とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第16節 横浜FC対名古屋グランパス

 J2で戦っていると、かつてグランパスと所縁のあった選手などが相手チームにいて感慨深い。横浜FCには津田が今季ヴォルティスから移籍して先発。また中田監督もかつてグランパスのコーチ・監督を務めていた。そして何より横浜FCと言えば、前身はフリューゲルス。GK楢崎の古巣ではないか。と思ったけど、2007年に横浜FCがJ1に在籍していた当時、グランパスと対戦しており、楢崎が対戦するのは10年ぶりだそうだ。グランパスの先発はワシントンが復帰し、CBに磯村に代わって酒井が入った以外は第14節、町田ゼルビア戦と同じ。一方、横浜FCはイバをワントップに据える3-4-3。CB中央にはかつてエスパルスにいたヨンアピンがいる。津田はシャドーストライカーで先発した。

 開始1分、CHワシントンがCFイバに振り切られそうになってイエローカードをもらう。5分にはCFイバを左SB内田が倒してFK。これはGK楢崎がキャッチしたが、8分、同じく左SB内田がCFイバを倒してFKを献上。これをイバが直接決めて、横浜FCが先制点を挙げる。10分にはCFイバを今度はCB櫛引が倒しイエローカード。CFイバの突進力、身体の強さ、そして守備の強さに苦戦するグランパス。序盤こそグランパスがパスを回したが、次第に横浜FCのプレスの前に攻めあぐねていった。

 逆に横浜FCは24分、CH中里のロングスローからCH佐藤がヘディングシュート。わずかにバーを越えるが、ゴール前で佐藤をフリーにした。それでも28分、FW杉森の仕掛けから左SH和泉が落とし、CH田口のスルーパスにFW杉森が切り返してシュート。GK高丘にキャッチされるが、ようやくグランパスがいい形を作った。これがグランパスの初シュートだったかもしれない。30分には左SH和泉がミドルシュートを放つが、枠を外す。前半はCFイバへの対応に苦慮し、攻めあぐねている間に45分が終わった。

 グランパスは後半頭から左SB内田に代えて左SH杉本を投入。和泉を左SBに下げて積極的な仕掛けを促す。6分、CH佐藤のFKからCFイバがシュート。しかしCB櫛引がブロック。次第にDF陣がイバ対応に慣れてきた。そして10分、左SB和泉がドリブルで上がり、PA内に仕掛けていくと、対応したCBヨンアピンがブロックしたボールがはねて手に当たる。PK。やり直しもあってFWシモビッチが2回蹴ったが、二度とも右サイドに決めて、グランパスが同点に追い付いた。

 その後は互角の展開。横浜FCは14分、左FW津田に代えてジョンチュングン。グランパスも23分、右SH玉田に代えて八反田を投入する。25分、CH田口のFKはゴール前を横切る。30分、右SB宮原のクロスも左SH杉本が飛び込むが、わずかに届かず。しかし攻めるグランパス。そして32分、FWシモビッチのポストから落としたパスをCH田口がドリブル。FW杉森に当てて落としたボールを受けて田口がさらにPA内へ、CBヨンアピンと右WB新井の間に入っていくと、たまらず挟んで倒してしまう。PK。これをFWシモビッチが今度は左サイドに決めて逆転した。

 40分にはCH佐藤の右SH八反田に対するタックルが危険とされてレッドカード。佐藤には厳しい判定だったが、これで横浜FCが一人少なくなった。43分、CH中里のFKはすばらしく右サイドを襲ったが、GK楢崎がファインセーブ。37分にはCFイバを大久保に代えて攻めていったが、グランパスが落ち着いて対応。最後まで守り切って、グランパスが2-1と逆転勝利を挙げた。

 主審の判定に助けられたところもあり、PK2発での逆転勝利だったが、グランパスの攻める姿勢が勝利を導いた。一時よりもだいぶ攻撃に変化ができてきた。狭い局面で詰まった時に長いボールで局面を変えたり、積極的な仕掛けやクロスなど、ゴールへの可能性が感じられるようになってきた。それでもまだ、ゲーム序盤は相手の特長にうまく対応できず、失点をしている。それもリーグ後半の二度目の対戦では克服してくれるだろうか。その前に6月にはヴェルディアビスパ、さらに7月に入ってベルマーレとのアウェイゲームが控えている。首位に立ったとはいえ、これからがリーグ中盤の正念場。まずは次のツエーゲン金沢戦で楽しいゲームを見せてほしい。