とんま天狗は雲の上

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U-20ワールドカップ 決勝トーナメントベスト16 ベネズエラ対日本

 ベスト16でベネズエラに敗戦してしまった日本U-20。グループリーグの戦いぶりから十分勝ち抜けるだけの実力もあると思ったが、ショックもあってしばらくビデオを観る気持ちになれなかった。今ビデオを観て、ベネズエラの能力の高さを実感するとともに、小川航基の離脱が大きかったなと思った。慎重な立ち上がりは功を奏したが、最終的には攻撃的に転じることができず、敗れてしまった。攻撃の枚数が1枚足りなかった。

 小川がいないFWで岩崎とコンビを組んだのは高木。2試合ぶりに左SH三好が先発した。また左SB杉岡を2戦連続して起用したのは守備への意識からだろうか。ベネズエラは4-2-3-1。トップ下に小柄なソテルド。左SHのペニャランダもドリブルが好きなテクニシャンだ。序盤、ベネズエラが攻めていく。5分、左SHペニャランダが右SB藤谷を抜いてミドルシュートを放つ。11分、日本も右SH堂安のサイドチェンジから左SB杉岡がクロス。左SH三好がシュートを放った。

 グループリーグでの序盤の失点を踏まえ、守備的に慎重な立ち上がりをした日本だが、次第にベネズエラの強いプレスや攻撃に対応し、自分たちの時間を作っていく。それでも18分、OHソテルドのスルーパスに右SBロナルド・エルナンデスが抜け出してシュート。続くCHルセーナのCKにCHエレーラがヘディングシュート。エレーラは今年2月にマンチェスター・シティに移籍した逸材。現在はニューヨーク・シティFCにレンタルされているが、ベネズエラ代表でもプレーしている。19分にもCHエレーラのスルーパスにOHソテルドが抜け出してシュート。GK小島がナイスセーブを見せた。

 しかし日本も次第に攻め始める。22分、右SH堂安がドリブルからロングシュートを狙うと、29分、右SH堂安が倒されて得たFKを堂安自らがシュート。バーにはね返される。FW岩崎が詰めてシュートを放ったが、枠を捉えられなかった。33分にはCH市丸のクロスにFW岩崎がヘディングシュート。さらに39分、CH原の縦パスに走り込んだ左SB杉岡のクロスにFW高木がシュート。これはわずかにポスト左に外した。前半終盤は日本がパスを回してペースを掴んだが、チャンスにゴールならず。スコアレスで折り返した。

 後半の序盤もまたベネズエラが攻勢に出る。4分、左SBホセ・エルナンデスのクロスにCFペーニャがヘディングシュート。日本は9分、この日精彩のなかった左SH三好に代えて遠藤を投入した。日本もパスを回して反撃。そして12分、CH市丸の縦パスから右SH堂安がスルーパス。FW高木がシュート。しかしGKファリニェスの好セーブに阻まれた。なかなか前で収まらない日本は18分、FW高木に代えて久保を投入する。しかしベネズエラのプレスの前に守る展開が続く。

 21分、CHルセーナのCKにCHエレーラがヘディングシュート。23分、右SHコルドバミドルシュートはGK小島がナイスセーブ。25分、CHエレーラがミドルシュート。日本もようやく26分、FW久保のクロスに左SH遠藤がミドルシュートを放つが、枠を外す。ベネズエラは25分過ぎ位からソテルドを左SHに回してペニャランダをFWに上げ、4-4-2に布陣を変更。さらに圧力を強めてくる。31分にはCHルセーナのFKをCBファラレシが落とし、CFペーニャがシュート。GK小島がファインセーブした。31分、日本はベネズエラの2トップに対抗して、CH市丸を板倉に交代する。しかしもう一人のボランチ原もどちらかと言えば守備的。攻めに変化が生まれない。アディショナルタイムには右SH堂安のCKからCB中山がヘディングシュートを放つが、枠の外。90分を終えてゲームは延長戦に突入した。

 延長前半6分、FW久保の縦パスに抜け出した左SH遠藤がクロス。FW岩崎が走り込むが、シュートは打てない。ベネズエラは7分、FWペニャランダに代えてチャコンを投入する。9分、CHエレーラがミドルシュート。日本も12分、右SH堂安から縦パスをFW久保がつなぎ、FW岩崎の落としから堂安がシュート。しかし枠を外す。延長前半もお互いゴールなく、ゲームは延長後半に入った。

 延長後半はベネズエラがキックオフから長いボールを蹴り込むと、CB冨安がベネズエラ選手を背後からプッシュ。これをファールに取られてFK。続いてスローインベネズエラのセットプレーが続く。そして3分、CHルセーナのCKにCBファラレシがヘディングシュート。ファラレシの身体に当たってゴールラインを割ったと思ったが、なぜかもう一度CKの判定。続くCHに今度はCHエレーラがヘディング。ニアに走り込んだCBファラレシにCB冨安が一瞬付いていこうとしてエレーラとの距離が離れたところでエレーラがヘディング。シュートはゴール左隅に吸い込まれ、日本が先制点を許してしまう。

 その後は6分、右SB藤谷のクロスにFW岩崎が走り込むが、DFが手前で触ってシュートを打てず。日本は6分、FW岩崎を田川に交代。ベネズエラも延長後半に3人の選手交代。さらに右SHコルドバが足を攣って倒れ込むなど、ベネズエラがうまく時間を使って日本に攻撃の機会を与えず。そのままタイムアップ。1-0で日本のベスト16敗退が決まった。

 ドイツとメキシコがいるグループリーグを失点ゼロの3連勝で勝ち上がってきたベネズエラの方が実力は上だった。が、その差はけっして大きくはない。やはり日本は小川航基の離脱が大きかった。CH板倉を市丸に代えて投入したところで攻撃の形も限られてしまった。その点では相手をリスペクトし過ぎたかもしれないが、限られた手駒の中ではよくやったと思う。この経験を東京オリンピックにつなげたい。一方でトゥーロン国際にも参戦中。日本には杉森や町田らも残っている。今後さらにこの年代が底上げされることを期待したい。