とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

退職記念旅行は、東北でよかった(その8)

 「退職記念旅行は、東北でよかった(その7)」から続く。

 朝になってまず露天風呂に行った。しばらくすると他の客が入ってきた。東京から。各地の温泉を回っていると言う。「ここは温泉の質はいい。湯量も多い」と言う。昨夜の得体もしれず蹴飛ばした物は排水穴の上に乗せたカバーだった。白い湯の花が薄く湯船の底を覆っている。気持ちよく風呂に入り、おいしく朝食を食べ、でもコーヒーが切れてなかなか仲居さんが来てくれず。このあたりはイマイチ。湯の質でもっている感じ。

 さて今日は最終日、まずは会津若松へ向かう。猪苗代磐梯ICへ向かう道から磐梯山がよく見える。路肩に止めて写真を撮る。そして給油。磐越道会津若松ICまで走る高速も白い山並みがきれいだ。ICを降りて、まずさざえ堂に向かう。土産物屋が競って駐車場へ案内する。その一つに止めてまずは目的地へ。さざえ堂が飯森山の中腹にあるとは知らなかった。妻は有料のエスカレーターに乗っていく。でも階段を登っても大したことはなかった。エスカレーターの終点から飯森山へはあと少し階段を登る。でも目的地はさざえ堂なので、逆にスロープを下る。すぐにさざえ堂。予想外にこじんまりした建物だった。しかも白虎隊に比べて、観光地としてはそれほど大きく扱われていない。確かに江戸期の観光施設といった趣旨の建物で謂れなどには遠いが、建築的には他に例のないもの。二重らせん構造を登って、降りる。堂内は無数の札が貼られて独特の雰囲気。外から改めて斜めの梁などを鑑賞する。なるほどなあ。

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 帰りはスロープをダラダラと下り、開店したばかりの土産物屋でしばしゆっくりとして、次は鶴ヶ城へ向かう。桜は葉桜になり始めてはいるが、まだ満開。多くの来場者で賑わっている。桜の木と共に天守閣を眺める。なかなか気持ちがいい。でも天守閣には登らず、帰ることにした。そういえば、飯森山の近くに「八重の桜」があった。正式には「石部桜」。大河ドラマ「八重の桜」のオープニングで満開の桜が散るシーンに使われていた。近くに駐車場がなく、妻を近くで降ろしてから、先に止めた土産物屋の駐車場まで行って、そこから走った。田んぼの中の1本桜。だがやはり満開にはやや遅い。花よりは若葉の方が勝ち始めている。

 会津若松を出て、次は喜多方へ向かう。昼はやっぱり喜多方ラーメン。狙いは市役所近くの坂内食堂。だが、12時半過ぎに着いたら、既に長蛇の列。どうしようかと迷ったけれど、もう来ることないだろうからと最後尾に並ぶ。結局1時間以上。肉そば(950円)と支那そば(650円)を食べる。スープはあっさりしているが、たっぷりなチャーシューとよくバランスが取れている。おいしい。喜多方ラーメンを見直した。

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 その後は蔵の多いふれあい通りをクルマで走るが、あまりに蔵の町並みが見事なので、結局、クルマでは我慢できず、途中でストップ。「喫茶くら」の駐車場に止めて、コーヒーを飲んだ後に周囲をぶらぶら。「中の越後屋醤油店」で塩麹の作り方を聞き、麹と甘酒を買った。続いて、しだれ桜並木へ。多くの人が並木沿いの歩行者道を歩いている。しばし並行して道路を走りながら、鑑賞。

 もう3時を過ぎている。今日はこれから自宅まで550kmを走らなければならない。会津坂下ICから磐越道に乗って、まずは新潟方面へ。新潟中央JCTから北陸道に入って、途中、突然の豪雨もあったが、米山SAで休憩。日本海に沿って柏崎原発が見える。上越JCTから上信越道に入っていく。妙高山がきれいだが、上り坂がきつい。信州中野ICから南は通ったことがある道。更埴JCTから長野道に入るとカーブが多く、トンネルも多い。梓川SAに着いたのは8時過ぎ。レストランが開いていてよかった。そして家に着いたのは11時。さすがに疲れた。

 4月22日(土)に福井県九頭竜ダムから始めた桜を追いかける旅も、7泊8日。1週間してようやく家に帰ってきた。その間、越前大野、金沢、魚津、出雲崎、村上、鶴岡、酒田、秋田、八郎潟、白神十二湖、岩木山弘前奥入瀬渓谷、小坂、田沢湖、角館、会津若松、喜多方。実に多くの町を訪ね、多くの桜を見た。中でも、八郎潟の桜と弘前の桜が見事だった。また、きりたんぽ鍋など東北ならではの食にも巡り合えた。そして何より人が親切。それが一番うれしかった。外国旅行も考えたけど、退職記念旅行は東北にして本当によかった。東北でよかった。