とんま天狗は雲の上

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コンフェデレーション杯決勝 チリ対ドイツ

 いよいよコンフェデ杯も決勝戦。ドイツが決勝まで残ることを予想した人は多くなかったかもしれないが、ドイツの層の厚さを改めて感じた大会だった。これは単にドイツの育成の確かさだけでなく、ブンデスリーガの充実も要因の一つではないか。この大会でもビダルエルナンデスなど、ブンデスリーガで活躍する外国人選手も多い。そして決勝戦ブンデスリーガ主体のドイツにチリが挑戦するゲームとなった。

 チリは準決勝と全く同じ先発陣。ビダルがトップ下で自由に動いてゲームを作り、GKには準決勝PK戦、3人連続ストップのブラボが控える。一方のドイツはキミッヒを右WBに上げてムスタフィがCB中央で先発した他は準決勝と同じ。2分、チリのFWサンチェスがミドルシュート。5分にはOHビダルのクロスに走り込んだ右SHアランギスがDFと競り合いながら落としたボールにOHビダルがシュート。GKテア・シュテーゲンがセーブする。序盤からチリが積極的に攻めていく。7分、OHビダルミドルシュート。11分、OHビダルの縦パスをFWサンチェスが落とし、FWバルガスがミドルシュートを放つ。

 ドイツは15分、左FWドラクスラーのCKからCBムスタフィがヘディングシュート。これがドイツの初シュート。チリは19分、右SBイスラがCHディアスとのワンツーからシュート。20分にはOHビダルミドルシュートを放つが、GKテア・シュテーゲンがナイスセーブ。さらにはね返りをFWサンチェスがミドルシュートを放つが、これもGKテア・シュテーゲンがファインセーブした。しかしなかなかゴールを挙げられない。するとその直後、CHディアスがゴール前でボールを持つと、右FWスティンドルのプレスをかわそうとして右へトラップ。しかしこれが長過ぎた。CFベルナーが奪うと、スティンドルへパスしてシュート。チリは一瞬のミスで1点を奪われた。

 しかしチリもめげず、さらに強く攻めていく。24分、OHビダルから右に流して、右SBイスラのクロスに右IHアランギスがシュート。しかしうまく当たらない。32分、OHビダルミドルシュート。ドイツはしっかりと守ってカウンターを狙う。36分、左FWドラクスラーからの戻しのパスをCHルディが右へスルーパス。CHゴレツカが上がってミドルシュートを放つが、わずかに左に外した。

 40分には左WBヘクトールの縦パスに走り込んだCFベルナーからの戻しのパスを左FWドラクスラーがミドルシュート。チリも44分、右SBイスラが右サイド深い位置でボールを奪うと、戻しのパスにFWバルガスのクロスにFWサンチェス。しかしDFがブロックする。45分にはCBハラのミスから左FWドラクスラーがボールを奪い、左に流してCHゴレツカがシュート。しかしGKブラボがナイスセーブ。前半は1-0のドイツのリードで折り返した。

 後半に入っても激しい攻防が続く。8分にはCHディアスを下げてOHバレンシアを投入。エルナンデスをアンカーに下げ、ビダルが左IHに下がる。10分、左FWドラクスラーがドリブルで長い距離を駆け上がりシュート。後半に入ってもチリが攻め、ドイツがカウンターを狙う状況は変わらない。18分にはCFベルナーの抜け出しに対してCBハラが肘を張り上げ、倒される。VARの結果、ハラのイエローカードで収まったが、両者、熱い戦いが続く。

 27分、左IHビダルのフィードにFWサンチェスが走り込み、クロスにFWバルガス、右IHアランギスが走り込むが、ドイツDF陣も厚く、うまく合わせられない。最後はサンチェスがボールを拾ってシュートを狙うが、DFにブロックされる。29分、右IHアランギスのクロスにFWバルガスがシュート。GKテア・シュテーゲンがセーブ。30分、FWサンチェスが左に流し、左SBボセジュールのクロスのこぼれを左IHビダルがシュート。しかしこれもGKテア・シュテーゲンがファインセーブ。

 ドイツは34分、CFベルナーに代えてCHジャンを投入。スティンドルをCF、ゴレツカを右FWに上げる。35分、右IHアランギスのミドルシュートはわずかにGKテア・シュテーゲンが触ってポストの左。36分にはチリが2枚替え。FWバルガスに代えてプッチ。右IHアランギスに代えてサガルを投入する。37分、OHバレンシアミドルシュートもGKテア・シュテーゲンがセーブ。39分、FWサンチェスのクロスにFWプッチが走り込み、戻しのパスに右IHサガルがシュート。しかし枠を外す。

 その後はドイツも時間を使っていく。アディショナルタイム5分、FWサンチェスのFKはGKテア・シュテーゲンがセーブ。弾いたボールに左IHビダルが詰めるが、触れず。結局このままタイムアップ。チリのミスで得た1点を最後まで守り切って1-0。ドイツがコンフェデレーション杯優勝を飾った。

 若手主体で臨んだドイツ。この結果はW杯連覇に向けてすごく大きな財産となる。言ってみればBチームでの世界制覇。W杯に向けて、彼らには国内のさらに激しい代表選考レースが待っている。今季のブンデスリーガはこれまで以上に燃えそうだ。一方のチリもよく戦った。メキシコにしろ、チリにしろ、中南米の選手は誰も熱い。最後まであきらめないガッツがある。この決勝戦でもそれを最後まで見せてくれた。この気迫がW杯で報われる日が来ることを期待したい。そして日本も、これらの国々に伍していくにはまだまだ努力が必要だ。まずは来月のオーストラリア戦でそれを見せてほしい。コンフェデ杯を体験したオーストラリアはまた一段と強くなったはずだ。負けない熱い思いを見せてほしい。