とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

W杯アジア最終予選グループB第8戦 イラク対日本

 何とも言いようのない、脱力感を感じる敗戦。その後の報道では、ハリルホジッチの練習がきつすぎたなんて話も出ていた。確かに暑さやピッチコンディションもあるけれど、それにしても日本の選手の消耗は早過ぎたし、いつものプレーができなかった。それでも何とか守り切ってと思ったが、90分間全くミスなくというのはやはり難しい。大迫のファールを受けたプレーがPKを取ってくれなかったり、不運な部分もあった。気を取り直して次へ向かおう。

 イラク選手の表記がNHKとTV画面で表示されたアルファベット表記で全く異なるので、どう表現したらいいか迷うが、ここは公式表記に倣うことにしたい。日本は井手口がボランチで先発。そこは予想通りだったが、遠藤とダブルボランチを組んで、4-2-3-1の布陣。しかも久保を左SHに回して、本田が右サイド、原口がトップ下というのは少し意外だった。序盤、イラクが攻め込む場面もあったがすぐに日本がペースを握り、5分、右SH本田のスルーパスに駆け上がった右SB酒井宏樹のクロスにCF大迫がシュート。ニアに外したが、相変わらず大迫は好調さをキープしている。

 そして8分、CH遠藤のパスを受けたCF大迫が真ん中で仕掛けると。混戦の中からこぼれ球を拾ったOH原口が抜け出してシュート。GKがパンチングで弾いたが、続く右SH本田のCKにCF大迫がヘディングシュート。日本が幸先よく先制点を挙げた。しかしその後は急速に日本がペースダウン。18分、右SHアハメド・ヤシーンから左に展開。左SBアリ・アドナンのクロスをOHアブドゥルザフラと長友が競ると、こぼれ球を左SHマフディ・カミルがヘディングシュート。20分には右SHヤシーンのクロスをCFカッラルがヘディングシュートを放つ。

 イラクの攻撃はロングボール主体。だが、ゴール近くに放り込んだボールに対してイラク選手の身体が強く、うまく処理しないと怖い。その点で吉田と昌子の両CBはよく対応をしていた。28分にはCB昌子のフィードにCF大迫が走り込んで、最後はPA内でCBレビン・スラカに押しつぶされたようになったが、主審はPKを取らず。あれはないな。前半はこのまま終了。日本が1点をリードして折り返した。

 後半に入っても日本が守る展開が続く。DFラインが低く、クリアしてはイラクにボールを拾われ、また攻め込まれる。CB吉田や右SH本田が身体の強さを見せて、けっして負けてはいないが、攻撃ではピッチコンディションが悪く、スムーズにボールを前に運べない。そして17分、CH井手口がピッチに足を滑らせ、後頭部を強く打ち付けてしまう。そのまま今野に交代。大丈夫か。イラクも14分、右SHヤシーンに代えてフマム・タリクを投入した。

 20分、OH原口のスルーパスに走り込んだ右SB酒井宏樹がクロス。DFがブロックしたボールをCF大迫がシュートするが、ポストに阻まれれた。続くショートCKから右SH本田のクロスにOH原口がヘディングシュートするが、枠を外す。原口は序盤こそよく動いていたが、次第に電池切れの様相。そして25分、ハリルホジッチはOH原口を倉田に交代する。しかしなかなかイラクの攻撃を押し返せないまま、DFラインが下がって、押し込まれる展開が続く。そして27分、OHアブドゥルザフラがゴリゴリとゴールに向かって仕掛けると、CB吉田が身体を入れてGK川島にキャッチを促す。そこに突っかかるCFカッラル。GK川島がうまくボールを抑えることができず、胸に当てて前にこぼすと、そこに左SHカミルが走り込んでシュート。イラクが同点に追い付いた。

 反撃しようとする日本。だがそこにまた悲劇が襲う。左SH久保が足を攣る。さらに右SB酒井宏樹がしゃがみ込み、起き上がれない。やむなく31分、酒井高徳に交代する。ケガ人で3枚のカードを切ってしまった日本。しかも久保が走れない。イラクは32分、左SHカミルに代わってバシャル・レサン。さらに35分にはCHヌーリに代えてアットワンを投入する。なかなか攻め込めない日本。長いアディショナルタイム。46分、右SH本田のミドルシュートは枠を外す。50分、右SB酒井高徳スローインをCB吉田が落とし、右SH本田がシュート。しかしGKカッシドの正面。そしてタイムアップ。1-1。イラク戦は痛恨の引分けに終わった。

 結局、オーストラリアとサウジアラビアと日本の3強による巴戦でW杯出場国を決定する形になった。負ける訳にはいかない。というかこれで勝ち抜けなかったら、W杯に出場できる実力がなかったものと受け入れるしかない。そして、ホームで戦うオーストラリア戦で何とか勝利して出場を決めないと、次はアウェイのサウジアラビア戦が待っている。イラク戦を観る限り、アウェイの中東は日本にとっては厳しい試合となる。ヨーロッパリーグは既に始まって、Jリーグは暑い夏を終えた後。どちらもコンディション的には辛いかもしれないが、やるしかない。必ず勝利するしかない。