高瀬に代えてCF道上を投入。増矢が右SHに入る。延長後半はレオネッサが押し込んでいく。

 3分、右IH中島のクロスには左IH杉田、左SH京川と飛び込むが、わずかに合わない。8分、左IH杉田のスルーパスを道上が落として、右SH増矢がミドルシュート。10分、右IH中島のミドルシュートはバーにはね返される。詰め寄った道上の前でCB中村がクリア。11分、中島のCKをCB田中が折り返し、CF道上の落としから右SH増矢がシュート。GK福村がナイスセーブ。

 レオネッサの猛攻が続く。14分、左SH京川のスルーパスにSH増矢が走り込みクロス。CF道上が走り込むが、その前に右SB小原がスライディング。こぼれたボールをGK福村が抑えた。さらに16分、右SH増矢の仕掛けからシュートはGK福村がファインセーブ。続くCKにCB田中がヘディングシュートを放つが、枠を捉えられない。そしてついにタイムアップ。守り切ったアルビレックス

 勝敗はPK戦に移る。これもまた接戦。アルビレックスの先行。1番手のCB中村楓をGK武仲がセーブ。レオネッサも中島が外す。2番手、阪口も外す。ようやくレオネッサの2番手、杉田が決めると、左山、京川、上尾野辺、チョソヒョン、大石と連続して成功。最後の田中が決めればレオネッサが勝利。ところが田中も外す。これで3対3.勝負はサドンデスに移る。そして一人目、斎藤が決めると、道上はGKをよく見てコロコロシュート。大胆に決めると、元レオネッサの選手である渡辺が外してしまう。最後は増矢が落ち着いて決めて5-4。レオネッサがPK戦に勝利して皇后杯連覇を決めた。

 アルビレックスは残念。またも決勝戦で涙を飲んでしまう羽目となった。しかしここまで本当によくやった。ベレーザを破り、レオネッサをPK戦まで追い詰めた。負けて全くやり残した感はない。今季で引退する選手達にもいい思い出ができたことだろう。