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とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

サッカー監督図鑑

 文字どおり「図鑑」。世界176人の監督を網羅的に紹介する。順番は国名順。最も多いのはスペインの22人、ついでイタリアの21人。その次に多いのが、ドイツ、オランダ、ポルトガルの14人だが、若手が魅力的なのはポルトガルモウリーニョが代表格だが、ビラス・ボアスに続いて、マルコ・シルバやモナコ監督のジャルディムといった40歳前後の監督が多く紹介されている。ユーロ2016でポルトガルを見事優勝に導いたフェルナンド・サントスはあのブラジルW杯でギリシャを率いて日本戦をドローに持ち込んだベテラン監督だ。

 監督名の右側に「日本代表お勧め度」が付いている。上記監督はモウリーニョを除いていずれも「A」評価。ちなみに現ボスニア・ヘルツェゴビナ監督のバスダレビッチのところには「ハリルホジッチより上と見た」と書かれているが、「日本代表お勧め度」は「B」。うーん、ハリルホジッチはどんな評価なんだ。

 最後に日本人監督10人を評価。その中ではFC今治吉武博文監督が唯一のA評価。筆者の独断による評価だが、「あとがき」では「代表の監督選びをもっとみんなで楽しみましょう」(P220)と書かれている。そのためにも、世界の監督のことをもっと知らなくては。普段ゲームを観る機会の多いプレミアリーグブンデスリーガ以外の監督のことはW杯でもないと知る機会がないが、こうしてみると、世界には多くの有望な若手監督がいる。筆者の言うとおり、良い監督がいてこそ良い選手が育ち、チームも強くなる。風間監督はどうなんだろう? ハリルホジッチは? そして次はどんな監督が現れるのだろうか。どんなサッカーが見られるのだろうか。

 

 

〇選手のレベルだけ高くても、サッカーは強くならない。監督のレベルも、それと同じぐらい上がらなければダメだ。監督は選手を指導する立場にあるので、選手と同じレベルでは物足りない。選手のレベルを超える監督でないと、選手のレベルは上がらない。・・・サッカー発展の陰に監督在り。サッカーを構成する各要素の中で、最大の功労者ではないかと僕は見ている。(P007)

〇ボール支配率は55対45.ザックジャパンペケルマン率いるコロンビアにボール支配率では上回った。が、結果は1-4。・・・日本にボールをつながせ、真ん中に入りがちになるところを奪う。そして、奪った反動を利して押し寄せる。奪い方、奪う場所にたけたサッカーと、奪われ方、奪われる場所に頓着ないサッカーとの差が、スコアになって現れた。奪い方、奪われ方にこだわるサッカー。守備的サッカーとは違う。(P022)

〇70年代前半、リナス・ミホルスが提唱した「トータルフットボール」と、80年代後半、アリーゴ・サッキが提唱した「プレッシングサッカー」は、サッカー界における2大発明と言われるが、その後に与えた影響で言えば、ヒディングの「4-2-3-1」と「戦術的交代」も負けてはいない。近代サッカー史に大きな影響を与えた監督の1人だ。(P073)

モウリーニョには哲学がない。・・・何でもありだ。・・・試合によって、相手によって戦い方を変える。・・・カメレオンのような臨機応変さ。こだわりのなさを逆利用している点に、最大の特徴がある。ポルトチェルシーインテルではそれが可能だった・・・が、マドリーではそうはいかなかった。王者のサッカーを求められたからだ。・・・次の選択肢は多いようで、少ない。・・・欧州屈指の名将だ。欧州トップ10クラブにとどまっていたいはずだが、モウリーニョの特性を生かせそうなクラブは、思いのほか数少ない。(P188)

バルサのようなサッカーがしたいのだけれど、実際にはなかなか―と、あるJクラブ経験者は言う。理想と現実の狭間で葛藤していたが、吉武監督はそれを躊躇うことなく実践。鮮やかに決めた。クライフ・イズムとは何かを、日本で誰よりも把握している監督。感覚的ではなく、具体的に。そう断言できる。それが披露されたのは13年のU-17W杯。(P210)