とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

コンフェデレーション杯 グループB第1戦 オーストラリア対ドイツ

 コンフェデレーション杯のグループBはW杯前回優勝国であるドイツを中心としたグループ。だがそのドイツは今大会、若手を中心にメンバーを選考した。シャルケのゴレツカやバイエルンのキミッヒなど、ブンデスリーガでお馴染みの選手も多い。一方のオーストラリアは日本にとっては、8月のアジア最終予選での対戦に向けて、どんな選手・内容を見せるかが関心の的になる。右CBにはマリノスのデゲネクも出場している。

 序盤はオーストラリアが積極的に攻めていった。だが5分、ドイツは右IHゴレツカのスルーパスに右SHブラントが抜け出して、クロスに左IHスティンドルがシュート。あっさりと先制点を挙げる。ドイツの攻撃陣はバーグナーがワントップ、ルディがアンカーを務める4-1-4-1。残りの攻撃陣は自由にポジションをチェンジしてくる。15分、左SHドラクスラーのFKから右IHゴレツカがヘディングシュート。16分には右SBキミッヒの縦パスに走りこんだ右IHゴレツカのクロスにCFバーグナーがダイビングヘッド。若い選手が多いが、技術や連携はさすがだ。

 一方、オーストラリアは丁寧にパスをつないで攻めていくが、なかなかドイツのゴール前までは入っていけない。19分、右SBキミッヒの縦パスに走りこんだ右SHブラントのクロスから右IHゴレツカがミドルシュート。DFがブロックする。21分、右SBキミッヒの縦パスから右IHゴレツカが右に流し、右SHブラントが切り返してシュート。GKライアンがナイスセーブを見せる。さらに23分には右IHゴレツカのスルーパスに抜け出したCFバーグナーがシュート。わずかにポスト右に外す。

 ドイツは中盤の守りがしっかりしていて、オーストラリアの攻撃を自由にさせない。27分、ドイツは左SBヘクトールのショートCKから左SHドラクスラーの戻しを右SHブラントがミドルシュート。GKライアンがファインセーブではじき出した。オーストラリアの初シュートはようやく37分、左IHムーイのFKをCBセインズベリーがヘディングシュート。フリーだったが、外してしまった。

 サイドチェンジパスの正確さ、トラップの見事さ。若くてもドイツ代表のプレーはさすがだなと感心して観ていた。が、41分、オーストラリアはCHミリガンの縦パスを受けた右OHロギッチがドリブルでゴールに迫り、ミドルシュート。DFに当たったはね返りをもう一度シュートを放つと、GKレノのわきの下を抜けてゴールに飛び込んだ。なんとオーストラリアが同点に追い付いた。

 ところが前半はまだ終わらない。44分、左SBヘクトールのパスを受けた右IHゴレツカが左IHスティンドルとワンツー。PA内に入ったところでオーストラリアのCHルオンゴが倒してしまう。PKの判定。これを左SHドラクスラーが落ち着いて決めて、2-1。ドイツが再び1点をリードして前半を終えた。

 オーストラリアは後半頭からCHルオンゴに代えて左FWクルーズを投入。ムーイをボランチに下げる。オーストラリアの陣形は3-4-3。ユーリッチを中心にロギッチとクルーズがシャドー的に攻撃を作り、右WBのレッキー、左WBベヒッチがサイドから攻撃をする形。しかし3分、ドイツは右SBキミッヒのスルーパスに右IHゴレツカが抜け出しシュート。追加点を挙げた。3-1。7分にも右SHブラントのパスをCHルディが落とし、右IHゴレツカがミドルシュート。ゴレツカの積極的な攻撃参加が印象的だ。

 オーストラリアは右FWロギッチが積極的。11分、ロギッチのドリブルを右IHゴレツカが倒して得たFKをCHムーイが蹴る。壁に当たって跳ね返ったところを右FWロギッチがミドルシュート。GKレノがはね返すが、こぼれたところをCFユーリッチが詰めて押し込んだ。3-2。オーストラリアが1点を返す。主審がVARと交信するが、ゴールは認められた。

 ドイツは12分、CFバーグナーに代えてベルナー。18分にはブラントに代えて右SBズーレを投入。キミッヒを右SHに上げる。オーストラリアも26分、右FWロギッチに代えてトロイージを投入。オーストラリアがパスを回して攻めていく。28分、右FWトロイージがドリブルからミドルシュート。GKレノがナイスセーブを見せる。30分、CFベルナーのミドルシュートはポストにはね返される。33分、ドイツは左IHスティンドルに代えてエムレ・ジャンを投入した。34分、オーストラリアはCFユーリッチのポストから左FWクルーズがミドルシュート。GKレノが弾き出す。

 その後もほぼ互角のゲームが続く。41分にはCFユーリッチに代えてケーヒルを投入。しかしケーヒルも日本戦のような活躍はできなかった。終盤、右IHゴレツカやCFベルナーのシュートが見られたが、そのまま時間は経過。3-2。ドイツがグループリーグ初戦を勝利でスタートした。

 若手主体といってもさすがドイツは人材がそろっている。みんな技術や戦術面でもしっかりとしたものを持っている。これが日本だったらどうだったか。オーストラリアよりはもう少し善戦したんじゃないかと期待するが、ゲーム終盤で互角の展開に持っていったのは、さすがにオーストラリアも力がある。日本だったら逆の展開(終盤にゴールを入れられて力尽きる形)になっていたんじゃないかな。

 コンフェデレーション杯はどのチームにとってもW杯を見据えた準備的な大会だ。ドイツであれば若手の底上げ、オーストラリアであれば最終予選に向けたチームの成熟など、それぞれのテーマに合わせて大会に臨んでいる。オーストラリアなどは逆にこうした大会に出場することで日本に攻略の検討素材を与えている可能性もあるが、だからこそ日本もしっかりとスカウティングをしておきたい。日本にとって次のオーストラリア戦は絶対勝利が必要だ。