とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

社長に振り回されて

 再就職して1ヶ月が経とうとしている。あいさつ回りもひと段落して、いよいよ仕事と思うが、親会社からやってきた定年退職者の仕事といっても大した業務があるわけではない。それでも就職して長くこの会社で働いているベテラン社員などに話を聞いて、自分の役回りなどを確認していく。どうやら前任者は多くを正社員に任せて、なるべく静かにしていたらしい。それで回っていくのならいいが、私の性格の問題もあり、なかなかじっとしていることができない。それで色々なところに顔を出し、みんなの話を聞いていると、どうやらこの会社の問題点の一つが社長にあるらしいことに気付いた。

 社長は私とは別の大会社から3年前にやってきた方だが、これまでもかなりワンマンに従来からの慣習などを打ち破ろうとしてきたようだ。それ自体は必ずしも悪いとは言えないが、どうもそのやり方が一方的・高圧的で社員の反感を呼んでいる。例えば、社員目線からの業務改善提案をしようということで始めた環境整備運動では、社員提案を5点以上と強制的に義務付け、この解決をまだかまだかと迫る。接客マニュアルの作成を提案し、女性職員を集めて自ら作成した案に対する意見を集めて、決定の上、周知する。もう少し丁寧なやり方、社員の発意を大事にする方法があるのではと思うが、じっくり社員意見の醸成を待つことなく社長意見を提示するものだから、社員の間では「社長が言うことなら仕方がない」、「無理に反発してもかえって忙しくなるだけ」といった思いが生まれ、不承不ながら承従っている。

 私はと言えば、まだ社長の言いたいこと、その真意がわからない部分も多いが、わからなければ疑問をぶつけ、異論があればその意見をなるべく言うようにしている。前任者も最初はそうやってがんばっていたが、次第に疲れて、最後は静かにしていたと聞く。私もいつまで抵抗できるだろうか。それでも私が言わなければ他に言う人はいない。たとえ嫌われても異論をしっかり言っていこうと思う。ただ残念なことに、突然の社長提案に対して、すぐに内容を把握し反論できるだけの能力も経験もない。それで帰宅してから「あの時こう言えばよかった」と反省することもたびたび。まあ仕方がない。社長が決めて最後に会社がどうなろうとも全ては社長の責任だ。社長の趣味の範疇であれば、多少のわがままは許してもいいかもしれない。だが社長が退任する時、社員一同が困らないよう、後に残る方針に対してはしっかり意見を言っていこうと思っている。