とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯最終予選第7戦 日本対タイ

 サッカージャーナリストの後藤健生氏がタイ戦を批判的に書いていた。4-0で勝利したのにナゼ? このところ飲み会が続いてゲームが見られなかったが、ようやく昨日、録画を観た。後藤氏の批評がよくわかった。日本はケガの大迫、今野に代えて、CF岡崎とCH酒井高徳が先発した。酒井高徳、なるほど。チームでも最近CHで起用されることがよくある。だが結局、日本の苦戦の原因はこの中盤でうまく連携ができなかったせいかもしれない。タイは大柄なアディサクと小柄なチャナティップを2トップで起用する4-4-2。

 序盤からタイが積極的に攻めてくる。6分、左SBビーラパットのクロスをCH山口がはね返すと、こぼれ球をFWチャナティップがミドルシュート。CH山口がブロックした。すると8分、CB森重のフィードに右SH久保が抜け出し、クロスにOH香川が切り返しでDFを滑らせて、ミドルシュート。ゴールネットを揺らし、日本が幸先よく先制点を挙げた。

 しかしその後もタイの積極的な姿勢は変わらない。日本は18分、左SH原口が中へドリブル。縦パスをOH香川が落とし、CH山口がミドルシュート。GKカウィンがナイスセーブを見せる。すると19分、CKのクリアを拾った左SB長友がフィード。セットプレーで残っていたCB森重がポストとなって、右SH久保のクロスにCF岡崎がニアに飛び込むヘディングシュート。これが決まり、日本が追加点を挙げる。

 27分にはCB森重のフィードにCF岡崎がナイストラップからミドルシュートを放つ。タイも28分、CHワッタナがミドルシュート。29分にはCB吉田のフィードに抜け出した右SH久保のクロスを左SH原口が落として、OH香川がシュート。しかし日本にミスが多い。タイが早いプレスで日本のパスミスを受けては攻めてくる。

 35分、右SBトリストン・ドーのアーリークロスから右SHティーラシンがミドルシュート。GK川島がナイスセーブ。アディショナルタイム1分には、左SBビーラパットのCKから右SHティーラシンがボレーシュート。GK川島がファインセーブ。はね返りを打ったFWアディサクのシュートもDFがブロックした。前半は日本が2ゴールを挙げたものの、中盤以降はミスが多く、タイが積極的に攻めて、日本は受け身に回った。

 後半に入ってもタイが積極的。3分、右SHティーラシンのFKはバーの上。6分、CKからFWアディサクのシュートはDFがブロック。はね返りをFWチャナティップがミドルシュート。GK川島がファインセーブを見せる。続くCKをはね返した右SB酒井宏樹のヘディングは短く、右SHティーラシンがヘディング前に送ると、CB吉田が気を緩めた背後に左SHシローが回り込みシュート。幸い枠を外したが、危ないシーンだった。

 パスミスが多い日本。だが12分、右SB酒井宏樹スローインを受けた右SH久保が横にドリブルしてミドルシュート。これがゴール右隅に決まり、日本が3点目を挙げる。見事なシュートだった。しかしボールの収まりどころがなく、攻守ともに落ち着かない日本は21分、左SH原口に代えて本田を投入する。すると24分、左SH本田のスルーパスにCF岡崎が抜け出すが、GKカウィンが先にセーブする。タイも25分、FWアディサクがミドルシュート。GK川島がキャッチする。28分には左SHシローに代えてヌルンを投入。日本も29分、OH香川に代えて清武を投入する。

 33分、右SHティーラシンの縦パスをFWチャナティップが左に展開。FWアディサクがシュートを放つ。日本も35分、左SH本田のクロスがDFに当たってファーサイドに流れると、右SH久保がボレーシュート。GKカウィンがセーブする。そして38分、OH清武のCKにCB吉田が高いドンピシャのヘディングシュート。これがネットを揺すり、4点目を挙げる。日本は39分、右SH久保に代えて左宇佐美を投入する。すると40分、左SBビーラパットのクロスのSB長友がクリア。だがCH酒井高徳に当たってこぼれると、拾おうとした右SHティーラシンを左SB長友が倒してしまう。PK。しかしティーラシンの蹴ったPKはGK川島が止めた! そしてタイムアップ。4-0。日本が勝利した。

 確かに点差こそ4-0だが、内容的にはタイの方が上回っていたかもしれない。ただ個人能力で4点。ヨーロッパで揉まれる中でそれだけの能力が身に付いたことは喜びたいが、我々が見慣れたパスを回すサッカーはハリルホジッチが目指すところではないようだ。CBのフィードに右SH久保が抜け出してのクロス。そしてシュート。確かに縦に早いが、押し込まれた時になかなか前に進めない。ケガによる人材不足、連携不足が原因だろうか。まずは長谷部の復活を望みたいが、個人能力頼みのサッカーでは早晩底が知れる。ヨーロッパや南米の強豪国とも互角で戦えるチーム作りは、まずはW杯出場を決めてからということだろうか。