とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

天皇杯決勝 鹿島アントラーズ対川崎フロンターレ

 悲願の初タイトル、天皇杯優勝を目指したフロンターレだったが、またも夢はかなえられなかった。風間監督へ、大久保へ、タイトルを贈っての送り出しはかなわなかった。何が足りないのだろう。アントラーズとの違いは何だろう。伝統の力とマスコミは言うけれど、何かが足りない。勝利はやはり守備の先にあるのだろうか。最後はアントラーズが守り切って、5度目の天皇杯を手にした。

 フロンターレは累積欠場のエドゥアルド・ネットに代えて大島を登用。アントラーズは金崎が体調不良でベンチにも入れず。代わりに土居と赤崎の2トップ。柴崎は左SHで先発した。序盤から攻め込むフロンターレ。4分、右WBエウシーニョが切り返しからミドルシュート。14分には、CF大久保が積極的にミドルシュート。DFのはね返りを大久保が受けて、右FW小林とのワンツーで抜け出し、ゴール前に詰めた左FW登里にクロスを贈るが、GK曽ヶ端にセーブされた。

 18分、CF大久保が中盤下まで下がって、長いフィード。DFのクリアを左FW登里が拾って、縦パスを右WBエウシーニョが落として、右FW小林がシュート。GK曽ヶ端がセーブする。アントラーズは22分、右SH遠藤のFKを左SB山本がヘディングで戻して、右SB西がヘディングシュート。これがアントラーズ最初のシュート。しかし小笠原を中心にしっかりと守備をしていく。

 28分、CH中村憲剛のスルーパスに右FW小林が走り込み、クロスに左FW登里がヘディングシュート。アントラーズは36分、左SH柴崎のスルーパスを受けた左SB山本のクロスに、右SB西がヘディングシュート。ネットを揺するが、山本がオフサイドの判定。フロンターレは38分、CF大久保がCH中村憲剛のスルーパスにDFの間を割って走り込み、クロスを入れるがCB植田がクリアする。

 そして42分、右SH遠藤の速いクロスに左SB山本が戻りながらも強いヘディングシュート。ネットを揺すり、アントラーズが先制点を挙げた。山本は大一番で強い。このゲームも得意のヘディングシュートでゲームの主導権を掴んだ。前半は1-0。アントラーズのリードで折り返した。

 後半頭からアントラーズはゴールを挙げた右SB山本に代えてファンソッコを投入する。守備を固めたか。対するフロンターレは登里に代えて左SH三好。布陣も4-4-2に変更して攻めていく。すると9分、中盤でのFKをCH大島が早いリスタート。前線へのフィードをFW小林がスルーして、左SH三好がスルーパス。小林が走り込みシュート。一瞬のチャンスをモノにしてフロンターレが同点に追い付いた。

 その後は互角の展開が続く。13分、右SHエウシーニョのドリブルからCH大島が右に流して、FW小林がシュート。DFがブロック。アントラーズも16分、左SH柴崎のスルーパスにFW赤崎が走り込んでシュート。これはGKチョンソンリョンが正面でキャッチした。20分、左SH三好の大きなサイドチェンジにFW小林が走り込み、ドリブルから切り返してシュート。しかしポストに弾かれる。惜しいチャンス。アントラーズは22分、FW赤崎に代えて鈴木優磨を投入する。

 29分、CH永木がミドルシュート。36分、CH大島がミドルシュート。ゲームはやや膠着状態。42分、CH中村憲剛から右に流して、走り込んだFW小林がFW大久保に向けてクロス。しかしDFがブロックした。その直後の43分、アントラーズはCH小笠原に代えてファブリシオを投入する。これが結果的に勝負を決めた。ゲームは延長戦に突入した。

 延長前半3分、CB植田のフィードに、右SB田坂が被った形になり、FWファブリシオがシュート。CBエドゥアルドが何とかクリアする。続く遠藤のCKに右SB西がヘディングシュート。バーを叩く。DFが大きくクリアし、これで終わるかと思った4分、CH永木が再びヘディングでゴール前に入れると、FW鈴木がヘディングでつなぎ、右SB西は倒されたものの、こぼれたボールをFWファブリシオがシュート。ネットに突き刺し、アントラーズがまた勝ち越した。

 9分にも遠藤のCKからFWファブリシオがヘディングシュート。ポストを叩く。アントラーズは守りつつもカウンターで攻める。反撃したいフロンターレは8分、右SB田坂に代えてCH森谷を投入。エウシーニョを右SBに下げて、中村憲剛をトップ下に上げる。12分、左SBファンソッコがドリブルで上がり、クロスにFWファブリシオがシュート。これはGKチョンソンリョンが正面でキャッチ。ここで延長前半を折り返した。

 フロンターレは延長後半頭、FW森本を投入する。1分、左SH三好のミドルシュートはポストの右。しかしアントラーズが守る。6分には左SBファンソッコがミドルシュート。DFにブロックを左SH土居がシュート。8分にはCH柴崎のスルーパスに右SH遠藤が走り込み、クロスにFW鈴木が走り込む。DFがクリア。フロンターレは必死に攻めていくが、アントラーズが落ち着いて守る。守り切る。そしてタイムアップ。アントラーズ天皇杯優勝を飾った。

 やはりアントラーズは強かった。戦い方を知っていた。守りの共通理解、そしてチームとしてのまとまりの良さを感じた。一方、フロンターレは速いパスがテンポよくつながる場面もあったが、アントラーズの守備を崩し切れなかった。そしてフロンターレも粘り強く守ったが、ここぞという場面でアントラーズのセットプレーが強力。守り切れなかった。でもいいゲームだった。フロンターレの後任監督は誰だろう。風間監督が退任する今季はどんなサッカーを見せてくれるのか。アントラーズは盤石のチームに育っていくのか。今季のリーグ戦もまた楽しみだ。