とんま天狗は雲の上

サッカー観戦と読書記録と日々感じたこと等を綴っています。

定年移住してなお再就職。

 昨年の冬に「悠々自適の定年後生活」という記事を書いた。定年後に伊豆の別荘地へ移住した友人家族を紹介したものだが、この夏に、またこの友人家族のところへ行ってきた。前にも書いたとおり、定年となっても会社から懇願されて、しばらくは再雇用という形で平日は名古屋で仕事をしていたが、いよいよ秋に正式退社することが決まったとのこと。これまでは週末だけの移住生活だったが、秋からは毎日、家族3人、別荘地で暮らす生活が始まるということだった。

 ところが、ご主人が意外なことを言い出した。 「今、次の仕事を探しているんですよ」。 えっ、悠々自適の定年後生活じゃなかったの?

 貯えがないわけじゃない。年金がもらえる年齢になって、生活に困るわけではないけれど、「1日中、家にいることを想像すると、やはり平日は定職がほしい」と言う。函南町ではトマト栽培農家などの季節労働者の募集はあるけれど、60歳を過ぎて、通年で働けるところとなると、それほど多くない。それで、いくつか就職先を探して、来週にもパン工場の面接を受ける予定とのこと。

 今は週末になると、薪を作り、畑を耕して農作業をすれば、週末が終わる。だが、これが毎日となると、さすがにやることがないようだ。そういえば、今、私が働いている職場にも、週2日だけ出勤の方がいて、話を聞くと、「仕事のない日はもっぱら農作業でちょうどいい」そうだ。

 パン工場の面接結果がどうなったか、まだ聞いていない。

 最近は60歳、70歳の会社経営者の方と会う機会が多い。彼らはみんな元気だ。政府では年金支給を75歳まで延伸する話も出ている。今どき、70歳でもまだまだ元気な人が多い。ただ、その元気を何に使うか、だ。結局、仕事、なのかな。自分もそれほど先の話ではない。考えさせられた出来事だった。