とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

J2リーグ第28節 町田ゼルビア対名古屋グランパス

 ロアッソ戦から3連勝。ここ2試合は5点以上を取って、攻撃陣は絶好調。だが守備は。ゼルビア戦もアディショナルタイムのゴールでかろうじて勝利したが、後半はヒヤヒヤする展開が続いた。結局、こういうサッカーになってしまうのか。たくさん点の入るゲームは面白いかもしれないが、サポーターはけっしてこういうゲームを望んでいるのではない。もっと安定感がほしい。

 グランパスは田口を累積で欠いて、和泉がボランチ。累積欠場から復帰したワシントンが左CBに入った他は前節と同じ先発。開始1分、右WB青木のクロスのこぼれから左FW佐藤寿人がシュート。GK高原がセーブする。ゼルビアも3分、左SB松本のクロスに右SH戸高がヘディングシュート。GK楢崎がナイスセーブで弾き出す。そして5分、ゼルビアの攻撃をCBワシントンがよく身体を入れて奪い取り、縦パス。だがこれを右SB奥山にカットされると、クロスに左SH平戸がボレーシュート。これが右ポストに当たってゴールに転がり込んだ。ゼルビアが先制ゴールを挙げた。

 ゼルビアは前線からよくプレスをかけ、積極的に前へ、ゴール前へクロスを入れていく。狭く密集してボールサイドにプレスをかけていくゼルビアの戦い方に、グランパスは短いパスをつなごうとして、結局、奪い取られる。14分、右FWシャビエルのCKに右WB青木がニアに飛び込みヘディングシュートを放つが、枠は捉えられない。左CBワシントンがDFをつかまえてサイドに開いたときに、CH和泉の対応が悪く、ゴール前のスペースをゼルビアに使われていた。それで15分過ぎ、ワシントンと和泉のポジションをチェンジする。これで落ち着いたか、ようやくグランパスのパスが回り始める。

 22分、右FWシャビエルの縦パスのこぼれを自ら拾い、切れ込んでクロス。だが走り込んだ左FW佐藤にはやや高過ぎる。23分、CH和泉のクロスのこぼれを右WB青木がオーバーヘッドシュート。DFのブロックを右FWシャビエルがシュート。GK高原がセーブする。そして24分、右FWシャビエルから右に展開。右WB青木、CH小林とつないで再びシャビエルが持つと、縦パスにCFシモビッチが反転して前を向いてシュート。グランパスが同点に追い付いた。

 しかしそれで安心したか、グランパスの攻撃が少し緩むと、またゼルビアが前からプレスをかけだす。31分、CH井上のミドルシュートはわずかにポスト右。32分、左SB松本のクロスに右SH戸高がシュート。これも枠を外す。34分、CH井上のフィードをCB藤井が落とし、FW中島がシュート。GK楢崎がナイスセーブ。何とかゼルビアの攻勢をしのぐと、36分、右サイドのスローインからCFシモビッチが抜け出して、クロスに左FW佐藤がシュート。DFがブロックする。しかし38分、右FWシャビエルのFKにCB新井がドンピシャのヘディングシュート。GK高原が弾くが、下にこぼれる。新井が飛び込んでいったが、その前にラインを割っていた。グランパスが追加点を挙げた。

 さらに42分、右FWシャビエルのCKに右WB青木がヘディングシュート。グランパスが3点目。ゼルビアを突き放す。さらにアディショナルタイム1分には、CB新井のフィードを左FW佐藤が落として、右WB青木がシュート。GK高原がナイスセーブ。3分、右FWシャビエルのFKはGK高原がセーブする。前半を終えて3-1。グランパス快勝の予感に、いつもこんなゲームをしてほしいと気持ちも緩む。

 だがそれが大間違い。ゼルビアは後半頭からFW吉田に代えてチームの大黒柱、鈴木孝司を投入する。後半もしばらくは互角の展開。9分、左SB松本のフィードからFW中島が抜け出すが、シュートは何とかCB新井がブロックした。後半も序盤はゼルビアが積極的に攻めていくが、グランパスは前半よりは落ち着いた守備を見せて、シュートを打たせない。18分には左FW佐藤に代えて押谷を投入。このままうまくゲームをコントロールしていくかと思われた後半20分、ゼルビアが左サイドでゲームをつくりクロスを入れると、中盤の中がぽっかり。CH井上が狙い澄ませたミドルシュートを決めて、ゼルビアが1点を返した。

 するとゼルビアが俄然攻めに転じる。受けに回るグランパス。26分にはCKのこぼれから右SB奥山が強烈なミドルシュートをポストの左に外す。そして27分、やはりゼルビアの左サイドから、FW鈴木がクロス。これを右SH戸高が絞ってシュート。一旦はCB新井がブロックするが、はね返りを再び戸高がシュート。ついにゼルビアが同点に追い付いた。

 その後はゼルビア・ペース。グランパスは30分、左WB秋山に代えて左FW永井を投入。押谷を左WBに下げるが、守備面では却って機能しない。31分、FW鈴木の落としからCH森村のミドルシュート。35分、CH井上のミドルシュート。38分には右SB奥山のクロスを左SH平戸が落とし、右SH戸高がシュート。一方的に押されるグランパス。42分にはCHワシントンに代えて八反田を投入した。

 そして43分、DFのフィードを左FW永井とDFが競ってこぼれたボールを右WB青木が拾って走る。そのまま抜け出すかと思ったところを、CB藤井と深津が挟んで倒してしまう。家本主審は一発レッドカード。しかし倒したのは明らかにCB深津なのに、なぜか退場になったのは左SH平戸。平戸は不満の表情を見せつつピッチを去った。ゼルビアに有利な判定ミスだったが、FKを蹴る右FWシャビエルには関係なかった。直接ゴールにねじ込んで、グランパスが勝ち越し点となる4点目を挙げた。アディショナルタイム3分のゴール。そして長い7分のアディショナルタイムを抑えて、ようやくタイムアップ。グランパスが4連勝を飾った。

 それにしてもシャビエルさまさまの4ゴール。短い距離でパスをつなぐグランパスに、短い距離を保ってプレスをかけるゼルビアが完全にマッチして、ゼルビアのプレスの網から抜け出せない。次々とゼルビアがボールを拾っては怒涛の攻撃を繰り返し、一時はこのまま逆転されるかと覚悟した。結局。グランパス右サイドの攻撃力と守備力の比較で、攻撃力が守備力を上回っての勝利。これからもこんなゲームが続くのか。次はいよいよアビスパ戦。アビスパも今節はVファーレに不覚を取って勝ち点差は6に縮まった。絶対勝利してさらに勝ち点差を3に縮めたい。田口も復帰するが、風間監督はどういう布陣で来るのだろうか。右サイドのシャビエル、青木、宮原を外せないのはわかるけれど・・・。