Jリーグ後半戦の最大の話題はポドルスキの加入だ。前節アルディージャ戦では2ゴールを挙げてヴィッセルの2連勝に貢献した。初めてアウェイでのゲームを戦う。迎え撃つのはレイソル。一時は首位に立ったが、アントラーズとセレッソに連敗。前節は先制するも追い付かれドロー。4試合勝利なし。順位も5位まで下がってしまった。しかしポドルスキを迎え、レイソルホームのサポーターは燃え上っている。先発はディエゴ・オリベイラとキムボギョンが並ぶ2トップ。クリスティアーノは左SHに下がる、4-4-2の布陣だ。ヴィッセルはポドルスキと渡邊千真の2トップ。三原が右SHに入り、田中英雄がニウトンと並んでボランチに入る。
4分、FW渡邉のクロスを左SH大森が落とすと、FWポドルスキがDFをかわすトラップ。自ら打つつもりだっただろうが、大森がシュート。DFに当てる。まだ二人の意思疎通がないと見るか、大森の積極性を評価すべきか。ポドルスキならうまく浮かせてDFをかわしたシュートを打ったかもしれない。しかし続くSCKからCH田中英雄がクロスを折れると、DFにクリアを右SH三原がミドルシュート。DFに股を抜いてゴールに転がり込んだ。ヴィッセルが幸先よく先制点を挙げた。
13分にはFW渡邉のクロスからFWポドルスキがボレーシュート。しかしうまく当たらない。序盤こそヴィッセルが勢いを持って攻めていったが、お互い高いDFライン、狭い中盤での早いプレス。次第にレイソルがペースを掴みだす。28分、左SHクリスティアーノのFKはGKキムスンギュがナイスセーブ。37分、CH手塚の見事なスルーパスに抜け出した左SHクリスティアーノのシュートは右SB伊野波が止めた。前半は動きの少ないサッカー。序盤の先制点のまま動かず、ヴィッセル1点リードで折り返した。
後半3分、CH田中英雄のCKがこぼれたところにFWポドルスキ。ボレーシュートを放つも枠を外した。5分にはFWポドルスキから左に流して、左SB橋本のクロスに右SH三原がシュート。これも枠を捉えられない。するとその直後、右SB小池のきれいなスルーパスに左SHクリスティアーノが抜け出して、GKと一対一から左に流してFWディエゴ・オリベイラがシュート。レイソルが同点に追い付いた。
するとゲームは完全にレイソル・ペース。11分、クリスティアーノのCKにCB中谷がヘディングシュート。GKキムスンギュがはね返すと、今度は右SH伊東がシュート。しかしGKキムスンギュがファインセーブ。14分には左SHクリスティアーノのクロスをFWキムボギュンが落とし、FWディエゴ・オリベイラがシュート。しかしこれもGKキムスンギュがスーパーセーブを見せる。
しかし22分、中盤のルーズボールを確保しようとしたCH田中英雄にCH手塚が後ろからファール。両者縺れて倒れた時に田中英雄が報復のキックを浴びせる。主審がよく見ていて一発レッドカード。ヴィッセルは一人少なくなってしまった。そのまま退場した手塚に代わり、24分、レイソルはCH小林を投入。ヴィッセルは三原をCHに下げ、渡邉を左SHに下げる。大森を右SHに回してポドルスキのワントップ。4-4-1に変更する。すると27分、Ch三原に左SB輪湖がチェックに入り、こぼれ球を左SHクリスティアーノが強烈なミドルシュート。ネットに突き刺して、レイソルが逆転に成功。まるでポドルスキに見せつけるようなクリスティアーノのミドルシュートだった。
ヴィッセルも29分、CFポドルスキの落としからCH三原がミドルシュートを放つが、ブレ球のシュートをGK中村航輔がナイスセーブ。ゴールを許さない。そして31分、左SHクリスティアーノのFKをGKキムスンギュがパンチング。CH小林が拾って、CB中谷がクロス。右SH伊東の落としをCB中山がゴール左ポストギリギリに飛び込むミドルシュート。3点目を挙げてゲームを決めた。その後はヴィッセルが32分CH高橋秀人、37分には松下と小川を投入して反撃を期すが、レイソルもハモンロペス、武富を入れて時間を使い、そのまま押し切った。3-1。レイソルが見事な逆転劇で勝利。順位も3位に浮上した。
ポドルスキとクリスティアーノ。お互い絶対的な決定力を持つ二人だが、世界的な知名度では大きく違う。しかしそこはクリスティアーノが意地を見せたプレー。ポドルスキもJリーグのレベルを知ったことだろう。そのポドルスキはまだ周囲との連携がイマイチ。ヴィッセルは中盤やDFからもっと湧き出るように選手が上がってきてほしい。ポドルスキをどう使うかをもっと考えたい。逆にレイソルはポドルスキが出場したことで却って燃え上がった感じ。ポドルスキを刺激に久しぶりにいいサッカーを思い出した。この勝利でまた、首位戦線に復活だ。
