とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

「いいよ」と「いいと思うよ」の違い?

 夕食の調理をしていた妻が、料理の乗った皿を食卓へ運ぼうとしていた私に「これでいいかな」と言った。それで「いいと思うよ」と言ったら、なぜか突然怒り出した。

 妻が言うには「『いいと思うよ』の『思うよ』が余分。それを聞くと、上から目線、判断されている気がして気分が悪い」と言う。

 えっ、なぜ? 「いいよ」の方がより断定的。「思うよ」と添えることで、相手側に判断の留保をしているつもりだ。でも妻に言わせると「違う」。「思う」と添えると、「自分の意見を押し付けられている感じがする」と言うのだ。 わからない???

 楽しく食事をしようとした矢先の言葉に、空腹だったこともあって、むっとして、気まずい雰囲気のまま、早々に食事を切り上げてしまった。

 しばらくしたら娘から「駅まで迎えに来てほしい」との電話。これを幸い、妻を残して駅へ向かう。帰りの車中で、娘に意見を聞くと、「ママの言いたいことは私もわからないけど、私だったら『私はいいけど、ママはどう思う?』って言う」という答え。うーん・・・

 思うに、その日、妻は疲れていた。それでもがんばって夕食の準備をした。それで労いの言葉が欲しかったところに、「いいと思うよ」という、調理の結果に対して評価するような言葉。それでそれまでギリギリがんばっていたものが爆発した、といったところか。

 しかしそれも今だから考えること。その時は、質問に対して単純に答えただけ。さっぱり意味がわからなかった。確かに人は、口に出す言葉と心で思っていることが全く違うことはよくある。夫婦であればそれくらいわかって当然? かもしれないが、わからなかった、まさに虎の尾を踏んだ感じ。そんなところに尻尾を出しておくなよ。

 まあ、それでも翌日にはギクシャクながら元に戻った。夫婦ってそんなもん。それにしても、シチュエーションによって同じ言葉でも捉え方が異なるとは言うが、「『いいよ』と『いいと思うよ』の違い」というのは、かなりの高難度の表現の差だ。たぶん妻が疲れていなかったならば、何も問題はなかったはず。また一つ、勉強になってしまった。ああ、でも疲れた。