とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

キリンチャレンジカップ2017 日本対シリア

 13日にアジア最終予選イラク戦を控え、同じく中国での予選を控えるシリアとの強化試合。シリアはグループAで4位ながら、3位ウズベキスタンとの勝ち点差は4。まだ十分予選突破が狙える順位で、中国戦に向けていいパフォーマンスを見せておきたいところ。日本は山口をアンカーに香川と今野をIHに置く4-3-3。FWは右から久保、大迫、原口と今、最も旬な選手たちを起用した。

 序盤、シリアが積極的に攻めてくる。そして7分、右SHアルマワスがドリブルで仕掛けると、左IH香川が対応。しかし接触後の落ち方が悪かったか、左肩を痛めてしまう。結局10分に倉田と交代。前半イマイチ、攻撃の形を作れなかったのはこの交代が影響したと思う。それでも9分には左SB長友のフィードをCF大迫がうまく収めてポストプレー。左SH原口が切れ込んでミドルシュートを放った。

 13分、OHアルメダニからCHアルムバイドの落としをアルメダニがミドルシュート。GK川島がセーブする。15分には左SBアルアジャンがドリブルで駆け上がり、切り返してミドルシュートを放つ。日本も17分、左IH倉田のスルーパスからCF大迫がシュート。18分にはCH山口の縦パスを左FW原口が落とし、左IH倉田がミドルシュート。19分には左FW原口がミドルシュート。さらに21分、CB吉田の縦パスからCF大迫のスルーパスに右IH今野が走り込むが、GKアルメが先に抑える。

 香川がいればトップ下で様々にタクトをふるい、ゲームを作っていったはずが、倉田は少しタイプが違う。どちらかと言えば自ら仕掛けるタイプ。原口とダブっている。ハリルホジッチ監督は再三、今野に上がれと指示をしていたが、どうしても山口の守備のサポートをせざるを得ない。そして山口の動きもイマイチ。全体的に練習で疲れがピークになっていたかもしれない。右FW久保もミスが多かった。

 27分、シリアは右SBジェニアトのクロスをCB昌子がブロックするが、右SHアルマワスが拾ってシュート。サイドネットに突き刺さる。日本も35分、CH山口の大きなサイドチェンジから右SB酒井宏樹が駆け上がり、クロスに左FW原口がミドルシュート。DFがブロックする。シリアの守備もいい。全体的にモチベーションが高く、プレスが早い。アディショナルタイム2分、CB昌子の縦パスから左FW原口が中へ運び、右IH今野が右に流して、右FW久保がミドルシュート。しかしポスト左に外した。

 後半頭、日本は動きの悪かった右FW久保に代えて本田を投入する。しかし2分、右SBジェニアトのスローインを右アルマワスがつないで、CHアルムバイドの落としからアルマワスがミドルシュート。さらに3分、左SHユーセフが左サイドを突破。戻しのパスにCFマルドキアンがミドルシュート。これはGK川島がセーブするが、続くCKから右SBジェニアトのクロスにCFマルドキアンがヘディングシュート。これが決まり、シリアが先制点を挙げる。ゴール前で全くマークがルーズになっていた。

 日本は8分、動きにキレのなかったCH山口に代えて井手口を投入する。すると井手口がいい。中盤でしっかりとシリアの攻撃をカットしていく。そして13分、左FW原口の縦パスをCF大迫が収める。これが絶品。左サイドに落としたパスを拾って左SB長友が駆け上がると、クロスを右IH今野が押し込む。日本が同点に追い付いた。

 その直後、今度は左FW原口に代えて乾を投入。また18分には右IH今野に代えて右FW浅野を投入する。本田を右IHに下げることで中盤に収めどころができて、ゲームは俄然、日本ペースとなっていった。19分、左FW乾の縦パスに抜け出した左SB長友がシュート。20分、左FW乾の縦パスから左SB長友のクロスに右SB酒井宏樹ボレーシュートを放つ。

 シリアも26分、右SBジェニアトがドリブルで駆け上がり、シュート。CB昌子のブロックにはね返ったボールを再びシュート。やや危ない場面もあったが、その後は日本が圧倒する。29分、左IH倉田のパスをCF大迫が収めて、タイミングよく右に流して右IH本田がシュート。GKアルメにセーブされたが、大迫と本田がよく効いている。32分には右IH本田のフィードから左FW乾がドリブル。DFを抜いてシュートを放つが、これもGKアルメのナイスセーブに止められた。

 さらに37分には左FW乾がミドルシュート。しかしCF大迫に当たってしまう。38分、左SB長友のクロスに右FW浅野が走り込むが、GKアルメがセーブ。さらに39分、本田のCKにCB吉田がヘディングシュート。枠を外す。42分にも左FW乾のドリブルからDFにはね返りを右FW浅野が右に流して、右IH本田がシュート。乾が交代出場した以降は日本が圧倒的に攻めていった。最後はシリアが選手交代などで時間を使って、そのままタイムアップ。ゲームは1-1のドローで終わった。

 日本は前半、早い時間に香川が交代して攻守のバランスが崩れたが、後半は井手口と本田が中盤に入って、左IH倉田と左FW乾との役割分担もよくなり、大迫のポストプレーも生きるようになった。イラク戦には全体的にもう少し調子も上がってくると思うが、香川が使えないとすれば、本田を右IHで起用するのはアリだ。原口を左IHにして、左FW乾の先発も面白い。前半はどうなるかと思ったが、イラク戦に期待が高まる後半だった。この調子で絶対勝利を期待したい。