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とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

退職記念旅行は、東北でよかった(その1)

 「東北でよかった」と言って、辞任した大臣がいた。その後、「#東北でよかった」がSNSでブームになった。ちょうどその頃、定年退職して、記念の旅に出た。大臣の発言は予想もしていなかったが、桜を追いかけて北上する旅は、本当に「東北でよかった」。

 4月23日(日)に金沢で友人に会うというのが第一の目的。そのため22日(土)の朝8時に家を出た。小牧東ICから中央道、土岐JCT東海環状道に乗り換え、関JCT東海北陸道に乗る。そのままどこで休憩することもなく、白鳥JCTから中部縦貫道に入って白鳥西ICで降りる。中部縦貫道の無料区間をぐんぐんと昇り、いくつかのトンネルを抜けて福井県側に出たところで、一般国道158号になった。

 左側に九頭竜湖の水面が見え始める。「九頭竜万本さくら」は桜の名所と書かれていたが、まだ咲いていない。それでもチラホラと花がついた桜の前で写真をパチリ。それからしばらく行くと、九頭竜ダムが見えてきた。管理支所の展示室でトイレを借りて、電話で職員を呼び出してダムカードをもらう。

 それからまたクルマを走らせる。桜は咲いていない。と、15分余りで越前大野へ到着。駐車場から大野城が見える。だがこちらの桜はもう終わりかけ。九頭竜湖大野市の間で桜前線を越えてしまった。

 大野ではまっさきに「そば処七間本陣」に向かう。が既に満席。「しばらくかかる」と言われるが、待つことに。そして食べたのが「本陣そば七間盛り ごまつゆ・おろしつゆ」。他に、温かい「たぬきつゆ」にも惹かれたけど、「ごまつゆ」で正解。おいしかった。

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 それから七間通りをまち歩き。里芋コロッケはもう売り切れだったので、伊藤順和堂本店で「いもきんつば」を買う。店内で食べたが、これがおいしかった。通りは町家造りの商家が並ぶ。途中に水が湧く七間清水があって、いかにも越前大野らしい。観光協会でマップをもらい、寺町通りを北上。右側に寺、左側の路地の間から大野城が見える。しばらく歩くと今度は左に折れて、石灯籠通りを西に向かう。名前のとおり、石灯籠が並び、レトロな洋風建築を過ぎると、石灯籠会館清水があって、北側をぐるりと回ると「武家屋敷旧田村家」。入館料は200円だが、大野市内の8施設を入館できる500円のパスポートを買う。3館以上入らねば元を取れない。

 旧田村家は大野家の家老を務めた田村又左衛門の屋敷だが、受付の女性が「1830年頃に移築された建物で、内山家よりもこちらの方が古いんですよ」と説明をしてくれた。今回の旅行、北陸・東北の人たちはみんな総じて親切だった。

 田村家を出て、次は「武家屋敷旧内山家」へ向かうが、その前にモダンな現代建築が建っている。通りかかった女性が「案内しましょうか」と話しかけてくる。「この現代的な建物は何ですか」と聞くと、「公民館と小学校。九州の有名な建築家が設計した」と言うので調べたら、「大野市シビックセンター(学びの里「めいりん」)」で設計は葉祥栄。有終西小学校と生涯学習センター、大野公民館などが一体的に建築されている。お濠沿いに長く伸びる部屋と、T字型に奥へ延びる教室群がきれいだ。正面には「明倫」と書かれた石碑と二宮金次郎の石像が置かれている。

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 その手前にあるのが「武家屋敷旧内山家」。明治15年に建築された屋敷とのこと。2階の座敷から庭を眺め、それから大野市民俗資料館へ向かう。こちらは明治22年に大野治安裁判所として建てられた建物で、様々な道具などが展示されている。これで3館。さらに越前大野城へ登っていく。急いで登って約10分。天守閣前の桜はまだ少し花をつけていた。眼下には大野市シビックセンター。そして市街地の先に、日本百名山荒島岳(別名・大野富士)と白山が白い雪を被って見える。

 城山を下って駐車場に戻り、次は「御清水(おしょうず)」へ移動。越前大野へは10数年前に一度、雪の季節に会議で行ったことがある。その時にここで森まゆみ氏と会話した記憶がある。その時は雪の中にひっそりとあったが、今回は住宅地の中に忽然といった感じ。屋根囲いの中に細長く静かに水が流れ、上流から飲用、野菜洗い、洗濯場と用途が書かれている。

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 今夜の宿は、小松市の赤穂谷温泉。パンフレットに「山峡の静かな一軒宿」と書かれていたが、実は田園地帯が途切れた山裾の集落の中に他の住宅と一緒に並んでいる。少し意外だったが、建物の中に入れば別天地。山菜や猪肉などを中心とした料理は心がこもっている。山菜とタケノコの季節で、裏山で朝取りしたタケノコの刺身や煮物は本当においしかった。そして窓の下は池。たくさんの鯉が泳いでいる。夕食に並んだ鯉の洗いと鯉こくはこの池から捕ったのか。でも誰もそのことは言わなかった。

 「退職記念旅行は、東北でよかった(その2)」に続く。